「キューバ映画祭2009」
今年は日本・キューバ外交樹立80周年。キューバ革命50周年、キューバ芸術映画産業庁も50周年。
革命直後のキューバから、現代の若者の姿を描いたインディペンデント作品まで、日本初上映作品も含め12本をラインナップ。
こういう企画は嬉しくて、全て観たくなるんだけど財布とスケジュールの都合でグッと我慢・・・![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
「革命直後のキューバ」より
「ある官僚の死」1966年 キューバ 監督・脚本:トマス・グティエレス・アレア
La Mucerte de Un Brocrata
機械を発明した模範的な労働者が急死し、労働者証と共に埋葬された。だが、未亡人が年金を受け取る為には、その組合員証が必要だ。なんとか叔母が年金を受け取られるように、と甥は、遺体の掘り起こし許可を求めに行くが、役所の中で、あちこちをたらい回しされ、ついに自ら墓を掘り起こすことに・・・。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/ff/839c895f300613f7382b39700cff1719.jpg)
トークショー
60年代キューバ映画/太田昌国氏(民族問題研究家)・岡田秀則氏(フィルムセンター主任研究員)
革命後ゲバラの小論文にもあるように「官僚社会の弊害」を痛烈に皮肉った作品。
という内容なら日本で言えば「オマン公社」否「ぜんざい公社」という落語を思い出すけど、ぜんざい食べたい、オマンしたいという単純な内容でなく、そのプロットが巧みで実に面白い。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hikari_blue.gif)
だいたい発明した機械が胸像を大量生産できる機械。その機械に取り込まれて命を落とすというのだから。一家に一台ホセ・マルティ![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_nika.gif)
官僚社会の迷宮に入り込む不条理世界。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_shock2.gif)
墓を掘り起こすには埋葬後2年経過していないと移葬できない。
甥自ら掘り起こして労働証は取り戻したもののハプニング発生で埋め戻し損ねる。
再度埋葬してもらおうとすると既に埋葬した遺体は2度埋葬できない。
遺体は掘り起こされているのだが、掘り起こし許可証がないと埋められない。
やっとのことで書類を整え掘り起こし許可証を提出するのだが、また空の墓を掘り起こされる。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_nika.gif)
理で行く皮肉な面白さの映画かと思っていると突然大ドタバタに転じて驚かされる。
墓場事務所前でのドタバタの中で犬が人骨咥えて走り去る。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_nika.gif)
結局ある官僚が死ぬわけだけどその葬儀に参列しているのが、それまでさんざん彼(甥)を悩ませ続けた役人の面々。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
オープニング(このオープニングからして秀逸。いかにも社会主義的な勇ましいマーチが寸断されタイプライターの音で映画のクレジットが記される)で感謝の意を表す過去の映画人たち、ルイス・ブニュエル、オーソン・ウェルズ、バスター・キートン、黒澤明まで。それら先人の作品ヘオマージュを捧ぐって感じも面白い。黒澤はやっぱり「生きる」(観てないけど内容は知ってる)なの?
