「紙の月」2014年 松竹 監督:吉田大八
バブルがはじけて間もない1994年、銀行の契約社員として働く平凡な主婦・梅澤梨花は綿密な仕事への取り組みや周囲への気配りが好意的に評価され、上司や顧客から信頼されるようになる。一方、自分に関心のない夫との関係にむなしさを抱く中、年下の大学生・光太と出会い不倫関係に陥っていく。彼と逢瀬を重ねていくうちに金銭感覚がまひしてしまった梨花は、顧客の預金を使い始めてしまい……。
傑作「桐島、部活やめるってよ」の次の作品ですから、どうしたってハードルは高くなるんだけど、あっ晴れですね!
今、最も信頼のおける邦画監督と言っても良いんじゃないでしょうか、吉田大八さん。
流石に「桐島、・・・」を上回る事はありませんが、面白かった。
夢とはほど遠くなってしまった日常に埋没する主婦が若い恋人に入れあげて、勤務先の銀行から多額の金額を横領してしまう転落の物語という、使い古されたプロットの作品でありながら、それ以上の奥行き、幅広さを見出す手腕は気持ちが良いほど。
文章で行けば行間を読ませるって奴ですか?それを映画的手法ですんなりとやってのける。決して説明的にならないのに登場人物の心理が見え隠れしながら進んでいく、この感じ。脳内刺激が心地よい感じです。
宮沢りえは今まで代表作って何なんでしょう?センセーショナルなデビューから公私共々いろいろあって、四十路にして吉田大八監督と出会うなんて、女優という仕事も面白いもんですね。綺麗な顔立ちなのに冴えない主婦の銀行契約社員ぶりがお見事。
37歳の役。彼女の心理。決してファムファタールの対象は大学生というわけではありませんよね。
対象となる脇役の小林聡美、大島優子のキャスティングの妙。
横領の手口を綿密に見せて行く中、小林聡美の鋭い監視と大島優子の小悪魔的囁きなんかがあってサスペンス面も秀逸。
音楽の使い方がこれまた憎いばかり。中学生の讃美歌みたいな奴から、大学生の彼氏との逢瀬の気持ち悪いくらいロマンチックな劇伴。
エンディングのヴェルベット・アンダーグラウンド&ニコの「ファム・ファタール」
実は事前情報でニコの曲がEDに使われる事は知っていて楽しみにしていたのでしすが、もし、これを知らずに遭遇したとしたら、もっと参ってしまい、座席からずり落ち、土下座してしまったかもしれません。
映画『紙の月』Femme Fatale特別映像
あの、中原ひとみさんが認知症老女を演じられているのも感慨深いじゃないですか。
宮沢りえの中学時代を黒子付けて演じた彼女。オーラの面ではあきらかに劣っているけど、三井のリハウスの宮沢りえを思い出させて良かったんじゃないでしょうか。
そして宮沢りえが着ているあの銀行の外回りの制服がとってもフェッチ心を誘うんですね。あれは良い。
という事で吉田大八監督作品は近いうち全部(と言っても「野バラ」と「クヒオ」の2つだけだけれど)レンタルで観ようと決めました、マル。
MOVIX川口
バブルがはじけて間もない1994年、銀行の契約社員として働く平凡な主婦・梅澤梨花は綿密な仕事への取り組みや周囲への気配りが好意的に評価され、上司や顧客から信頼されるようになる。一方、自分に関心のない夫との関係にむなしさを抱く中、年下の大学生・光太と出会い不倫関係に陥っていく。彼と逢瀬を重ねていくうちに金銭感覚がまひしてしまった梨花は、顧客の預金を使い始めてしまい……。
傑作「桐島、部活やめるってよ」の次の作品ですから、どうしたってハードルは高くなるんだけど、あっ晴れですね!
今、最も信頼のおける邦画監督と言っても良いんじゃないでしょうか、吉田大八さん。
流石に「桐島、・・・」を上回る事はありませんが、面白かった。
夢とはほど遠くなってしまった日常に埋没する主婦が若い恋人に入れあげて、勤務先の銀行から多額の金額を横領してしまう転落の物語という、使い古されたプロットの作品でありながら、それ以上の奥行き、幅広さを見出す手腕は気持ちが良いほど。
文章で行けば行間を読ませるって奴ですか?それを映画的手法ですんなりとやってのける。決して説明的にならないのに登場人物の心理が見え隠れしながら進んでいく、この感じ。脳内刺激が心地よい感じです。
宮沢りえは今まで代表作って何なんでしょう?センセーショナルなデビューから公私共々いろいろあって、四十路にして吉田大八監督と出会うなんて、女優という仕事も面白いもんですね。綺麗な顔立ちなのに冴えない主婦の銀行契約社員ぶりがお見事。
37歳の役。彼女の心理。決してファムファタールの対象は大学生というわけではありませんよね。
対象となる脇役の小林聡美、大島優子のキャスティングの妙。
横領の手口を綿密に見せて行く中、小林聡美の鋭い監視と大島優子の小悪魔的囁きなんかがあってサスペンス面も秀逸。
音楽の使い方がこれまた憎いばかり。中学生の讃美歌みたいな奴から、大学生の彼氏との逢瀬の気持ち悪いくらいロマンチックな劇伴。
エンディングのヴェルベット・アンダーグラウンド&ニコの「ファム・ファタール」
実は事前情報でニコの曲がEDに使われる事は知っていて楽しみにしていたのでしすが、もし、これを知らずに遭遇したとしたら、もっと参ってしまい、座席からずり落ち、土下座してしまったかもしれません。
映画『紙の月』Femme Fatale特別映像
あの、中原ひとみさんが認知症老女を演じられているのも感慨深いじゃないですか。
宮沢りえの中学時代を黒子付けて演じた彼女。オーラの面ではあきらかに劣っているけど、三井のリハウスの宮沢りえを思い出させて良かったんじゃないでしょうか。
そして宮沢りえが着ているあの銀行の外回りの制服がとってもフェッチ心を誘うんですね。あれは良い。
という事で吉田大八監督作品は近いうち全部(と言っても「野バラ」と「クヒオ」の2つだけだけれど)レンタルで観ようと決めました、マル。
MOVIX川口
「桐島」&「紙月」以上のオモシロさなので期待してください
「紙の月」は原田知世ちゃんバージョンが糞みたいな出来なので途中で見るのを放棄しましたが
大八はさすがでります
自分もニコの歌が最後に出てくる事前情報を知らなければ土下座してました
紙月、横領犯罪モノとは言え普通は選択肢に入らない類の作品ぽいんですけど「桐島・・・」が良かったんで劇場に行きました。
「腑抜け」も大八さんでしたね。あれも面白かったです。
「野バラ」「クヒオ」選択肢に入らずスルーしておりましたが心根入替えて行きます。