2003年の大晦日、寝床から 起き上がれない程、腰が痛くなった。
4,5日前にぎっくり腰を起こして、近所の接骨院に駆け込んだが、28日からは休みでほっといたのが悪かったのだろう。このまま、寝床で 正月を迎えねばならないんだろうかと思うだけで、気が滅入ってくる。
ノワタリさんから、遠隔で治せるおじいちゃんの事をと聞いていたので、早速連絡を取って、教えてもらった。その人はノワタリさんの親戚の人が手遅れだと医者に見離された骨肉腫を 直されたと聞いた。
「一つだけ気をつけてね。同じ事を何度も、何度も聞かれるけど、丁寧に受け答えしてね」。と言われた。
藁にもすがるつもりで、電話をかけた。
「どうした?」「ぎっくり腰になりまして」「なんか治療はしたか?」「はい、接骨院に」「直ったか?」「いいえ」「直らないのに行くのか」「良くなると思って」「直らないのに金を払うのか」と言う具合で、幾度も、その問答の繰り返しだった。聞いてなかったら、たぶん途中で切れていただろう
時計が無かったので、どのくらいの時間が経ったかはわからないが、「出た! 出た!」とおじいちゃんは言い出した。何と表現したらよいのか、体の中から 脚を伝わって、どどどどっと何かが走る、足の裏がもぞもぞして重い。少し時間を置きながら、それを繰り返した。「それは何ですか?」とお尋ねすると、「痛みだ」と言われた。キューンと足がつリ、こむら返りを起こしたような感覚にもなった。
「直ったけど、1日2日は、脳が痛いと思っているから、すっきりしないが消えるだろう。」と言われ、「お父さんとお母さんはいるか?」「はい」と答えると、「あんたも出来るから、お父さんとお母さんにしてみるといい。」と言われた。「する?どうするんですか?」とお尋ねすると、「手を当てるだけじゃ」と言われ、狐につままれたような気がした。お陰で起き上がることは出来た。ちょっと引っかかるよな感触は残ったが。
言われた通り、お正月の2日にはすっきりして来た。
初詣に行こうと家を出た途端、風が出てきて雨もポツポツと降り始めた。神社の近くの商店街のアーケードを出ると、横殴りの暴風雨になった。
神社の拝殿の前に来た時、、あまりにも風雨が激しいので、神主さんが戸を閉め始めた。お正月なので人は普段より多かったが、みんな雨の中を走って避けていた。
急いで お参りを済ませ、お札を買って 帰宅した。
家に着くと、なにごともなかったように、ピタリと雨は止み風も治まっていた。
いったい、あれは 何!そんなに 私は禊ができてないのだろうか?と思った。