JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「黒い雪」

2009-08-20 | 映画(DVD)
「谷崎×エロス×アヴァンギャルド 美の改革者 武智鉄二全集」

「黒い雪」1965年 第三プロ 監督:武智鉄二

崎山次郎の母弥須は、横田基地で売春宿を経営している。弥須の妹由美が、駐留軍のボスの情婦なので、商売は秘密裡に運んでいた。次郎は娼婦たちと関係をもっているが、彼女らが平然と黒人兵と同衾しているのを見て、言いようのない挫折感に襲われた。彼は、ハイヤーの運転手堀田の娘静江の清純さに魅かれたが、自称共産党員黒瀬に、静江を譲った。

これって9代目桂文治が高座でよく取り上げていた映画だったような・・・、これとか「悶え」とか・・・だから、昔っからこれは観たかった作品。
猥褻裁判など映画の外側ばかりが話題になってしまう悲しい定めのピンク映画。

まず、導入。画像のように黒人とベッドに入っている娼婦(腋毛あり)。それをパーテーション越しに隣室から覗く崎山次郎。影絵の狐・・・ただならぬ物を感じる導入。
横田基地周辺ということで頻繁に戦闘機やヘリが飛ぶ。騒音を利用した(台詞が時おり騒音で聴こえない)音響効果も面白い。

栄養失調で身体の弱い娘の役は紅千登世。
この人の(少しだけ頭もイカれているのか?)処女というキャラクターの嵌り方が尋常でない。顔は少し卓球の愛ちゃん風。福原愛という子は子供の頃から見ているせいもあり、女子アスリートの中でもエロい妄想へ行きにくい人なんだが、これを見たことでちょっと変わるかも・・・それは、どうでもいいか。

騙されて全裸で基地の金網越しに疾走。(かなり長いです)

映画館の暗闇での悶え。

囚われた崎山次郎(花ノ本寿)を面会に来ると無言で見つめ続ける。

ただ、当時の最大の表現ということで仕方がないのかもしれないがやたら思わせぶりが多い。特に主演の花ノ本寿はエロにしてもバイオレンスにしても動作がスローでモタモタ感がありイラっとする事も・・・・

そんなわけでストーリーが面白い方向に転がりかけるとともに眠気が・・・・

基地での駐留軍取調べで、ボスの不正に触れると、それを揉み消そうとする行為、殴る蹴る。この時、白黒反転のネガフィルムになる。外に降り注ぐ雪はネガで黒いのでした。

銀座シネパトス レイトショー

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2 コメント

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Unknown (くり)
2009-08-21 21:05:05
シネパトスのレイトショーは観たいが、観ると終バスに間に合わない。ということで先般のさそり特集も無念のパスです。今日ひさしぶりで昼間のシネパトスへ行きました。「軍旗はためく下に」&「野火」。「軍旗」には、今は亡きラッキー7の舞台が出てきて、なつかしいなつかしい。
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Unknown (imapon)
2009-08-22 00:36:20
毎度ありがとうございます、くり様
「軍旗はためく下に」は私もシネマヴェーラで観ました。
http://blog.goo.ne.jp/imapon1960/e/994846d2228b0aa4f66fe3c6275c11d7
そう、あの映画はラッキー7が重要ですね。「野火」もいつか見たいと思っているのですが・・・
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