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Chet Baker Sings : My 55 LPs -50/55

2016-01-09 | 55 LPs

Chet Baker Sings
最初にこのアルバムを聞いたのは、荻窪の焼き鳥屋「赤とんぼ」で梶田先輩から「営業とは」(多分)とかを教わりながら焼き鳥をやっつけていた時に、店主の高木さんがカセットレコーダーでこのアルバムをかけてくれた時。1980年代の後半頃。そのカセット・テープのラベルには手書きで「歌うチェット・ベーカー」と書いてあり、あまりにすごいノイズだったので雨が降ってきたのかと思ったほど。しかし、今となってはその時の体験とこのレコードは強烈に結びついて、至極の一枚となっている。音楽ってそういうものですよね。曲のいい、悪いだけでは記憶にそんなに残らない。やっぱその音楽を聴きながら何をしていたか、何を感じたか、が一体化してこそ永久不滅盤になるわけですな。俺の55枚シリーズはそんなアルバムが多いですね。最近のように音楽が手軽に買え、手軽に聞けるのは便利でいいことはいいが、やっぱり「体験」が紐付かない、コマーシャルベースになってしまってるのが物足りない。最近アナログに再びはまりだしたのも、アルバムを手と目で選び、レコードをジャケットから出し、A面かB面かを選び、レコードの盤面を拭き、針掃除をして、針を盤に降ろすという、このデジタル時代にはおよそ不便極まりない行為を行ってからやっと音を聞くわけだ。しかし、この体験こそが愛おしく思えるのです。話が随分と横道に逸れてしまったが、このアルバムはそんなことを感じさせてくれる、軟弱だけど、クールなアルバムだ。笑

コステロは、このアルバム収録の「The Thrill Is Gone」にインスパイアされて名曲「Almost Blue」を書いたらしい。


そしてチェットは「Almost Blue」をライブでも好んでやってたらしい。下記の映画にもそのシーンがあった。

渋谷パルコで見たこの映画は写真家のブルース・ウェイバーが撮ったチェットのドキュメンタリー。彼の自由模倣な生き方を描いたもの。わがままな、クールな爺さんだった。彼は挙げ句の果てにライブ・ツアー途中のアムステルダムのホテルから転落死してしまう。ラリってたんだろう。まったく!見習いたいものだ。笑

*My 55 LPsは2016年1月に55歳を迎えるにあたってのこころのベスト55です。

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