室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

袖振り合うも・・

2006-04-24 16:34:47 | Weblog
2~3日前の帰りの東海道線での出来事。
東京駅でかろうじて空いている席を見つけ座ったのだが、左隣にかなりな酩酊状態の30代後半の太め不摂生若年寄がいて、寄りかかられ、押しつぶされそうになった。すると右隣の50前位の男性が。ご親切にも「どちらまでですか?換わりましょう。」と云って下さった。「戸塚です。大丈夫です。」と答えたが、立ち上がって下さったので換わって頂いた。今時珍しい親切さだ。「降りるのは横浜ですが、勤務は戸塚です」と云われ、時々若年寄を払いのけながら話かけられ、ローカルな話題でずっとおしゃべりしてしまった。その方が横浜で降りると、一部始終を見ていた、目の前の70代男性が、やはり若年寄の楯になるように座った。「私はさっきの人の様にやさしくないから、こんな奴は、こうしてやる」と、もたれかかってくる若年寄の頭を手で押し返したりしながら、話しかけて来た。すると突然「ボクセキっていう言葉を知ってますか?」と聞かれた。いきなり云われてもピンと来ない。「同情を欠く木石の如き女って云うんですよ。」根底に女性蔑視の臭いを感じて、丁寧に受け答えをする気力が下がった。「さあ?初めて聞く言葉です」と答えると「この言葉を知らない?知らないのかあ。驚いた!」などと云われた。何か、おしゃべりをしたかったのだろうが、悪い人ではないのだが、不器用な質というか、説教系に傾くお年頃なのだろう。きっと家に帰ったら「今日、電車の中に”木石”を知らないヤツがいてね、まいっちゃうよ」なんて云うんだろうなあ。
 戸塚に着くと「いや、失礼な事を言いました」と云いながら説教オッサンも席を立ち、若年寄も立ち上がり、共に左のドア方向へ行ったので、私はより階段に近い右の方のドアへ向かった。それにしても、今時珍しい、やたらと話しかけられる晩だった。