中国共産党の党大会は、共産党政権の今後の政策の指針を決める重要行事ですが、今年10月、党大会が開催されることが決まったとの報道が、7月22日にありました。現在の胡錦涛政権も、来年5年の任期を迎え、いよいよ新体制作りへの準備が始まりました。
この機会に、中国の政治体制がどうなっているか、おさらいし、今後の政治日程を整理してみましょう。
( ↓ クリックしてください。中国語原文が表示されます)
・部署 bu4shu3 日本語の“部署”とは、意味が違うので要注意。手を打つ。手配する。配置する。の意味。
・未雨綢繆 we4yu3 chou2mou2 [成語]雨が降らないうちに窓や戸を修繕する。転ばぬ先の杖。“綢繆”は固く縛りつけるという意味。
□ 胡錦涛が中国共産党中央政治局会議を主催、17期6中全会の召集を決定
2011年7月22日 出典:新華網
中国共産党中央政治局が会議を召集
17期6中全会を召集、現在の経済情勢と経済政策を討議、検討することを決定
中国共産党中央委員会総書記胡錦涛が会議を主催
新華網北京7月22日電 中国共産党中央政治局は22日に会議を召集、今年10月に北京で中国共産党第17次中央委員会第6次全体会議を召集することを決定した。主要議事日程は:中国共産党中央政治局が中央委員会に活動報告を行い、文化体制改革の研究を深化させ、社会主義文化の大発展、大繁栄の問題を推進する。会議では更に現在の経済情勢と経済活動を検討する。中国共産党中央委員会総書記の胡錦涛が会議を主催する。
会議では次のように認識した:今年になって、各地区や各部門は中央の政策決定に基づき行動し、科学的発展をメインテーマに、経済発展モデルの転換の加速を主要路線とし、積極的な財政政策と穏健な貨幣政策を実施し、物価安定、枠組みの調整、民生の保護、調和の促進に力を入れ、経済は安定と高成長を維持し、農業生産は良好で、物価コントロールは全般的に有効で、市場への供給は良く確保され、社会からの需要は基本的に安定し、構造改革を積極的に推進し、重点改革を引き続き深化させ、社会保障体系をより一層健全化し、人民の生活レベルを引き続き向上させた。これは党中央、国務院の正確な指導、科学的な政策決定の結果であり、全国の上層、下層が地道に活動し、共に努力をした結果である。
会議ではこう指摘した:現在、我が国の経済発展情勢は全体として良好であるが、同時に発展の中に不均衡、不協調、継続不能といった矛盾が依然として突出しており、国際環境と国内経済運営にも若干の新たな情勢、問題、矛盾が出現している。私たちは勝ち取った成果を正確に認識し、経済活動をうまくやるという信念を堅持しなければならないだけでなく、冷静な頭脳を維持し、危機意識を強め、冷静に観察し、雨が降る前に先に手を打ち、様々な困難や潜在的なリスクに対する準備をしっかり行い、経済・社会の発展の好ましい情勢をしっかりとしたものにしなければならない。
会議ではこう強調した:党の17次大会と17期第3次、第4次、第5次中央委員会全体会議の精神、小平理論、「3つの代表」の重要思想を指針とし、科学発展観を深く貫徹、実行し、経済発展モデルの転換を加速し、マクロ・コントロールを引き続き強化、改善し、積極的な財政政策と穏当な貨幣政策を実施し、物価の全体レベルの安定化に力を入れ、構造改革と省エネ・排出削減を加速し、民生の保障と改善に力を入れ、経済の安定、高成長と社会の調和、安定を促し、「12次五カ年計画」期間中の経済、社会の発展の為に良好なスタートを実現した。
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今秋の中国共産党17期6中全会で、現執行部での総仕上げとなる方針決定がなされますが、次に注目されるのは、新指導部の人事です。新執行部の人事に関する仕組みを以下にまとめました。
( ↓ クリックすると、大きな表が表示されます)
中国共産党は、別表のように5年ごとに全国代表大会を開催し、中央委員会の執行部を決めることになっています。現在の執行部は第17期ですが、これは1921年7月に上海で、コミンテルンの指導で第1次全国代表大会を開催し、陳独秀をトップの中央局書記に選出しました。それ以来、第17代目の執行部ということになります。5年に1度の全国代表大会の間は、執行部を中心とする中央委員会が、おおむね年1回に全体会議を開催しながら、国の行政の指針を決めています。この中央委員会のトップは、以前は主席と言っていましたが、第12次の全国代表大会で選出された胡耀邦以来、“総書記”と呼ばれています。総書記は他の社会主義国(旧ソ連など)では第一書記などと呼ばれることもあります。英語では“General Secretary”と訳されます。
