JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「プーサン」

2021-05-23 | 映画(DVD)
「市川崑 初期ライト・コメディの誘惑」

「プーサン」1953年 東宝 監督:市川崑

三流どこの補習学校教師野呂は、税務署吏員金森風吉の家に間借りしている独身者。トラックに轢かれそこなり当分右腕が利かず、学生泡田に代って黒板に字をかいてもらうが、かき賃一時間百円也を請求され、びっくりする。学校経営者の土建屋から夜間担任に格下げされ、無体な時間外勤務を強いられても文句ひとついえぬ野呂が、心ひそかに想うのは金森の娘--銀行事務員のカン子であった。

横山泰三の漫画、毎日新聞連載「プーサン」サンデー毎日連載「ミス・ガンコ」のアイディアを取捨して、社会諷刺をねらった異色作。 



風刺四コマ漫画の映画化で当時の世相が盛り沢山。市川崑のスピーディな展開が心地良い。
主演の伊藤雄之助はこれまで自分の持ってた胡散臭い役柄の印象とかなり違う。
凡庸でその名も野呂さん。
彼のペースと周囲(トニー谷初めとする事故の野次馬連中、医者の木村功、交番お回りの小林桂樹、学生の小泉博)の忙しなさのギャップが面白い。



越路吹雪と杉葉子が加東大介越しにかわす迷惑満員電車風景は最高。


添え物のような扱いの八千草薫が十二分にその役割を果たす可憐さ。





池袋 新文芸坐
2021年3月




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