JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「不連続殺人事件」

2008-04-30 | 映画(DVD)
新文芸座 「日本推理サスペンス映画大全 第一部 推理小説映画化傑作選」より

「不連続殺人事件」1977年 ATG 監督:曽根中生

敗戦による混乱のおさまらぬ時に流行作家の望月王仁は、N県きっての財閥・歌川多門の豪邸で殺された。その時、多門の家には二十九人に及ぶ男女がいた。兇器の短刃からは、二人の女の指紋が発見され、もう一人の女のものと思われる小さな鈴が、害者のベットの下から発見。女中も含めた、二十九人の内、十人は、多門の息子の一馬によって招待された人々で、戦争中の数年間、歌川家に疎開していた人々であった。そして、そこでは一般の人々の想像を絶するような、男女の淫乱な生活が繰りひろげられていたのである。

坂口安吾の原作は大昔読んだことがあるけど、まったく憶えていない。ひょっとすると読了していないのかもしれない。

推理小説というのは読んでみると楽しめるのですがあまり読む機会がありません。特に名探偵の謎解きものが苦手。ストーリーとか楽しめても謎解きになるとなんだか面倒くさくなって、どーでもいーよーという気持ちになる。だから本格物でもなく強引や有り得ない謎解きにも寛容になれるという点はあるようです。

この映画も後半の巨勢博士(小坂一也)の謎解きが長くてうんざりしてしまう。それに巨勢博士、南雲千草(伊佐山ひろ子)を醜女呼ばわりするなんて・・・(確かに美人とは言えないかもしれないけど)
それにしても29人は多いです。それぞれの奇人キャラを描き分けるのは無理があります。
現に私など見ていて「ワニさんが殺されてる」と言われてもすぐには誰だか解らず、生き残っている人を一生懸命確認して行き、漸く内田良平が居ないので彼がワニさんだったと判明する体たらくぶりでした。
初井言栄や殿山泰司、浜村純まで出てこられてややこしい。
絵沢萌子や泉じゅんも出演しているもののサービスシーンはほとんど無し。

キャラとして際立っているのは当然、内田裕也の土屋ピカ一と狂人医者の海老塚医師(松橋登)という事になるのでしょうが、私としては看護婦の諸井琴路(宮下順子)のミステリアスさに惹かれました。
何故か海老塚医師に白衣を切り裂かれる意味不明のシーン。おお、これが所有している角川文庫のカバーを飾っているシーンか(という事は映画化された頃に読んでるんですね)

内田裕也が俳優として本格的な役を演じた最初の作品ということですが退廃的で文学的な科白を例の「シェケナベイベ口調」でやってくれるのですから、もう最高!
ラスト、夏純子の許での演劇的芝居で全部持って行っちゃいました。
やはり、内田裕也の映画でした。

音楽はコスモス・ファクトリー
脚本はまたしても大和屋竺、そして田中陽三、曽根中生、荒井晴彦

どこかで内田裕也特集上映を期待します。ロックンローラー特集でも良いです。

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