おや? なんだろう? おもしろいね~ と自然に笑顔になり、楽しんで取り組みたいですね。 まさしくそれは彩りですね!!

卓越性の探究者、波田野が皆さんに販売戦略・営業手法についてや、コミュニケーションについて思う事をお届けします。

右腕の育て方《待つか?育てるか?》

2022-04-22 11:07:51 | 組織風土
右腕の育て方
5.待つか?育てるか?
さて、右腕の育て方も第5回を迎えました。
いよいよ核心に迫っていきますので、お楽しみになさって下さい。

さあ、今回のテーマは右腕出現を待つか?育てるか?です。
これは、皆さんの会社にとっての右腕の出現を待つか、それとも自ら育てるかに焦点を絞って展開させていただきます。

まずは待つか?という内容に触れて行きます。
待つ事にした場合は、条件があります。
それは、『人が育つ風土がある』と言う事です。

前回のテーマが【突然変異はある日突然に!?】と言う事だったのは覚えていらっしゃいますか?
突然変異は右腕が育つ風土が無ければ、言い換えれば誰もが成長できる、成長を感じられる風土で無ければ起こりません。

ではどんな風土であればいいのか?
閉鎖性と誤った親和性は意識して見直す必要があります。
閉鎖性は判断基準が何か?で閉鎖的にもなるし、開放的にもなります。
誤った親和性は、本物のシナジーは得られないでしょう。
皆さんは《スタンフォード大学の監獄実験》というお話を聞いた事がありますか?
これは置かれた環境で人に変化がある事を実験したものとして、私の記憶にも強烈に残っています。
スタンフォード大学の心理学者のフィリップ・ジンバルドー氏(以下、F・ジンバルドー)は、人間は環境から影響を受けるものという学説を信じていました。彼は自らが実験を行う事で、それを実証したかったと言えます。
F・ジンバルドーは新聞広告などから21人を集めました。
そして彼らをそれぞれ看守役と囚人役とに分けたのでした。
看守役は初めは命令を下すことに戸惑いながらも、次第にそのことに慣れ、面白いことに徐々に威圧的な態度をとるようになります。
結果、そのことに反感を持ち始めた囚人役たちに、さらに重い罰則を与え、お互いの関係はこじれていきます。
ここからが酷い内容になって行きますが、看守役は囚人役に罰を与えることに快感を感じたり、囚人役を家畜のように考え、躾をしなければと考えたりするようになっていったと言うのです。
しばらくすると精神に異常をきたした囚人役一人が離脱しました。
さらに、ストレス過多となったもう一人の囚人役を、看守役は倉庫に移動させて虐待し、さらに精神的に追い詰めるという行為に走ります。
実験の中止を求めた囚人役に対しては「仮釈放の審査」を受けさせ、実験はそのまま続けられました。

このような状況になったのなら、もう実験どころでは無いのですが、当時(1971年当時)は人権やコンプライアンスなどが重要視されていなかったので、このような「非人道的」な心理実験が行われてしまいました。
離脱者が早期に出た状況を鑑みたカウンセラーや弁護士などにより、2週間を予定していた実験は、当初の予定を大幅に短縮し、6日間で打ち切られることになりました。 のちに、F・ジンバルドー氏自身もこの実験が生み出した状況にのまれ、正常な判断ができなかったと発言しています。
看守役の中にも続行を希望する者もいて、この実験がいかに被験者の心に影響を与えたかがうかがえます。
このスタンフォード大学で行われた監獄実験は、今では数少ない人間による生きた心理実験であり、貴重なデータとして扱われるようになったのです。

この事から、職場の風土が以下の大切かをご理解いただけると思います。

判断基準が、その企業内で力の強い人間が持っている状況はさながら看守の様であり、従業員は看守の顔色を気にする囚人のようです。
そのような閉鎖的な職場から皆さんが望むような右腕が出現するでしょうか?
良い看守は生まれるかもしれませんが、それは皆さんが望むような会社の姿ではないはずです。

皆さんの会社の風土の判断基準がビジョンやパーパスであり、社員は迷うことなく、それに向かう事が出来る状態であるなら、右腕の出現を待つことも一つの手法であるとも言えます。

しかし、現在のビジネス環境の中で、ビジョンを判断基準にしている会社は無いと言っても過言ではありません。
あるにはありますが、それも本当にそうできているかは疑わしく感じます。
なぜなら、会社は株主やステークホルダーをないがしろに出来ないからです。
お客様を失う可能性があるから…、株主に指摘される可能性があるから…、といって判断基準をビジョンに出来ないのです。
結果、多くの会社で額縁に入った言葉となっているのです。
社員はほくそ笑んでいると思います。
恐れずに申し上げるなら、経営者のマスターベーションには付き合えないと。

