JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

林光一 「ルンペン学入門」

2009-12-15 | BOOK
本棚から懐かしい本が出てきました。

「ルンペン学入門 一所不在の青カン渡世」林 光一・著 ペップ出版 昭和60年新装第1版

幼い頃から
「あんんたみたいな怠け者は乞食になるしかない」・・・
なんて小言を聞かされてきたせいか、乞食さんに対して妙な憧憬が生まれていたもんです。
そんな時、この本(当時結構話題になっていた?)を見つけて読んだのでございます。
読む前から或る程度は想像がついておりましたが、実行するには大変な努力が必要で、社会や肉親、いっさいの野望やつながりを考えて踏みとどまってしまうのが常人。
社会によりかかって安穏としている市民生活者の方がどれだけ楽かと言う事です。

一、ルンペンは他人のナワバリを荒らすべからず。
一、ルンペンは人に者を乞わず、人のために尽くすべし
一、ルンペンは清潔を保つを本分とすべし
一、ルンペンは偏食ゆえに健康に留意すべし
一、ルンペンは犯罪行為にまき込まれざるを旨とすべし

華麗なるルンペン生活の紹介は、やはり楽しく憧憬の念が沸いたものです。(自分には無理そうなので)

当時はホームレスなんて言葉はまだ無かった。かな?
以降、公園などでダンボールをねぐらにする路上生活者が現れ社会問題になった時、どこぞの中学生のように彼らを撲殺しようとは思わなかったが、彼らに是非この本を読んでもらいたいと思ったものです。時代が変わったとは言え、ホームレスなのにダンボールで居場所を確保しようというのは潔くないでしょ。

この国にルンペン、乞食がなくなる時は国が滅びる時。

「日本はいい国だ、ルンペンが週刊誌を読んでいる。こんなに教育水準の高い国はない」と言っていたのは家元談志でしたが、今や、ルンペンが無線LANでブログを更新しかねない。不況はまだまだ続きそうですから。くわばらくわばら・・・

林光一氏は著作の売れた事もあり、晩年はねぐらを路上から山谷に移し1998年、79歳で亡くなっています。
「キンキンのルンペン大将」という映画にルンペン役で出ているそうです。

ルンペン作家 林光一

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