JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「金髪乱れて」

2024-12-03 | 映画(DVD)
「ウォルシュを観て死ね!」

「金髪乱れて」1932年 米 監督:ラオール・ウォルシュ
Me And My Gal

ジョーン・ベネットと警官のスペンサー・トレイシーのラブコメにギャグの脱獄事件が絡む。禁酒法時代に堂々と酔っぱらう奴ら、元彼のギャングと別れられないベネットの姉、戦争で身体が麻痺した軍曹など脇役も印象的。プレコード作品らしく”身体の関係を持つタイミング”について二人が話す場面も。スコセッシがオールタイムベストに選んだ、ギャグと愛に溢れた一本。



面白れえ。

冒頭は港に赴任の警官スペンサー・トレイシーを中心に群像的にドタバタ展開。禁酒法下の酔っぱらいオヤジの執つこさは蜘蛛駕籠の酔っぱらいに匹敵する辟易度だが、おそらくツボにはまると次から次へ笑いの渦になりそうだとクールに見ていた。画面に登場するキャラが皆おかしい。おうむ返しも執っこい。

ダイナーの女子とのラブコメ展開になると、クールなジョーン・ベネットのあしらいが楽しいガム。内心吐露台詞応酬。ラブシーンの足芸。

ジョーン・ベネットの姉と元彼(極悪犯)の登場で俄にサスペンスへ転調。姉と元彼の不倫ラブシーンもシリアスな中の可笑しみ。



事件解決は障害軍曹のまばたきモールスと首吊り手前で助けたワンコ。

晴れて結婚の船出。ドタバタに始まりドタバタに終わるって事でやっぱりドタバタコメディだった。
ジョーン・ベネットの金髪こそ乱れないけど、映画の方はとても良い塩梅で乱れきってくれてるナイス邦題。
お人好しの同僚刑事がスペンサー・トレイシーの出世で相棒と言うかむしろ部下に甘んじるのも良いし、第四の壁破ってくるお父ちゃんの高笑い。



ハットはあみだに被るが良し。



シネマヴェーラ渋谷
2024年5月

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