この表は、毛沢東が華国鋒を後継者に指名し死去、その後、江青をはじめとする四人組を打倒し、現在に繋がる改革開放路線を明確に打ち出した、11期3中全会(1978年)以来の歴代の首脳の変遷です。これを見ると、全国代表大会には“次”を用い、それによって選出された中央委員会は“届”を用いていることが分かります。現在の17期の胡錦涛体制は、来年2012年10月で5年の任期が終了し、総書記は2期までという内規があることから、胡錦涛は来年10月を以て総書記を引退することになります。次の18期体制で、習近平が総書記に就任することになっています。
■ 共産党と軍の関係
尚、中国で無視できない重要な勢力である軍隊は、共産党の配下にあるため、その軍隊のトップ、中央軍事委員会主席は、共産党中央委員会により指名されます。概ね、その代の総書記が兼務しますが、軍隊の統率は新任の総書記が一朝にはできない為か、すぐには軍事委主席にはなれず、しばらく時間を経過してから、前任から軍事委主席のポストを委譲される傾向にあります。現在の胡錦涛も、1期目は江澤民が軍事委主席でした。歴代の総書記と軍事委主席の関係は別表の通りです。これでみると、習近平は2010年秋に軍事委副主席に就任したばかりですので、軍事委については、もう1期、胡錦涛が主席を務めるのではないでしょうか。
■ 共産党と議会、内閣の関係
中国の政治体制は、民主制を取っているという建前上、立法府、行政府は共産党とは別の独立した組織になっています。中国の立法府は1院制で、全国人民代表大会、略して全人代と呼ばれます。全人代総会の開催は年1回、毎年3月ですが、それだけでは法令の制定が間に合わない為、全人代閉会中、全人代常務委員会が常設機構として、法令の審議、制定をします。その他に、共産党と、共産党以外の政党による中国人民政治協商会議というものがありますが、これはあくまで全人代の動向を監視し、アドバイスや批判を行う機関です。そして、実際に行政を行うのが、内閣に当たる国務院で、国務院総理は、全人代により選出、任命されます。
■ 中華人民共和国主席(国家主席)
もう一つ、1982年に憲法が改正され、中華人民共和国主席(国家主席)が復活しました。「復活」というのは、中華人民共和国建国当初は、1949~1954年:毛沢東、1954~1966年:劉少奇が国家主席でしたが、その後、文革による政治混乱のため、このポストは消滅してしまいました。1982年の復活後も、しばらくは、どちらかというと名誉職的な位置付けでしたが、1993年の第8期全人代で江澤民が国家主席への就任後、法律の公布、国務院総理や国務委員の任命権、対外的な国事活動、外国との条約締結などの権限を持つ国家主席は、いわば大統領のような位置付けとなり、中国政府の顔として、重要度が増してきました。英語では“President”です。以前、毛沢東時代は、“Chairman”と訳されていたそうですが、これは時代の違いです。
国家主席と国務院総理は、全人代が選出、任命し、任期は5年で、再選は2期までと憲法で定められています。したがって、現在の胡錦涛、温家宝は何れも第11期全人代の任期が終わる2013年3月で退任することになります。したがって、来年秋に習近平が共産党の総書記に就任しても、実際に中国の顔である国家主席になるのは、2013年の3月からになります。また、全人代の呉邦国委員長も2期務めていますので、次の第12期全人代では、新しい委員長に交代するものと思われます。言いかえると、中国の政権が文字通り新体制に移行するのは、2013年の春からになります。
新しい国家主席は習近平、国務院総理は李克強が有力と言われていますが、他の国務委員も多くは65歳以上と高齢な為、退任されるものと思います。そうすると上記2人の他、どのようなメンバーが中央政治局入りするか、たいへん注目されます。
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