「スケルツォ」2021年 監督:塩川孝良 戸松幹太
ヒゲを剃り忘れ続けている晃司は、一日経つと全てを忘れてしまう。部屋のテレビに繋がれたハンディカムカメラを手に取り街へ出て、ガールズバーで楽しむ、お金を持っていないので逃走する、腹が減ったのでピザ配達員からピザを強奪する、金が欲しいので見知らぬ家へ入り込む、浅草観光する、風俗嬢とセックスする─。晃司は後先を考えずに行動する。「毎日生まれて毎日死ぬ」からだ。ある日、部屋でバットを見つけて野球場に行くと、日菜子と出会う。彼女もまた、晃司と同様に一日経つと全てを忘れてしまう人だった。晃司は部屋の壁に貼ってある日菜子の写る無数のチェキを見て、今までに日菜子と過ごした日々を自分が忘れていることに気づく。連続性のない毎日に終止符を打とうと決意し、日菜子と記憶を定着させる旅に出る。
せつないせつない刹那的。
塩川孝良と芽衣子が実に良い感じだ。
一日経つと記憶を失うということは学習することができない。男はヒゲぼうぼうでしばしテロリストとか不審者に間違えられるが記憶していないのでいつもヒゲ面のままで同じ過ちを繰り返す。女はハイヒールがお気に入りだが歩きにくかったり足をグキるが記憶してないのでいつもハイヒール。
寝て起きると記憶がなくなっている。目覚めると昨日記憶を留めようとした痕跡を見つける。
記憶を定着させる旅。それは寝ないことだ。
「パーム・スプリング」で寝ないという方法は無いのか?と思ったが、まあ、それは既に試して挫折してるのだろうと流したけれど、本作で寝ないチャレンジを見られて良かった。
男が生活しているビルの屋上。ロケーションとかも魅力的。
バッティングセンターにニッチロー
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭Hulu
2021年9月
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