JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「極道ペテン師」

2010-07-01 | 映画(DVD)
「川本三郎編 映画少年の夢 ~麻布の丘に集った異才たち 麻布映画祭~」

「極道ペテン師」1969年 ノーベルプロ 監督:千野皓司

24年前(製作当時)に終わった戦争で落ちた米軍機の不発弾が路上から顔を覗かせている釜ヶ崎のスラム街。カンパイ(フランキー堺)は、印鑑屋、ブック、挨拶屋、葬式屋とグループを組み、大企業と富裕層を標的にした詐欺を繰り返す。競馬場で罠にかけた和尚の寺を乗っ取りニセ宗教を立ち上げ、ボロ儲け。温泉豪遊旅行先では女子高生達が入浴する女湯に従業員の振りして堂々と入ったりする等やりたい放題。そんなある日カンパイを「お父ちゃん」と呼ぶ謎の子供ケン坊が現われ・・・

今回のプログラムは麻布中(高)卒の映画人の特集。
この作品では役者のフランキー堺、加藤武(ただし、チョイ役。ニセ宗教の男性自身御神体を作る瀬戸物作家役)が麻布卒。

いかにも原作の野坂昭如らしさの出た作品。温泉で一緒になった四国のミッション系女子高生にオウムに教えた四国女性隠語を聞かせるなどいかにもな悪戯。野坂っぽく、また、麻布の悪ガキがやりそう。

ケン坊の登場で詐欺一団は翻弄されるわけだが、子供を使った展開のずるさと、後に想像できるフランキー堺との父子の交流への流れに辟易していると、不発弾が爆発して、あっという間にケン坊が吹っ飛ばされるという後味の悪い展開。
そこから焼け跡派ならではの論調になりシラっとさせられるのは、40年の歳月のせいばかりでは無さそう。
喜劇として突きぬけ感に乏しいので、市役所への糞尿放出とか、ゴキブリが這い回るオープニング・タイトルとかの悪趣味さが効果的になり得ない。

梶芽衣子がフランキー堺の若い愛人役。相変わらずの黒髪ながら、さそりや野良猫番長と違って、可愛らしい愛人。フランキーに甘えて見せ(フランキーやっぱりモテます)若い男と浮気する。

尚、監督の千野皓司は後に石立鉄男のTVドラマで活躍した人で、フランキー堺が繰り返す「お父ちゃんと呼ぶな」は「パパと呼ばないで」の原型。

神保町シアター

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