東京海洋大学練習研究船 神鷹(しんよう)丸が気仙沼港に入港した。海洋大学海洋科学部は海鷹(うみたか)丸,神鷹丸,青鷹(せいよう)丸,ひよどりの4隻を所有しているが,海鷹丸は南極,ひよどり,青鷹丸は東京湾周辺,そして神鷹丸は日本の沿岸を主に航海する。今回の神鷹丸は,日本一周クルーズを締めくくる最後の帰港地である。
気仙沼には三陸沿岸域の復興研究の拠点としてサテライトが設置されている。
気仙沼にサテライトが昨年設置されて以来初めての本学練習船の入港となった。午前中は船内見学が催され,地元の鹿折小学校の生徒約50名が2班に分かれ実習中の学生たちにより案内された。
生徒さんたちは大変喜んで家族に報告したそうです。
午後1時からは船内学生教室において,地震災時に被災し,自ら船を操り九死に一生を得た経験を持つ地元の大鍋屋旅館店主から講演をいただいた。学生たちは貴重な体験に真剣に耳を傾けていた。
「皆さん,自分の船がもし津波に巻き込まれたらどうしますか?私は,この津波で船長として3つの決断に迫られた。1回目は,自分の船を海に出す時,2回目は,巨大津波に立ち向かう時,3回目は気仙沼湾内に広がった火災に封じ込まれたとき。その時の判断は何が正しいかわからない。もし,気仙沼湾のことを知らなければ助かっていなかったでしょう」
夕方からは,本学同窓会楽水会気仙沼支部の皆様との交流会が開かれた。この交流会では,地元気仙沼の会社経営者やOBの気仙沼市長も駆けつけ,大学に対する強い期待を寄せていただいた。地元の期待に応えるよう取り組んでいきたいと決意を新たにした。