自宅に帰ってきたら12時でした。11時には仕事終わってたんですが・・・。タイミング悪いことにうちの研究室の院生が実験しにやってきた。こんな時間では、研究所の建物で2人きりだ。困った。彼女にとって、僕が居た方が安心なのか、さっさと先に帰った方が安心なのか・・・。
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僕は工学部の出身です。僕の世代の工学部は男の世界。女子は天然記念物級の存在でほとんどいない。しかし、たまたま僕が院生時代所属した研究室には女子の先輩がいた。彼女はハードワーカーで仕事が終わるのは午前3時とか4時というのが普通。工学部の建物には女子だけが鍵を持ってる仮眠室があって、そこでその先輩が寝る場合は帰れるんだけど、そうでない場合は最後の男子学生が残って彼女の仕事が終わるのを待つというのが鉄の掟だった。当時の工学部では女子はもれなくお姫さま扱いしてもらえたもんだ。彼女のために残ってるのがばれると気を使われるので、なにか用事があって働いているふりをしないといけない。これが辛い。しかし、深夜の工学部キャンパスは完全に人里離れた男ばっかりの世界だったから、しょうがなかったかなと今は思う。
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そんな昔のことを思い出しながらインターネットで時間を少し潰したが、どうしたらいいかO大時代の昔話を含めて全部直接彼女に話して訊くことにした。先に帰っていいと答えてくれたんで、「くれぐれも気をつけて」と告げて真っ暗な階段を下りて研究所を後にした。
彼女は女の方が多い薬学部出身で、昔の工学部の話は面白かったみたい。そりゃ、薬学部とはずいぶん違うよな。