JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「洲崎パラダイス赤信号」

2010-11-27 | 映画(DVD)
川島雄三「シブ筋」十八選

「洲崎パラダイス赤信号」1956年 日活 監督:川島雄三

江東区にあった洲崎遊郭に無一文で流れついた男と女が、遊郭の入り口にある飲み屋の女将にひろわれる。この飲み屋を舞台に、したたかだが憎めない女と優柔不断なダメ男の、別れそうにはなってはまた元の莢に納まる腐れ縁が描かれる。だらしはないが、切なくヤルセナイ色恋の機微を描いた傑作であり、監督自身お気に入りの一本である。

噂の名作、初めて観ました。
これは・・・
監督自身お気に入りというだけあって素晴らしかった。
もちろん「しとやかな獣」も素晴らしかったけど・・・
今まで川島雄三というとバカみたいに「幕末太陽伝」一筋だったが、今後はそうは行かなくなった。

配役、舞台のシチュエーション(決して遊郭の中には入っていかない)東京の風景(ボロボロになって彷徨う三橋達也)、音楽(真鍋理一郎)と・・・・映画的愉しみに浸れる幸福。
何も言うことありませんヨ。

ダメ男の三橋達也と女の武器で立ち回る新珠美千代。
明らかに新珠美千代の代表作。こんなに魅力ある女優だとは知らなかった。
快活でハッキリしていながら、男から金をせびる時の甘ったるい声色。

行方不明の亭主が帰ってきて白粉塗って子供と3人出かける轟夕起子の年増女の悲哀。
出前持ちの先輩、小沢昭一も相変わらず味なところを見せてくれる。

最初から最後まですごく気に入ってしまったのですが
洲崎パラダイスの入り口、橋のたもとの飲み屋に住み込みが決まった最初の夜。飲み屋の2階の窓から2人が覗く橋ととパラダイスの門の光景。音楽も含めてこのシーンだけでも、もうマイッテしまいます。

ラスト、腐れ縁で(芦川いづみにモテてたのに)将来も浮上は見込めそうにないのに2人の駆け出す足のショット。何やら妙に希望が持てるような終わり方。まやかしの希望なんだけど、いいなぁ。

どこかで掛かったら、また観に行こおっと!



シネマヴェーラ渋谷

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