中国語学習者のブログ

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中国の大学入試事情 ~ “高考”について

2011年06月11日 | 中国生活

 6月7日、8日、一部地域では9日まで、“高考”gao1kao3、正式には“普通高等学校招生全国統一考試”が行われました。中国での“高等学校”とは、総合大学、単科大学の“本科”(4年制の教程)、“大専”(3年制の教程)を含む大学レベルの学校のことを言います。志願者は、この統一試験の成績に基づき、志望大学を選択し、大学は基本的にこの試験結果に基づき合格者を決定します。

  試験は、6月7日の午前(9:00~11:30)が語文(国語)、午後(15:00~17:00)が数学。8日の午前が選択で文科綜合、或いは理科綜合。午後が外国語です。この中で、毎年注目されるのが7日午前、語文の小論文の課題です。この小論文の課題をはじめ、統一入試といいながら、各地の独自色が濃くなっているのが、最近の中国の大学入試の特徴であるようです。
 そこで、次のような記事を見つけました。

■[1]
 (クリックしてください。中国語原文と語句解説が見られます。)
    ↓


□ 北京の大学入試で小論文を独自に出題するようになって10年: 新しさを求め、変化を求め、北京の独自性が徐々に色濃くなっている
   2011年6月7日《北京日報》

□ 今日午前9時、受験生の目の前に現れた小論文の出題は、北京市が独自に出題するようになってから十回目の夏季大学入試の小論文の課題である。2002年の春季入試で、北京市が初めて独自に大学入試問題の出題を始めてから、今年で十年が経過した。この十年、受験生の入試準備の指導をしてきた高三の教師、及び入試の採点教官はこう語った。十年間の独自の出題で、「北京版入試問題」の地域色は益々色濃くなり、個性は益々鮮明になった。

■[2]


□ 2002年、北京の大学入試の一部の科目は全国統一問題を使わず、独自出題を開始した。 
 “3+X”の試験形式がその年の春季入試で初めてお目見えし、受験生は五科目の試験を受ける必要がなくなり、四科目、すなわち、語文(国語)、数学、外国語の三科目の他、文科系の受験生は文科綜合、理数系の受験生は理科綜合を受ければよくなった。この時の春季入試ではまた、北京の入試問題の独自出題が始まり、その年の春季と夏季の入試では、語文、数学、英語が北京の独自出題で、文科綜合と理科綜合は教育部の入試センターの統一問題であった。2002年の夏季入試の語文の小論文の題は《規則》で、北京市の夏季入試の独自問題で初めての小論文の題となった。 
 2年後の2004年の夏季入試から、文科綜合、理科綜合ともに北京市の独自出題となり、北京市の入試の全科目独自出題が実現した。 
 2006年から、北京市は春季入試を廃止したが、春季入試から開始した独自出題と“3+X”の入試形式は現在まで継続している。

※ このように、大学の統一入試は、地方の独自色も加えながら、改革が続けられてきました。

■[3]


□ 2002年の北京の夏季入試以来、語文学科は主観問題の配点が増加し、試験問題の内容の最適化が行われ、基礎知識を問う問題が重視されるようになった。過去10年ずっと高三の指導に従事してきた東直門中学の語文教諭、安建恵の紹介によれば、以前の全国統一問題では、中国語のピンイン、漢字の字形の出題が各一問出題されていたが、北京出題問題では、発音、字形を一つの問題にまとめて出題され、このようにして一問減らした分で、学生の語文の鑑賞、審美能力の応用力を問う出題がされるようになった。2004年の入試では“北京方言”までも試験問題に取り上げられるようになり、2006年の小論文の課題《北京の符合》では一層、北京の独自出題の「地方色」が極限まで発揮されるようになった。

■[4]


□ 安建恵の説明では、以前の入試の小論文はテーマからずれていないかどうかが重視され、テーマからずれてしまうと、小論文の成績は合格が難しかった。一方、独自出題の小論文では、形式上の要求が緩和され、受験生は個性が発揮できるようになり、論理のつじつまが合ってさえいればよくなった。「試験会場で受験生の身に被せられた形式主義の手かせ足かせは益々少なくなり、中身が無く形式ばかりにこだわった文章が多く見られ、良い作品がほとんど見つからないという情況は改められた」と安建恵は語った。

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 ご承知のように、中国は長年科挙の試験で人材を登用してきた伝統があるせいでしょうか、全国統一入試でも、最初の語文で出題される小論文のテーマが今年は何か、が話題になるのがおもしろいと思いました。

 ちなみに、2011年の北京の小論文の課題は、中国が卓球の世界選手権で金メダルを独占したことについてで、それに関して学校での教師と生徒の間で行われた討論が紹介されており、それを使って、自分の見解を選び、テーマを定めて800字以上の論文を書きなさい、というものでした。

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