JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「おへその大将」

2016-09-23 | 映画(DVD)
「稀代のエンターテイナー! フランキー太陽傳」

「おへその大将」1962年 宝塚映画 監督:佐伯幸三

舞台は大阪の東、平野川のほとりにあるスラム街。鉄くず泥棒で生計をたてる通称”アパッチ族”の面々と、彼らに寄り添おうと奮闘する町医者フランキーの交流を描いたヒューマンドラマの佳品。妻役・新珠三千代も見事な存在感。

開高健で読んだアパッチ族を題材にした貧困人情物。
フランキー堺が赤ひげ先生、とんかつ大将風の貧しいながら医療に燃える町医者を実直に演じる。
タイトルから勝手にもう少し喜劇的なものを想像していたので、その意味では裏切られたけれど、これはこれで良かった。僅かなユーモアが愛おしい。
実直とはいうものの、鉄くず泥棒をやめさせようと警告している居酒屋で逆に酔いつぶれてしまうなど、静かなユーモア。
貧民アパッチの面々の下卑た風情とフランキー、新珠三千代夫婦の品格差も楽しい。

それにしてもこの頃の日本映画のまったく直接的でないエロ表現が艶っぽくてたまらない。
新珠三千代が何故、貧しいながらも夫の医師についていけるのかを、さりげなく語る小さな幸せ。
孤児を預かる事にしたのは良いが、さて、今日からこの子を何処で寝かせる?
こんなにエロ可愛い新珠さんは初めて見た気がする。

そして山茶花究のイキイキとした演技。いつも脇で地味ながら好演しているイメージのある役者さんだが、役柄からかこんなにイキイキしている山茶花究さんは初めて見た気がする。

アパッチのかみさんたちに避妊教育。また、かみさんたちの夫婦生活に関する下卑た冗談の中に、貧しいからこその根源的幸福感が感じられて、なんかいいんだね。

ラピュタ阿佐ヶ谷

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