ですが、実はここに改善点があるのです。
その改善を促しながら「右腕を育てる」と言う事も可能です。
風土が耕されていない状況で右腕を育てると決めたならば、まず最初に取り組むべき事があります。
それは、理念に一貫した風土作りを優先する事です。

先ほどから申し上げている通り、風土が耕されていないと組織に対して、従業員は期待出来ません。
もしそんな状態の会社で、右腕の役割を与えられたら不幸でしかありません。
なぜなら貧乏くじを引くようなものだからです。

人が育つ風土があれば、必ず右腕は現れます。
ただし、どこまで待つか(またはあきらめるか)を決めるべきです。
もし待てないのなら、他から採用する手段もあります。

もう一つ、お伝えしておきます。
確認します。
あなたの組織のリーダーとは何をする人でしょうか?

リーダーシップであるとかマネジメントを語る時には、常について回るのが、リーダーって何をする人ですか?と言う事です。
これは、リーダーを雑用係と思っている人が多いことからお示ししておきたいと思います。
伊賀康代さんが著した採用基準の中でこのようにおっしゃっています。
「日本では時々雑用係のことをリーダーと呼んでいるのではないかと思うことさえあります(省略)なぜ日本ではリーダーが雑用係になってしまうのでしょう?その理由は、日本人が「リーダーは組織に1人いればよい」と考えているからです。「1人のリーダーが、組織運営に必要なことはすべてやるべきだ」と考えているから、リーダーは本来求められる責務に加え、雑用まですべてを担当させられるのです。(省略)雑用係とは反対に、リーダーとは他者の上に立ってあれこれ命令し、指示をする人だと考える人もいます。命令されることを好む人はいませんから、「リーダー = 命令する人」だと解釈した時点で、その人にとって「リーダー」という言葉はネガティブな意味をもってしまいます。リーダーとは成果を達成する人としています。」また、「リーダーがなすべきタスクとして「目標を掲げる」「先頭を走る」「決める」「伝える」があります。つらくても頑張ろうと思える魅力的なゴールを示し、最初の1人になる事をいとわず、たとえ十分な情報が揃わなくても決める事が出来て、何度も繰り返し、粘り強く同じ事を語り続ける必要があります。」(伊賀泰代著 ダイヤモンド社 採用基準 )

リーダーの役割について皆さんの職場では、どのように説明しているでしょうか?
私は伊賀さんがおっしゃっている内容が心に刺さりました。

さて、以上の解説の内容から、待つか育てるかに関しては、基準が会社にあり、異なるものを親和的に接合し、それらを元に、風土を構築している会社であれば、待っても次から次へと右腕候補は現れる事でしょう。

そうでは無い会社であれば、まず整備する事に注力し、右腕候補に風土改革を任せるという事が近道であると言えます。



(右腕の育て方6へ続く)
・次回以降のテーマ
『参謀体験記』
『貴社の育成のメソッドを構築しよう!』


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右腕の育て方《突然変異はある日突然に!?》

2022-04-15 14:50:05 | 組織風土
右腕の育て方
4.突然変異はある日突然に!?

私たちは、星に願いを込めるかのように、常に社員に期待しています。
それは、良い右腕の出現についても同様で、社員は皆、良い人材に成長してほしいと願っています。
では皆さんは良い右腕が出現する条件があるのはご存知でしょうか。
今回のブログではそのあたりを深堀していきたいと思います。

『人の成長に関して変化が起こり続ける風土』
これが答えです。

さてその答えに行きつく前に、社員はある日突然右腕に変異するのでしょうか?
「そんなのはあり得ない」と誰もが答えますが、私にはほとんどの皆さんが星に願いを込めるかのように突然変異を期待しているのでは?と思ってしまいます。

また、誤った右腕の育て方を進める事で、右腕レースからコースアウトさせてしまっている事も沢山あります。

前回(右腕の育て方3. なぜ社員は成長する事をやめているのか?)ふれました、閉鎖性(自分たちが絶対となる)や誤った親和性(相性の良い同士がくっつく)が蔓延る風土からはどのような影響が起こるでしょうか?

