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「石井輝男 怒涛の30本勝負!!」
「異常性愛記録 ハレンチ」1968年
京都木屋町のバー「ノン」のママ・典子(橘ますみ)は、異常な性癖を持つ染物会社社長・深畑(若杉英二)との肉体関係を断てずにいた。やがて典子は妊娠し中絶に苦悩するが、深畑は典子の苦悩をよそに芸者やゲイボーイとの旺盛な性交渉を続ける。デザイナーの吉岡(吉田輝雄)に心惹かれていた典子は、吉岡に助けを求め湖畔の宿で一夜を共にする。それを知った深畑の典子に対する責めはますますエスカレートしていく…
何度か上映があり鑑賞機会があったが、今ひとつタイトルにピンと来ず、パスし続けていた。
何とも愚か、このようなカルト映画の珍品とは知らなかった。
セクハラ、モラハラ、DVの天才。そのうえホモ・マゾと異常性愛の限りを尽くす深畑氏に対してコメントを差し挟む事など何がありましょうか。
ただ、ただ
「愛してるんだよん」「し・あ・わ・せ」
この若杉英二という役者。元は二枚目俳優だったらしい・・・
モラハラの天才ぶりは、都合の悪い時は返事をしない。巧みに話を逸らせる。
とんでもない野郎ではありますが、斯く言う私も時々そのようなクレームをかみさんから受けています。ただ、自分にはあそこまでの才能が無く、格好の相手(配偶者)を嗅ぎ分ける嗅覚が無かっただけの事でしょう。
今度からそのようなクレームが来たら素直に謝ろう(何、反省してんだ・・・
)
深畑氏はターゲットを選ぶ才能にも長けているようで、典子さんのような女は絶好のカモですね。ここに異常性愛カップルが完結しています。お互い喜びあっていない。一方的である事が大切です。
「いつ結婚してくれるの?」でますますどん底に落ちていく典子さん。我慢の限界、ついに「結婚なんか望んでないわ」と吐露した時の深畑さんの「シメタ!」という顔がバツグンです。
そんな典子さんはデザイナーの吉岡さんと結ばれ脱出のチャンスを掴むのですが・・・
深畑氏と典子さんの関係描写を頓挫させた後半のゲイボーイたちの自己紹介から変態プレイの件も石井輝男ならではのサービス精神ですね。
卑劣な自己中・下衆野郎、深畑氏が本気で恋仇に対し殺意を見せるのは意外でした。やるじゃないの。
ラストの展開は異常性愛者というより、むしろモンスターパニック映画にまで発展させ大いに楽しませてくれちゃいました。
ただ、ゲラゲラと楽しむだけでなく、何かしら背筋の寒くなる作品ではあります。
40年近く前の作品ですが時を隔てて、それぞれの性愛行為にストーカーだのセクハラ、モラハラ、ドメスティック・バイオレンスとご立派な名前が冠せられた現代に見ると尚一層、石井輝男の底知れぬカルトぶりを思い知らされます。
それにしても今回の特集「温泉あんま芸者」で初めて見た橘ますみ。「徳川女刑罰史」の責め苦から、この異常性愛の犠牲者と・・・可憐なお姿で一気にファンになっちゃいました。
本作ではバーのママ役で当時の翔んでるファッションも素敵でした。
シネマヴェーラ渋谷
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「異常性愛記録 ハレンチ」1968年
京都木屋町のバー「ノン」のママ・典子(橘ますみ)は、異常な性癖を持つ染物会社社長・深畑(若杉英二)との肉体関係を断てずにいた。やがて典子は妊娠し中絶に苦悩するが、深畑は典子の苦悩をよそに芸者やゲイボーイとの旺盛な性交渉を続ける。デザイナーの吉岡(吉田輝雄)に心惹かれていた典子は、吉岡に助けを求め湖畔の宿で一夜を共にする。それを知った深畑の典子に対する責めはますますエスカレートしていく…
何度か上映があり鑑賞機会があったが、今ひとつタイトルにピンと来ず、パスし続けていた。
何とも愚か、このようなカルト映画の珍品とは知らなかった。
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セクハラ、モラハラ、DVの天才。そのうえホモ・マゾと異常性愛の限りを尽くす深畑氏に対してコメントを差し挟む事など何がありましょうか。
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ただ、ただ
「愛してるんだよん」「し・あ・わ・せ」
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この若杉英二という役者。元は二枚目俳優だったらしい・・・
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モラハラの天才ぶりは、都合の悪い時は返事をしない。巧みに話を逸らせる。
とんでもない野郎ではありますが、斯く言う私も時々そのようなクレームをかみさんから受けています。ただ、自分にはあそこまでの才能が無く、格好の相手(配偶者)を嗅ぎ分ける嗅覚が無かっただけの事でしょう。
今度からそのようなクレームが来たら素直に謝ろう(何、反省してんだ・・・
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深畑氏はターゲットを選ぶ才能にも長けているようで、典子さんのような女は絶好のカモですね。ここに異常性愛カップルが完結しています。お互い喜びあっていない。一方的である事が大切です。
「いつ結婚してくれるの?」でますますどん底に落ちていく典子さん。我慢の限界、ついに「結婚なんか望んでないわ」と吐露した時の深畑さんの「シメタ!」という顔がバツグンです。
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そんな典子さんはデザイナーの吉岡さんと結ばれ脱出のチャンスを掴むのですが・・・
深畑氏と典子さんの関係描写を頓挫させた後半のゲイボーイたちの自己紹介から変態プレイの件も石井輝男ならではのサービス精神ですね。
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卑劣な自己中・下衆野郎、深畑氏が本気で恋仇に対し殺意を見せるのは意外でした。やるじゃないの。
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ラストの展開は異常性愛者というより、むしろモンスターパニック映画にまで発展させ大いに楽しませてくれちゃいました。
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ただ、ゲラゲラと楽しむだけでなく、何かしら背筋の寒くなる作品ではあります。
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40年近く前の作品ですが時を隔てて、それぞれの性愛行為にストーカーだのセクハラ、モラハラ、ドメスティック・バイオレンスとご立派な名前が冠せられた現代に見ると尚一層、石井輝男の底知れぬカルトぶりを思い知らされます。
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それにしても今回の特集「温泉あんま芸者」で初めて見た橘ますみ。「徳川女刑罰史」の責め苦から、この異常性愛の犠牲者と・・・可憐なお姿で一気にファンになっちゃいました。
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本作ではバーのママ役で当時の翔んでるファッションも素敵でした。
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シネマヴェーラ渋谷
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