エンジンがかからない、プラグの火が出ていない、、、ので見て欲しい、、、という依頼のバイクの修理をいたしました。。。
一般的にはですが、、、エンジンがかからない場合の点検の順番は、、、
1 燃料は?
2 バッテリーは? セルは廻る?
3 キックは軽くない? 圧縮はあるかなあ?
という、、、バイク走る為の3要素、、、「良い混合気」・「良い圧縮」・「良い火花」 の点検から始めるのですが、、、
オーナー様は 『プラグの火が出ていない』 と、、、点検をしているようですので、、、
スパークプラグから初めに点検を行いました。。。
スパークプラグですが、、、新品に交換をしましたが、、、変わらず火花は出ませんでした。。。
プラグキャップを外してハイテンションコードから火花がでるか? も、、、見ましたが、、、
変わらず火花は出ません。。。
バッテリーは元気が良く、、、セルモーターでのクランキング速度も問題ないようですので、、、
電圧低下での点火不良でもなさそうです。。。
では、、、さらに深く点検をしていきます。。。
次はイグニッションコイルを調べます。。。
このバイクのサービスマニュアルを見ながら点火系を詳しく調べたら、、、
イグニッションコイルの1次、2次の抵抗はOK。。。
クランクポジションセンサーの抵抗もOKでした。。。
バッテリーからイグニッションコイルへの12ボルト電源も、、、OKでした。。。
デジタルテスター&ピークボルテージアダプターで、、、
ECM(Electronic Control Module、バイクのコンピューターです) からイグニッションコイルへの電圧と、、、
クランクポジションセンサーからの電圧を点検すると、、、
クランクポジションセンサーからの電圧はOKでしたが、、、
ECMからイグニッションコイルへの電圧は、、、0、、、ゼロでした。。。
以上の様な点検の結果から、、、故障を推測すると、、、
ECMの不良 又は ECMとイグニッションコイル間の配線やカプラの接触不良や断線、ショートが考えられます。。。
ので、、、そのあたりの点検をいたします。。。
こちらのバイクのECMですが、、、
フロントボディカバーを外し、、、その内部にあります。。。
さっそくカバーを外して見ると、、、
あらあら、、、後付けの機器の配線が整理されていません。。。
この後付けの機器の白い配線ですが、、、
ECMカプラ近くで赤いエレクトロタップで白線に分岐して、、、辿っていくとハンドル上部に装着している後付けタコメーターに繋がっていました。。。
で、、、さらにこの白線を観察すると、、、
ステアリングステムのハンドルストッパーで白線を挟んじゃって、、、中の銅線がむき出しになっていました!!!
原因はこの白線がボディにショートした為に、、、ECMからイグニッションコイルへの信号が0 ゼロボルトになってしまい、、、スパークプラグの火が飛ばなかったようです。。。
ですので、、、この白線のショートを治し、、、もっとキレイに配線を作り直します。。。
エレクトロタップ、、、簡単に電気を分岐できるので、、、便利に時短作業ができるのでしょうが、、、
老メカ、、、このエレクトロタップって好きじゃありません。。。プロっぽくないですよね。。。
ですので、、、いつものように、、、ハンダで分岐の配線を作り、、、
白い配線も適度な短さにカットし、、、配線の通り道もハンドルを切っても挟まないで、そして引っ張ったりもしない最適なルートにして、、、
ビフォアー&アフター
スッキリ。。。
後付け機器の取り付けですが、、、オーナー様が行ったのは、、、聞きませんでしたが、、、
この様な点検&修理をしてお渡ししましたが、、、快調になったバイクを受け取りに来た時にオーナー様から感謝されたのが印象に残っていますが、、、
うーーーんーーー
なんだかスッキリはしない修理でした。。。
機器の取り付けなどは、、、説明書を見ながらやれば出来ちゃうのですが、、、さらに一歩先になにが起こるか? 気を使って取り付けをすればこの様な事が起こらないベストな作業が出来ますので、、、お願をいたしますね。。。
エンジンがかからないバイクの修理でした。。。
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