「妄執、異形の人々Ⅴ」
「地獄変」1969年 東宝 監督:豊田四郎
芥川龍之介の「地獄変」の映画化。庶民が飢餓に苦しむ平安時代を舞台に、時の権力者である貴族・堀川の大殿(中村錦之助)と、地獄絵に憑かれた絵師・良秀(仲代達也)との葛藤を様式美たっぷりに描写する。火刑に処せられる最愛の娘・良香(内藤洋子)をモデルに、この世の地獄を描く父・良秀の苦悶が・・・
妄執、異形特集も芥川龍之介の文芸作品となると、その妄執ぶりが半端でなくて楽しい。
「地獄変」は中学の頃、読んでいるはずだが、全然憶えてない。大凡の内容は古典的名作短編として認識はしておりますが・・・
この映画の魅力は何と言っても中村錦之助と仲代達矢のキャラ合戦、演技合戦にありました。
特に中村錦之助の大殿様の陽気で鷹揚にはしゃぐテンションは捨てがたく、ちょっと笑ってしまう臭さではあるけど、それでいて悪趣味な貴族を表現。
この陽の大殿様と対をなすのが陰でありながら、こちらもハイテンションな演技で絵師・良秀の妄執ぶりなバカさ加減を演じる仲代達矢。こちらは何時もながらの面目躍如ぶり。
大殿様はこの世の極楽図を屏風絵として描くように命じるが、苦しんでいる民衆の世は地獄さながらであるとして地獄図を描こうとする良秀。
2人の演技の中に割って入り犠牲となるのが良秀の娘・良香(内藤洋子)
いつまでも高麗からの帰化人としての拘りに縛られている良秀を咎める言葉も。
「可愛い、可愛い」と言われる内藤洋子は今までそれほど可愛さを意識する事ができませんでしたが、初めて可憐だなぁと見惚れました。可愛いだけじゃなく、凄まじいまでの凛とした強さもあって・・・。
父と大殿様、愚かなる二人の男に対して「お二人の事ですからいづれ、このような事になると予想できました」と言って火炎の中で燃えていくシーンは見ものです。
何しろ可憐な内藤洋子がもの凄い形相で焼け溶けて行ってしまうのですから。
娘を焼き殺す事になっても、尚、行きすぎた絵への情熱、執念から解き放されない愚かなる父、良秀・・・、これぞ妄執と言わずして、何としましょう。仁王立ちして見得切ってる場合か・・・。
絵師良秀が自分の弟子を縛り上げて地獄図のモデルにするシーンでは、ぽちゃっとした弟子がホモっぽくてちょと萎えます。女の弟子は無かったので仕方ないのか・・・
シネマヴェーラ渋谷
「地獄変」1969年 東宝 監督:豊田四郎
芥川龍之介の「地獄変」の映画化。庶民が飢餓に苦しむ平安時代を舞台に、時の権力者である貴族・堀川の大殿(中村錦之助)と、地獄絵に憑かれた絵師・良秀(仲代達也)との葛藤を様式美たっぷりに描写する。火刑に処せられる最愛の娘・良香(内藤洋子)をモデルに、この世の地獄を描く父・良秀の苦悶が・・・
妄執、異形特集も芥川龍之介の文芸作品となると、その妄執ぶりが半端でなくて楽しい。
「地獄変」は中学の頃、読んでいるはずだが、全然憶えてない。大凡の内容は古典的名作短編として認識はしておりますが・・・
この映画の魅力は何と言っても中村錦之助と仲代達矢のキャラ合戦、演技合戦にありました。
特に中村錦之助の大殿様の陽気で鷹揚にはしゃぐテンションは捨てがたく、ちょっと笑ってしまう臭さではあるけど、それでいて悪趣味な貴族を表現。
この陽の大殿様と対をなすのが陰でありながら、こちらもハイテンションな演技で絵師・良秀の妄執ぶりなバカさ加減を演じる仲代達矢。こちらは何時もながらの面目躍如ぶり。
大殿様はこの世の極楽図を屏風絵として描くように命じるが、苦しんでいる民衆の世は地獄さながらであるとして地獄図を描こうとする良秀。
2人の演技の中に割って入り犠牲となるのが良秀の娘・良香(内藤洋子)
いつまでも高麗からの帰化人としての拘りに縛られている良秀を咎める言葉も。
「可愛い、可愛い」と言われる内藤洋子は今までそれほど可愛さを意識する事ができませんでしたが、初めて可憐だなぁと見惚れました。可愛いだけじゃなく、凄まじいまでの凛とした強さもあって・・・。
父と大殿様、愚かなる二人の男に対して「お二人の事ですからいづれ、このような事になると予想できました」と言って火炎の中で燃えていくシーンは見ものです。
何しろ可憐な内藤洋子がもの凄い形相で焼け溶けて行ってしまうのですから。
娘を焼き殺す事になっても、尚、行きすぎた絵への情熱、執念から解き放されない愚かなる父、良秀・・・、これぞ妄執と言わずして、何としましょう。仁王立ちして見得切ってる場合か・・・。
絵師良秀が自分の弟子を縛り上げて地獄図のモデルにするシーンでは、ぽちゃっとした弟子がホモっぽくてちょと萎えます。女の弟子は無かったので仕方ないのか・・・
シネマヴェーラ渋谷
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