JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「無頼平野」

2025-02-09 | 映画(DVD)
「生誕100年 スタイリッシュ石井輝男」

「無頼平野」1995年 ビターズエンド 監督:石井輝男 原作:つげ忠男

踊り子(岡田奈々)をめぐって、ヤクザの黒竜会と無頼漢サブの対決の幕が上がる。吉田輝男が久々に銀幕復帰を果たした作品でもある。組長南原宏治とナミの父・吉田輝男の勝負の、腕や目玉が飛び散るあいかわらずのアクションはやっぱり石井輝男!

忠男と尾瀬は血液銀行とは名ばかりの、胎盤から血を絞り出すという人々の一番嫌がる仕事をしていた。忠男は“カジノ座”の踊り子・ナミに憧れていたが所詮は高根の花で、見知らぬ人に葉書を出すという孤独な遊びにふける日々を送っていた。一方、ヤクザ組織・黒竜会のボス梶山もナミを狙っていて、ナミに色々と嫌がらせをしている。その黒竜会に立ち向かってナミを助けたのが無頼漢のサブだった。



カジノ座のエンタメとアクションシーンが交錯するの楽しい。ビッグバンドをバックに大喧嘩やらジャガーダンスと殴り込み。

上映前トークから
石井輝男監督が好みの岡田奈々にオファーを出して嬉しそうに撮ってる感じと期待に応えようと頑張ってる岡田奈々という構図を楽しめた。歌のシーンは頑張ったけど吹き替えになってしまったと暴露する岡田奈々さん、とてもよろしい。「蛍の光」ダンスは好シーン。
ステージメイクの派手さとオフステージでの帽子。美貌は最強の武器。少し嫌な女キャラがあるのもいい。カジノ座の風間ナミのチラシ欲しいぞ。



つげ忠男の醸す世界観。金山一彦と佐野史郎の血液銀行裏の底辺の仕事。水木薫の筆下ろし、ズロース。とても際立っていて良いけれどこれは金山一彦退場後薄れてしまって残念。
雨の死亡シーンでのフラメンコと売春婦も良かった。

代わって後半は踊り子岡田奈々を狙う南原宏治。噛みつかれて間接キスを喜んだり、岡田奈々ちゃんのすべすべ腕をベロベロしたりエロ親父のコンチキショーぶりも最高。
笑える二枚目吉田輝男もこの頃になると顔にいい按配にお肉が付いてきていい感じ。加瀬大周のサブとの因縁なんかは娯楽作として申し分無し。
加瀬大周カッコいいし岡田奈々同様に頑張ってるよ。

そう言えば、芸能界同姓同名問題の中でも憤りを禁じ得ないのが岡田奈々問題であるが、加瀬大周も芸名では苦労がありましたね。岡田奈々も新岡田奈々で十分だろ!
これは余談でした。



由利徹の安定ギャグと内藤さんと桂さんのカメオ出演も書き留めて置きましょうね。

本作にはダーティー工藤監督の撮った「石井輝男映画魂」というドキュメント映画があり、本作出演者インタビュー、撮影現場の模様などが納められているので観てみたいもの。2024年9月にネオ書房@ワンダー店にて上映があったのだが、ちょうど伊藤猛映画祭と被ってしまった。さて、どちらに行こうかと思案していたのだが「石井輝男映画魂」の出演者に岡田奈々が無かった事で伊藤猛映画祭の方にしたのでありました。



3年ぶりの鑑賞だったがハイライトは岡田奈々さんの登壇。
満を持して朝からチケット購入。2列目の好位置確保。撮影NGだったが衰えぬ魅力を堪能。
登壇の様子についてはこちらに記載あり。



シネマヴェーラ渋谷
2024年11月

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