JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「殺られる」

2012-11-07 | 映画(DVD)
「フィルム・ノワールの世界」

「殺られる」1959年 仏 監督:エドゥアール・モリナロ
原題:Des Femmes Disparaissent

マルセイユの平凡な労働者・ピエールは、友人の結婚パーティーに招かれた婚約者のベアトリスを会場の外で待つうち、見知らぬ男たちに襲われ気を失う。そのパーティーとは、ギャングが若い女をさらって海外に売り飛ばすための罠だと知ったピエールは・・・。

この映画は子供の頃から一度観てみたかった1本。と言うのは映画好きだった父親が持っていた数少ないレコードの中でも唯一のジャズ。猪俣猛のウェスト・ライナーズ「モダン・ジャズ・スクリーン・ムード」の中に入っている1曲「殺られる」がメチャカッコ良かったから。
その油井正一ライナーによると「マルセイユに巣食う肉体密輸団の正体をつきとめて戦う一職工の活躍を描いたもので、スリルにつぐスリル、快適なスピード感にあふれた秀作」とあります。これを読んでまだ見ぬ映画に思いを馳せたものです。そもそも肉体密輸団という意味が良く解らなかった。ミッキー・スピレインの「女体愛好クラブ」を思い浮かべますな。

さて、映画の方ですが、
まずオープニングから、モノクロの暗い映像にアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの渋い主題曲で、もう開始そうそうワクワク・・・おお、これぞ、フィルム・ノワールの傑作なのか?
外出しようとするベアトリスの美脚に這う嫌らしい手とか、ピエールとベアトリスを逃がそうとするコラリーヌ(マガリ・ノエル)のキリリとした美貌とかも良いではないの。

ところが、中盤、少しだらけて、ちょっと居眠りしちゃった。

そして、ラストでの警官によるドンパチ。
若い女性が捕らわれている屋敷に向かってマシンガンさえも、持ち出しての銃撃戦。最後にパァっと派手に、という意図なんだろうが、この銃撃戦がまったく子供のピストルごっこのよう。流石に、ここではジャズ・メッセンジャーズは使えず、鳴りを潜めているのだけど、落着してのエンディングにまた、唐突にジャズ・メッセンジャーズのテーマ曲。最早、シブい、だのカッコ良いだのとは程遠い物に感じてしまい・・・
フィルム・ノワールにジャズと来れば、どう転んでも間違いなく決まるもんだろうと思っていたが、そうではないのです。映画における音楽の使い方って、そう安直な物ではないんだなぁと、あらためて認識。

期待が大きかっただけに、ちょっと残念。

でも、ジャズのテーマ曲はやっぱりカッコ良いですよ。
ウェスト・ライナーズの方もGOOD

シネマヴェーラ渋谷

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