3月4日
日経平均 2万5985.47円(-591.80円)
TOPIX 1844.94(-36.86)
出来高 15億2925万株
長期金利(新発10年国債) 0.150%(-0.015)
1ドル=115.45円(0.27円高)
2月28日 2万6526円 14億4822万株 3兆4497億円
3月1日 2万6844円 12億4716万株 3兆0344億円
3月2日 2万6393円 14億2553万株 3兆1119億円
3月3日 2万6577円 12億3494万株 2兆7561億円
3月4日 2万5985円 15億2925万株 3兆6277億円
■株探ニュース 2022.3.5
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今週の【早わかり株式市況】3週続落・2万6000円割れ、ウクライナ原発への攻撃を嫌気
■今週の相場ポイント
1.日経平均は3週連続下落、ロシアのウクライナ侵攻に絡み思惑が錯綜
2.週前半は買い優勢の展開で、一時は2万7000円台に乗せる場面も
3.ロシア制裁で世界経済への影響と、商品市況高騰によるインフレ警戒
4.パウエルFRB議長の議会証言受け、いったんはリスク選好ムードに
5.週末はロシア軍のウクライナ原発砲撃を嫌気し、2万6000円割れ
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比491円(1.85%)安の2万5985円と3週連続で下落した。
3週間の下げ幅は1710円に達した。
今週はロシアのウクライナ侵攻に絡み引き続き不安定な地合いが続いた。
日経平均は2月末を小幅ながらプラスで乗り切り、月初の3月1日も300円を超える上昇をみせたが、その後は波乱含みの展開に。
特に週末には大きな波乱が待っていた。
28日(月)は日経平均が前週末に急伸をみせた後で上下に不安定な値動きとなったが、取引終盤に買いが厚くなり小幅ながらプラス圏で着地した。
この日は「月末安アノマリー」が意識されたものの1月末に続き2月もアノマリーを覆す形となった。
1日(火)は大きく買い優勢となり、日経平均は一時500円近い上昇で2万7000円台を回復する場面も。
ウクライナ情勢は混沌としているものの、空売り買い戻しを誘発する形で上値指向を強めた。
その際、海運株への買いが顕著で全体相場の押し上げに貢献した。
しかし2日(水)は急反落となる。
ロシアへの制裁に伴い世界経済への影響が懸念されたほか、商品市況の高騰を背景としてインフレへの警戒感も強まった。
前日の米国株市場でNYダウが600ドル近い下げをみせたこともありリスク回避ムードが強い。
日経平均は450円あまりの大幅安となった。
3日(木)は押し目買いが優勢に。パウエルFRB議長の米下院での議会証言を受け、利上げ幅は0.25%を示唆したことで前日の米国株市場で安心感が広がり、NYダウが600ドル近い上昇をみせ前の日の下げ分を取り戻した。
東京市場でもこれに追随する形で買いが優勢となった。
しかし、後半は上値の重さも意識される展開に。
そして4日(金)は、朝方の取引開始後早々にロシアがウクライナの原発を砲撃したことが伝わり、日経平均は一時800円超の暴落に見舞われる場面があった。
しかし原子炉への直接的な攻撃ではなかったことで、その後は買い戻される動きとなった。
戻り足も鈍く、終値でフシ目の2万6000円台を割り込んだ。
■来週のポイント
ロシアが攻勢を強めているウクライナ情勢が不透明なだけに、来週も底値圏での不安定な展開になりそうだ。
重要イベントとしては、国内では8日発表の1月景気動向指数や11日朝に発表される1~3月期法人企業景気予測調査が注目されるほか、11日にはメジャーSQを迎える。
海外では7日発表の中国2月貿易収支や8日発表の米国1月貿易収支、9日に発表される中国2月の生産者物価指数と消費者物価指数、10日に発表されるECB(欧州中央銀行)の政策金利と米国2月消費者物価指数に注視が必要だろう。
■日々の動き(2月28日~3月4日)
2月28日(月) 続伸、欧米株高も前週末終値を挟み不安定な値動き
日経平均 26526.82(+50.32) 売買高14億4822万株 売買代金3兆4497億円
3月1日(火) 3日続伸、欧米株乱調もリスク選好の買い優勢
日経平均 26844.72(+317.90) 売買高12億4716万株 売買代金3兆0344億円
3月2日(水) 4日ぶり反落、欧米株安やウクライナ警戒で売り優勢
日経平均 26393.03(-451.69) 売買高14億2553万株 売買代金3兆1119億円
3月3日(木) 反発、欧米株高を受けリスク選好の買い優勢