フィルムセンターの岡田氏によると(知識が希薄なうえメモしてないのでうる覚え)60年代キューバ映画が極めて自由なのはトマス・グティエレス・アレアあたりがソ連ではなくイタリアに学び、また既にヌーヴェルバーグを知ってしまったためカストロの表現統制もなんのそので巧みに作っちゃったって事らしい。
この意見には太田昌国氏も大きく頷かれていました。
アレア監督の他の作品も観たくなるので困るトークショーではあった。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_gaan.gif)
特にこのあと上映の「12の椅子」この日のあと2回上映があるけど絶対無理だし・・・![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_naki.gif)
渋谷 ユーロスペース
ところで「オマン公社 民主党政権バージョン」ってどうなの。聴いてみたい。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/nezumi.gif)
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今年は日本・キューバ外交樹立80周年。キューバ革命50周年、キューバ芸術映画産業庁も50周年。
革命直後のキューバから、現代の若者の姿を描いたインディペンデント作品まで、日本初上映作品も含め12本をラインナップ。
こういう企画は嬉しくて、全て観たくなるんだけど財布とスケジュールの都合でグッと我慢・・・
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「革命直後のキューバ」より
「ある官僚の死」1966年 キューバ 監督・脚本:トマス・グティエレス・アレア
La Mucerte de Un Brocrata
機械を発明した模範的な労働者が急死し、労働者証と共に埋葬された。だが、未亡人が年金を受け取る為には、その組合員証が必要だ。なんとか叔母が年金を受け取られるように、と甥は、遺体の掘り起こし許可を求めに行くが、役所の中で、あちこちをたらい回しされ、ついに自ら墓を掘り起こすことに・・・。
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トークショー
60年代キューバ映画/太田昌国氏(民族問題研究家)・岡田秀則氏(フィルムセンター主任研究員)
革命後ゲバラの小論文にもあるように「官僚社会の弊害」を痛烈に皮肉った作品。
という内容なら日本で言えば「オマン公社」否「ぜんざい公社」という落語を思い出すけど、ぜんざい食べたい、オマンしたいという単純な内容でなく、そのプロットが巧みで実に面白い。
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官僚社会の迷宮に入り込む不条理世界。
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墓を掘り起こすには埋葬後2年経過していないと移葬できない。
甥自ら掘り起こして労働証は取り戻したもののハプニング発生で埋め戻し損ねる。
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遺体は掘り起こされているのだが、掘り起こし許可証がないと埋められない。
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墓場事務所前でのドタバタの中で犬が人骨咥えて走り去る。
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結局ある官僚が死ぬわけだけどその葬儀に参列しているのが、それまでさんざん彼(甥)を悩ませ続けた役人の面々。
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オープニング(このオープニングからして秀逸。いかにも社会主義的な勇ましいマーチが寸断されタイプライターの音で映画のクレジットが記される)で感謝の意を表す過去の映画人たち、ルイス・ブニュエル、オーソン・ウェルズ、バスター・キートン、黒澤明まで。それら先人の作品ヘオマージュを捧ぐって感じも面白い。黒澤はやっぱり「生きる」(観てないけど内容は知ってる)なの?
フィルムセンターの岡田氏によると(知識が希薄なうえメモしてないのでうる覚え)60年代キューバ映画が極めて自由なのはトマス・グティエレス・アレアあたりがソ連ではなくイタリアに学び、また既にヌーヴェルバーグを知ってしまったためカストロの表現統制もなんのそので巧みに作っちゃったって事らしい。
この意見には太田昌国氏も大きく頷かれていました。
アレア監督の他の作品も観たくなるので困るトークショーではあった。
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特にこのあと上映の「12の椅子」この日のあと2回上映があるけど絶対無理だし・・・
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渋谷 ユーロスペース
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「ある官僚の死」をきっかけに、Mr.Bationさんのブログに出会いました。
私は、映画を通してキューバを知ろうという意図でブログを書いております。
ところで、黒澤へのオマージュは「用心棒」ではないでしょうか?
<骨を咥えた犬>を見て、<千切れた手を咥えた犬>(用心棒)を思い出しました。
キューバではすごく人気のある作品です!
http://ameblo.jp/rincon-del-cine-cubano/entry-10007628828.html
甥の悪夢はブニュエルを連想しますね。
キューバ映画はなぜ“自由な”表現が可能だったか?は、私も探求中のテーマですが、岡田氏とはちょっと違います。
あと「ある官僚の死」を見るとき、知っているとより面白い情報を拙ブログに載せましたので、読んでいただければ幸いです。
http://ameblo.jp/rincon-del-cine-cubano/entry-10362291368.html
映画を通してキューバを知るブログとは、これはいろいろと勉強になりそうですね。
今度ゆっくり拝見いたします。
何しろこちら、実を言うと黒澤明は「どですかでん」くらいしか見たことないのです。
「用心棒」でありましたか。情報感謝。
あちらでは日本人は皆チーノと呼ばれてしまうとか聞いた事あります。