今週は、この2冊。
■猟犬/ヨルン・リーエル・ホルスト 2015.7.25
近年、世界を席巻している北欧ミステリーの一冊。
ヨルン・リーエル・ホルストの『猟犬』を読みました。
「訳者あとがき」によれば、ブームの北欧ミステリーであるが、著者の国、ノルウェーの作品が、ポケミスに収録されているのは、これまでにわずか2冊だけだそうです。
1960年 『夜の人/ベルンハルト・ボルゲ』
2015年 『猟犬/ヨルン・リーエル・ホルスト 』
残り100pぐらいから俄然面白く読めました。
さて、このミステリーの題名は、なぜ『猟犬』なのだろう。
気になりました。
それらしきことは、触れられているので大凡の想像はつきます。
しかし、「りょうけん座」は、北斗七星となぜ一緒に語られているのか、ぼくはこのことにも大いに気になりました。
「りょうけん座」(作中では猟犬座)は、「新しい星座のため、神話はない」そうだが。
「猟犬、か」声に出して言った。
まさに自分も含めた捜査員全員がそうだった。殺人犯を追う猟犬の群れだった。
さらに、もう一歩踏み込んだ意味もあるような気もするが、...........
一緒に並んで座り、その人たちの話すにまかせた。そうした会話からたくさんのことを学び、それはまた自分には人間であるとは何かをよりよく理解する一助となってきた。人間はみな心の奥底では一人であることに恐怖感を抱いているということがわかった。みんな孤独を恐れている。みんな自分の言うことに耳を傾けてくれる人がほしいと思っている。
『 猟犬/ヨルン・リーエル・ホルスト/猪俣和夫訳/ハヤカワ・ミステリ 』
■探偵は壊れた街で/サラ・グラン 2015.7.25
サラ・グランの『探偵は壊れた街で』を読みました。
訳文は、下手ではないと思うが読みにくい。
物語の展開によるものか、原文の文章が読みにくいからか、理由は、ぼくにはよく分かりません。
マカヴィティ賞最優秀長篇賞受賞作というから、ミステリーファンの評価は高いのだろう。
それでも、ぼくにとってはまあまあの作品でした。
予兆は変化する。徴は入れ替わる。永久不変のものは何もない。
「探偵には二種類あるのよ」
「ひとつは探偵になろうと決心した人。もうひとつは、ほかに選択肢がなかった人。」
人は予兆を見ない。徴の読み方を知らない。
そういう人にとっては、人生は空白ページばかりの本だ。だが探偵にとっては、謎で書かれた彩色写本だ。
潔白な者などはいない。"問題は、自分が引き受けた罪にどう耐えるかだ"
悲しむべきは死者に対してではない。生きている者に対してだ。
フランス人の探偵、ジャック・シレットのたった一冊の著書『探知』の本からの引用がやたらに出てきて、ミステリーなのに禅問答のような雰囲気です。
『 探偵は壊れた街で/サラ・グラン/高山祥子訳/創元推理文庫 』
■猟犬/ヨルン・リーエル・ホルスト 2015.7.25
近年、世界を席巻している北欧ミステリーの一冊。
ヨルン・リーエル・ホルストの『猟犬』を読みました。
「訳者あとがき」によれば、ブームの北欧ミステリーであるが、著者の国、ノルウェーの作品が、ポケミスに収録されているのは、これまでにわずか2冊だけだそうです。
1960年 『夜の人/ベルンハルト・ボルゲ』
2015年 『猟犬/ヨルン・リーエル・ホルスト 』
残り100pぐらいから俄然面白く読めました。
さて、このミステリーの題名は、なぜ『猟犬』なのだろう。
気になりました。
それらしきことは、触れられているので大凡の想像はつきます。
しかし、「りょうけん座」は、北斗七星となぜ一緒に語られているのか、ぼくはこのことにも大いに気になりました。
「りょうけん座」(作中では猟犬座)は、「新しい星座のため、神話はない」そうだが。
「猟犬、か」声に出して言った。
まさに自分も含めた捜査員全員がそうだった。殺人犯を追う猟犬の群れだった。
さらに、もう一歩踏み込んだ意味もあるような気もするが、...........
一緒に並んで座り、その人たちの話すにまかせた。そうした会話からたくさんのことを学び、それはまた自分には人間であるとは何かをよりよく理解する一助となってきた。人間はみな心の奥底では一人であることに恐怖感を抱いているということがわかった。みんな孤独を恐れている。みんな自分の言うことに耳を傾けてくれる人がほしいと思っている。
『 猟犬/ヨルン・リーエル・ホルスト/猪俣和夫訳/ハヤカワ・ミステリ 』
■探偵は壊れた街で/サラ・グラン 2015.7.25
サラ・グランの『探偵は壊れた街で』を読みました。
訳文は、下手ではないと思うが読みにくい。
物語の展開によるものか、原文の文章が読みにくいからか、理由は、ぼくにはよく分かりません。
マカヴィティ賞最優秀長篇賞受賞作というから、ミステリーファンの評価は高いのだろう。
それでも、ぼくにとってはまあまあの作品でした。
予兆は変化する。徴は入れ替わる。永久不変のものは何もない。
「探偵には二種類あるのよ」
「ひとつは探偵になろうと決心した人。もうひとつは、ほかに選択肢がなかった人。」
人は予兆を見ない。徴の読み方を知らない。
そういう人にとっては、人生は空白ページばかりの本だ。だが探偵にとっては、謎で書かれた彩色写本だ。
潔白な者などはいない。"問題は、自分が引き受けた罪にどう耐えるかだ"
悲しむべきは死者に対してではない。生きている者に対してだ。
フランス人の探偵、ジャック・シレットのたった一冊の著書『探知』の本からの引用がやたらに出てきて、ミステリーなのに禅問答のような雰囲気です。
『 探偵は壊れた街で/サラ・グラン/高山祥子訳/創元推理文庫 』
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