JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「Touch the Sound」 そして7年前の「羅生門」

2006-04-13 | 映画(DVD)
劇場で予告編を見て知りました。この映画は見ておきたいなと思いました。

聴覚障害を持つグラミー賞受賞パーカショニスト、エヴリン・グレニーのドキュメンタリー映画。
パーカッションというのは、やけに心惹かれます。
いまだに一番好きなパーカショニストはジェイミー・ミュアーなんですけど。(他にあまり知らないというのもあるけど)

エヴリン・グレニーという人は知りませんでした。共演のギタリスト、フレッド・フリスも知りません。
そして鬼太鼓座。やっぱりこういう人と共演しちゃってるんですね。(笑)どちらから歩み寄ったのでしょうか。

観る人のあらゆる感覚を刺激する、ここちよい音体感。とあります。

音が主役の映画です。町の雑踏などあらゆる音が敏感な感じで使われます。
しかし、やっぱり映画であって、映像の方も楽しみたい。
エヴリンの音をBGMとした映像表現。決して目新しい映像表現では無いのでしょうけど、映像としても楽しみたい映画。

エブリン・グレニーが生い立ちから音楽観などを語ってくれますが、字幕を読んだり、内容を理解する事に神経を使うのが疎ましくなって、途中からは字幕は無視。英語力皆無のため何を言っているかほとんど分からない。多分かなりいい事言ってるんでしょうけど、まぁいいや。

映画では効果音を巧みに使いますよね。本物の音では無く、人工的につくる音。
技術も進んでいるのであらゆる音を作る事が可能でしょう。
この映画も偽者の音を使っているでしょうか。
収録の技術も進んでるでしょうから、全て本物の音ですか。
でも、そんな事はどうでもいいんですね。偽者の音でもそれを本物と区別できる聴覚、五感を持ち合わせていないんですから。

アート・アンサンブル・オブ・シカゴなんかのフリー・ジャズを楽しめる方なら・・・
やはり劇場で見る事に価値あり。

この映画を観て思い出した物があります。
1999年に新国立劇場で観た演劇「羅生門」-構成・演出:渡辺和子

演劇は映画よりなお観る機会が少ないのですが、かみさんが戸川純のファンなもので観に行きました。

これ、とっても良かったんです。
前半部が無言劇なんですが静寂の中に音を聴かせる。
まるでパーカションのコンサートのようでした。
レイプシーンは油紙の中でガサゴソとエロティックな音で演出。
視覚的にも工夫があって、舞台装飾がほとんど無い。
そしてカラフルな反物を張り巡らしたり、敷き詰めたり・・・
とても印象に残る体験でした。

映画でも後半、ロールペーパーを飛ばしたりする映像がありました。ちょっと似ていた。

Touch the Soundも良かったけれど五感を研ぎ澄まされる感覚でいったら、断然「羅生門」です。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 我が母校 | トップ | 「風にきく」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画(DVD)」カテゴリの最新記事