日本語おもしろ発見

日々の生活から

「石鹸」が指すもの

2007-07-10 19:29:01 | 日本語豆知識

 この前、「洗濯粉」か「洗剤」かという記事を書きましたが、もしかしたら、「洗濯石鹸」と言っている人もいるかもと思いました。あるいは「歯磨き粉」じゃなくて、「歯磨き石鹸」とか?「石鹸」はいろいろなものを指しそうです。

 『日本国語大辞典』第2版によると、「石鹸」は、織豊時代に南蛮貿易によって渡来したものだそうです。「洗剤」は新しい言葉で、同辞書によると最初の用例は、阿部公房の小説の例(1961)ですね。

 「歯磨き石鹸」は、『風俗画法』127号(1896)「元祖福原衛生歯磨石鹸」というように使われていたようです。もしかしたら、おばあちゃん世代に「歯磨き石鹸」と言っている人もいるかもしれませんね。もう一つの用例

 『欧米最新美容法』(1908)「石鹸の種類は大別して5種あります薬用石鹸化粧石鹸浴用石鹸洗濯石鹸歯磨石鹸で」

 おおお、全部「石鹸」なんですね。今風にいうと、

 「薬用石鹸、クレンジング、ボディシャンプー、あるいは、ボディーソープ、洗剤、あるいは洗濯粉、歯磨き粉」でしょうか。

 この前、台所用の洗剤のラベルに「台所用石鹸」と書いてあるものを見つけました。だから、意外に「~石鹸」は実はいろいろなところでまだ使われているのかもしれません。ま、用途によって、言葉を使い分けるより、「~石鹸」で統一されてるほうが、学ぶ人にとってはいいですよね^^

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする