今回の収穫物は、ほぼフキのみという感じ。前日までのハードスケジュールもあったし、採集中の雨もあったし、夕方からの勤務もあるしと考えると仕方がないです。でもね、
瑞瑞しいフキですよ!
まだ葉っぱが開ききっていない若い茎ですから、美味しいことは間違いないはずです。ただし、食材に手間暇をかけて、その真価をしっかり発揮させることができれば、という条件がつくのかなあ。意外と難しくて、手間がかかるんですよね、フキ料理って。
フキは、最もポピュラーな山菜の一つ。それだからこそマタギも、改めて真面目に向き合ってみたいと思います。
それでは、行ってみましょうか!
≪フキの炒め煮各種≫
下ごしらえの部
・アク抜きを兼ねた下茹でをします
・それほど太くなかったので、適度に柔らかくなるように7分間の茹で時間
なぜか、ハケゴの底に鉛筆タケノコが1本
これは、H川のタケノコ林入り口で見つけたもの。この先、全然生えていなかったので、こうなってしまいました。
・君も、一緒に茹でておこう
・柔らかめのフキノトウも採ってきたので、こちらも茹でました(10分ほど)
※こうして、素材の種類や太さに応じて茹で時間を変えることも大事なひと手間
・フキと、フキノトウは流水にさらします
・タケノコは、皮を剥いて
知らんぷりして味噌汁に入れておきました(誰も気付かないみたい)
ここからがフキ料理で一番の手間暇です。
・1本1本丁寧に皮を剥いていくと
美しい芯(?)が出揃います
※フキには必要だけど、フキノトウには不要。その分だけフキノトウには時間をかけて茹でました
・寸切りにして、まずは、蕗を炒めます
・ゴマ油とサラダ油を各大さじ1ぐらい加熱して
・火が通ってきたら半分に分けました(各300gぐらいずつ)
君たちは後半戦まで待機ね
・中華鍋に残した半分に、酒みりん醤油各大さじ2と、顆粒だし小さじ1を加えて煮詰めます
つづいて、残りの半分には、
・鯖の味噌煮缶1個分をほぐしながら加えて、南蛮醤油小さじ1強を加えて煮詰めました
もう少し水分を飛ばしましょう
※味噌煮だから焦げ付きやすいのかと思ったけど、そうでもなかったです
これで、フキの炒め煮2種類が出来ました
フキノトウの炒め煮も出来ました
こちらも、味付けは酒醤油みりんと和風だしなんだけど、多分、今年最後の作品になると思うので、薄味にして、素材の味を十分に楽しめるように配慮したつもりです。
妻曰く、
「丁度、お弁当とかに入れる常備菜が、なくなるタイミングだったのよ。ありがとう!」
だって。
早速、本日のお弁当に入れてもらったら、凄く香り豊かで美味しかったです。
実はですね、前回の収穫物が、最高級の月山筍だったじゃないですか。それと比べたら、
『フキなんて、そんじょそこらに生えているじゃん。』
と考える方もいらっしゃると思ったんですよ。
でもね、『旬の山菜だから戴いてくる』というポリシーに何の違いもないんです。
タケノコにはタケノコの旨さがあり、フキにはフキの旨さがあるってことね。
そこから先、素材の真価を生かせるかどうかは、調理人の気持ちの入れ方次第だと思うんだよなあ。
魚料理の格言の一つに、こういうものがあります。
『イワシは、百編洗うとタイになる。』
これですよ!
手間暇をかけて、素材の美味しさを生かした料理に仕上げようとすること。
別に、これで商売しているわけではありませんけど、こうして真面目に素材に向き合えば、素材も必ず何らかの返事を返してくれる。その繰り返しが、マタギと山菜との仲を、ひいては、山の神様との仲を深めてくれるのではないかなあ。
そんなことを考えつつ、次回は、3日後に月山筍採りです。既に、ワクワクドキドキが止まらないのであります。
こちらの山の神様も、よろしくお願いいたします!
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