Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

シーグラントアカデミー

2009-02-11 | シーグラントカレッジプログラム
 このアカデミーは,シーグラントカレッジの新職員を対象にしたプログラムである。シーグラントの歴史とミッションを学び,各エクステンションでの教育やアウトリーチ活動を実施するためのトレーニングを行う。

 本講習会は,2005年にも開催され,ワシントンDCにある,National Youth 4-H Centerで行われている。15のシーグラントカレッジ(ほとんどが州立大学の中に所属している)から30名のスタッフが参加している。(ちなみに,4ーHとはHead, Hand, Heart, Healthであり,1904年に農業技術研修のために作られてものだという)

 シーグラントカレッジは全米とプエルトリコの32大学に設置されている政府機関である。本部はワシントンDCのNOAAセンターにある。シーグラントカレッジのエクステンション職員は,シーグラントカレッジにもよるが,カウンティー(群)ごとに一人配属され,アウトリーチ活動や教育活動をコーディネートする。

 このトレーニングでは,それぞれの活動で使用する「Logic Model」の活用方法を学ぶ。「Logic Model」は既に企業で実施されているもので,広く利用されているが,今回利用するものはNOAA コースタルサービスが開発したものである。この「Logic Design」はすべてのNOAAに関連するアウトリーチ・教育活動で活用されている。

 このワークショップを修了すると,教育・アウトリーチ活動において,プログラム開発やプロジェクトデザイン,各種のアクティビティーを円滑にそして効果的に実施することが可能となる。

 以前訪問したUSCシーグラントでのワークショップも,この「Logic Model」と同様の方法で,ワークショップが組み立てられているという。

 国内には,National marine fisheries serviceやNational institute of marine geology があり,漁業や海洋科学に関する研究を実施しているが,シーグラントカレッジのように,教育活動,エクステンション活動はあまり行っておらず,シーグラントカレッジは教育やアウトリーチに力を入れた「教育研究機関」といっていいだろう。

 下部機関の評価をおこなうNOAA本部職員に話を伺ったが,シーグラントシステムは,40年の歴史があり(教育活動を推進する機関としては最も古い),一般市民と科学と政策を結びつける上で,成功を収めているという。不景気であるが来年度以降も予算が増額される。
 
 アジアではインドネシア,韓国がすでに設置し,一般市民の海洋の理解を推進する活動を実施している。インドネシアでは32のプロビンスにエクステンションを設置し,1名の常駐職員を配置している。

 シーグラントシステムが優位な部分は,大学が各地域の中心となり,教育と研究が広く一般市民へそして教育活動へと深くつながっていることであろう。ぜひ,日本からも成功事例を発信して行きたいものである。

Sea grant was established in 1966 as a major contributor to the issues of aquaculture, biotechnology, coastal communities and economies, coastal natural hazards, ecosystems and habitats, fisheries, marine science literacy, seafood science and technology, urban coasts and invasive species, and also supports students at all levels of the educational system , education and training of many marine and Great Lakes scientists, resource managers, and policy specialists through its three fellowships.