中国語学習者のブログ

これって中国語でどう言うの?様々な中国語表現を紹介します。読者の皆さんと一緒に勉強しましょう。

内部裙帯 (縁故入学)

2009年07月27日 | 中国語でどう言うか?
最近、人民日報の記事の中で、汚職防止。綱紀引き締めを訴えるものが多い。
そのなか、9月からの新学期を前に、大学の縁故入試について、政府は禁止と言っているが、実際はなくなっていない、と告発している記事があった。

説説我知道的高校“内部裙帯 (7月24日《揚子晩報》)
私が知っている大学の「縁故入学」について

裙帯 qun2dai4 女性の衣装の腰に締める帯で、妻や姉妹の姻戚関係の比喩。
 ・裙帯資本:英語でCrony Capitalism、縁故資本主義。 中国語では、関係資本、朋党資本、権貴資本、密友資本、ともいう。 
 (権貴:高官で権勢のある人)
 ・裙帯官:妻の親戚筋から得た官職
 ・裙帯関係:閨閥(けいばつ)
 ・裙帯風:妻の親類筋から権力や利益を得ようとする風潮
 “高校”は、“高等学校”のことで、大学、大専(3年生で、日本の短大に相当)を指す。

舞台は湖南省。

同一个湖南省教育庁,去年発文禁止省内高校招生照顧本校的子女。今年改過来,公然発文要求省内高校招生照顧本校子女,最新的消息是“降分録取教工子女”的“照顧政策”已被叫停。這還不算完,再接再,有関方面又抖出了歴史与現実“存在即合理”之説,声称:這一“照顧”在国内已維持了20年。以前是没有文件的,是“一種慣例”,“有些省份比我們的還‘霊活很多’。”(7月22日、23日《新京報》)

[訳]同じ湖南省教育庁で、昨年は文書で省内の大学は新入生募集で各校の子女の優遇を禁止した。今年はそれが改められ、公然と文書で省内の大学の募集で各校の子女の優遇を要求、最新の情報では“合格点を下げて教職員の子女を採用する”“優遇政策”は既に停止されたという。これだけではまだ終わっておらず、さらに一層の努力を重ね、関連部門は歴史と現実が“存在するのは合理的であるからだ”という説をさらけ出し、こう言明した。こうした“優遇”は国内で既に20年も続いている。以前は文書になっていなかったが、“一種の慣例”であり、「他の省では私たちよりもっと“融通をきかせている”ところがある。」と。

再接再 zai4jie1zai4li4  努力に努力を重ねる
抖(出来)dou3 暴露する。さらけ出す

連日来,其表演直看得外省“本家人”、安徽某高校教工的我想入非非浮想聯翩

[訳]幾日も続いて、そのパフォーマンスを直接他の省の「当事者」から見、安徽省の某大学の教員である私は想像をたくましくし、あれこれ思いが次々頭に浮かんだ。

想入非非 xiang3ru4fei1fei1 妄想をたくましくする
浮想聯翩 fu2xiang3lian2pian1 あれやこれやの思いが次から次へと頭に浮かぶ

ここで、この文の著者が、安徽省の大学、或いは大専の教員であることがわかる。

不知道湖南高校的教師同行們看了這句話有否“被替罪”的感受,想予以証実其実很簡単,只需要公布歴年来被“照顧”過的“教工子女”名単即可,譲咱群衆雪亮的眼睛看一看,到底他們是普通教師的子女,還是“高校権貴”的少爺与千金?簡簡単単教書人組成的“教師隊伍”是不需要什么“維護穏定”的,高校行政化背景下的“権力分臟”才需要。

[訳]湖南の大学の講師たちはこのことを見て「他人の罪を背負わされた」ような感覚を持たれるかもしれないが、その実態を証明しようと思うと実に簡単で、只何年にもわたり「優遇された」「教員の子女」の名簿を見ればわかることで、私たちのきらきら光る眼で見てみると、果たして彼らは普通の教師の子女なのだろうか、それとも「大学の権勢のある人」のむすこに千金を与えるのか。全く単純なことに、教員で組織された「教師隊」には「維持安定」というようなものは要らず、大学の行政化の背景下で「権力で不当な利益の分け前を得ている者」こそが必要としている。

権貴 quan2gui4 高官で権勢のある人
分臟 fen1zang1 盗品を分ける。不当な権利や利益を分けることのたとえ

縁故入学で良い目をしているのは、結局一部の権勢のある人だけで、自分たちの権益を次の世代の身内に伝えていきたいのだ、となると、なにか昔の官吏の権勢がいまだに残っているような感じです。

もっとも、中国に限らず、同じような話が、日本のどこかの検定協会でもありましたが。