JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「すれすれ」

2010-07-31 | 映画(DVD)
「川本三郎編 映画少年の夢 ~麻布の丘に集った異才たち 麻布映画祭~」

「すれすれ」1960年 大映 監督:瑞穂春海

ドンファンの父にあやかる、恋愛下手な青年をコミカルに描いたラブ・コメディ。沢吉(川口浩)は父の遺品の新車でナンパを始める。同僚の重吉(川崎敬三)と町へ出て、容子と意気投合するが、意気地なく失敗。沢吉は父が残した秘伝書を探し始めて・・・

吉行淳之介(麻布)の原作はずいぶん昔に読んで、確か面白かったと思ったんだがほとんど憶えていない。ハンカチ・タクシー・・・そうでした。
ドンファンものとしては今ひとつ。もっとも、父親は確かにドンファンであったが、息子の方はあやかりたいばかりでいたって純情なのだから・・・

退屈してきて、早く終わらないかと感じながら鑑賞していた後半。
やっぱりこの作品、観にきて正解だったと思わせるシーンが登場して大満足。
それは、川口浩に弄ばれてしまう役で岸田今日子様の登場。
今回もTV関係の仕事をする(実は新劇女優)キャリアな女の役。
まずはハンカチ・タクシーでTV局まで送ってもらう短いシーン。下車してTV局へ向かう際の振る舞いがカッコ良い。
ホテルに連れ込まれ、川口浩に襲われそうになり一旦は抵抗するけど、実は待っていたというその振る舞い。
騙されたと知って、あっさり諦めるサバサバした振る舞い。
どれもこれも終始一貫、素敵です。
今まで見てきた岸田今日子様の作品の中でも一、二を争うお気にいり作品だよ、これは。
それまでの退屈さ加減がよりそう感じさせたのでしょうか。
岸田今日子様だけのためにソフトが欲しい。

他では、相変わらずこちらもお気に入りの春川ますみ(女給)と喫茶店で働き、川口浩を押しかけて来る川辺やよい役の弓恵子も可愛らしくて良かった。

多分、原作の方が面白かったんだろうと、読み直してみたいところだが、今回の本棚整理でみつからなかった。2007年の廃却リストにも載っていないようなので、捨てずに押し入れの衣装箱に眠っているのかもしれない。いづれそこも整理するので発見されたらザッと読み直してみようと思う。

神保町シアター

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