日経平均 26577.27(+184.24) 売買高12億3494万株 売買代金2兆7561億円
3月4日(金) 急反落、ウクライナ原発への攻撃が嫌気され売り優勢
日経平均 25985.47(-591.80) 売買高15億2925万株 売買代金3兆6277億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、22業種が下落
(2)値下がり率トップはAGCなどガラス・土石
(3)トヨタなど自動車、HOYAなど精密機器、日立など電機といった輸出株が売られた
(4)三井不など不動産、セコムなどサービスといった内需株も総じてさえない
(5)第一生命HDなど保険、みずほFGなど銀行、日本取引所などその他金融といった金融株も安い
(6)市況高でINPEXなど鉱業、ENEOSなど石油、住友鉱など非鉄、日本製鉄など鉄鋼が買われた
(7)郵船、商船三井など海運が値上がり率トップ
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(18) サイバーセキュリティ
2(8) ロシア関連 ロシア制裁の反動で企業収益への影響懸念
3(3) 防衛
4(2) 半導体
5(1) メタバース
※カッコは前週の順位
株探ニュース(minkabu PRESS)
■モーニングスター 2022.3.5
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株式週間展望=ロシアが先鋭化、リスク改めて織り込む方向/日経平均予想レンジ、2万4500~6500円
ウクライナ危機が再び制御を失い、株式市場に悲観ムードが広がった4日、日経平均株価は一時前日比802円安の2万5774円まで下値を切り下げた。
ロシアのプーチン大統領の常軌の逸し方は度を越えてきた様相があり、マーケットは改めて地政学リスクを織り込まざるを得ない状況になった。
<原発制圧、その先に核>
この日は日本時間の午前中に、ウクライナ南東部ザポリージャ州にある欧州最大規模の原発での火災発生が伝わった。
ロシア軍の攻撃によるもので、消火活動も難航(その後ウクライナ当局が鎮火と発表)。
放射線量のレベルへの警戒が広がり、日本株は防衛など一部のセクターを除いて全面安を余儀なくされた。
ロシアとウクライナが停戦へ向けた協議を継続していることもあり、前日までに投資家の関心のウエートは3月15、16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)に傾いていた。
それについてもパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が2日の議会証言で0.25%の利上げを示唆し、ひとまず不透明感が和らいでいた。
そうした矢先のロシア軍の行動。
原発の制圧の先には核攻撃さえちらつく。
侵攻の難航に業を煮やしたプーチン大統領が、なりふり構わぬ暴挙に出るのではないか――。
「遠くの戦争は買い」とは言っていられなくなる。
本稿の締め切りは4日の日本時間午後5時。
このため、ウクライナ危機をめぐる以後の事象は加味していない。
また、日本時間同日夜に発表される米2月雇用統計の内容も確認していない。
よって、株価の方向も見極めにくい。
ただ、プーチン大統領の心中に関する懸念が行き過ぎで、核戦力はあくまで抑止力なのであれば、やはり焦点は米国の金融政策と世界景気だ。
<信用期日とメジャーSQでセリクラも>
今後もパウエル議長は、金融引き締めの指針を小出しにして市場になれさせていく手段を選ぶと思われる。
このため上値が重くなってもパニックは招かない安心感がある。
同時に市場は、原油をはじめとするコモディティー(商品)価格上昇による企業業績への下押し圧力を反映していくことになる。
日経平均は今週、当欄の予想レンジ(2万5800~2万7000円)とほぼ重なる動きをした。
来週は不確定要素がこれまで以上に多く、広めに2万4500~2万6500円とする。
日経平均やTOPIX(東証株価指数)の昨年9月高値に対する信用期日が迫る上、11日がメジャーSQ算出日に当たるためセリングクライマックスを迎える可能性もある。
ただ、停戦合意があればアップサイドはより広い。
スケジュールは国内で8日に1月景気動向指数と2月景気ウオッチャー、9日に10~12月期GDP(国内総生産)改定値と2月工作機械受注(速報値)、10日に2月都心オフィス空室率、11日に1~3月期法人企業景気予測調査が出る。
海外では9日にOECD(経済協力開発機構)世界経済見通し、9日に中国2月生産者・消費者物価と韓国大統領選、10日にECB(欧州中央銀行)理事会と米2月消費者物価。
提供:モーニングスター社