① 曖昧な目標設定
まずは目標設定について考えて見ましょう。その風土にどっぷりつかっていると、それらの目標が曖昧である事にすら気づいていないかもしれませんが、目標が自体が目標になっていない事がありますし、さらに目標は達成されないものと認識されていれば、そのようなモノに成り下がっています。『曖昧』の根拠は判断基準が人が握っているという事です。これは他社からみたら、とても不思議な事ですが、それ自体まかり通ってい過ぎると違和感すら感じなくなるのです。
② 正しい(と思われる)(無難な)事しか言わなくなる
相手の顔色を窺った状態であれば容易に想像できますが、無難な事しか言わなくなります。それがその組織の処世術だからです。この状態も最初は違和感がありますが、徐々に麻痺してしまいます。
③ 組織の評価より、他の社員からの評価を気にする
360度評価の事を言っているではありません。判断基準が組織に無く、周囲の社員に委ねてしまっている状態を指摘しています。これは依存状態とも言えるので、各社員の主体性は発揮しづらくなります。やがて組織の停滞にもつながりますが、経営者がそのような状態を見抜く事が出来ませんので、組織に徐々にではありますがこれが浸透し、抜け出せなくなる酷い状態とも言えます。しかも組織が停滞していても何がボトルネックの問題となっているかが掴みづらいのですが、他の社員の評価を気にしているのならそれが引き金になっています。
これらの現象が見て取れる組織で上司はこのように嘆きます。
「なんでうちの社員はやる気がないんだ」
打ち手に困る上司が取る手段は一つです。
自らの成長です。
自分のコミュニケーション能力を見直したり、伝え方や聞き方などのセミナーに参加し始めます。
素晴らしいセミナーに出会った時は、部下にも進めます。
「きっとあなたにも将来役に立つ内容だから、このセミナーを受けてみればいいよ」
しかしとても残念なのですが、きっとそのセミナーの最大の効果を享受する事は無いでしょう。なぜなら、その内容よりも自分には優先すべき、基準を持ってしまっているからです。

でも上司は上司としての職務を全うし続けますので、より良い組織やチームにするために涙ぐましい努力をし続けるのです。このような上司が所属している会社は沢山あります。
「中間管理職は大変だよね」
私も本当にそう思います。

話を戻します。
右腕はある日突然に!?と言えば、残念ながら現在の風土では生まれようがありません。
日本にイノベーションが起こらなくなって久しいと言いますが、幼少期の育て方、学校教育の有り方が創造性あふれる人材を排除して来たのですから、そんな天才に生きづらさを与えて来てしまったので、しかるべき結果だったと言えます。

ですが、皆さんの会社はこのブログと出会った事で変わる事が出来ます。
その内容は次回の『待つか?育てるか?』に委ねたいと思います。

(右腕の育て方5へ続く)
・次回以降のテーマ
『待つか?育てるか?』
『参謀体験記』


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右腕の育て方《なぜ社員は成長する事をやめているのか?》

2022-04-06 08:05:40 | 組織風土
右腕の育て方
3. なぜ社員は成長する事をやめているのか?

今回のブログは、どの組織でも当てはまることです。
最近の社会の閉塞感も含め、なぜという問いを立てて考察して行きたいと思います。
本日もお付き合いいただきありがとうございます。

『なぜ社員は成長する事をやめているのか?』
これは相手に矢印を向けている最たる例とも言えるのですが、今回はこの課題にあえて向き合って行きます。

本来、人は他人の役に立ちたいし、その為には、様々な事を知っていたいし、もっと深く知りたいという知識欲が高まります。そのこと自体は、成長欲求と言えます。

しかし、昨今この成長の範囲を限定的にとらえていたり、利己的にしか活用しない考え方が増えて来ているという声が残念ながら増えています。

いくつかの理由があると思いますが、私は個々の働く意識に着目しています。
そもそも会社に帰属するのが日本の働き方です。
しかし欧米は違います。
仕事に帰属するのが彼らです。

最近の評価制度を見ていると、欧米式の評価制度を導入しようとする企業が増えて来ました。メディアでもそうするべきという風潮が散見されています。
でもそもそも会社に帰属させるのが日本式であれば、それは間違っています。
語弊無く言えば、日本のそれは仕事自体のステータスを高めて行きたいと考えられる環境に無く、会社をどう成長させるかを一緒に考えられる経営者感覚の社員を望む傾向にもありますが、それも無理な注文ですね。
仕事のステータスを高めて行くのであればよりグルーバルな組織に属する必要があります。

スポーツの世界に例えれば分かりやすいと思います。
例えば、皆さんがJリーガーになりたいと考えるとします。ここにはアントラーズでとかフロンターレでプロになるという考えよりも、「夢はJリーガー」と語るので、プロになれればある意味目標は達成です。その上で入るチームを選択できるのであれば尚の事良いという事になります。つまりビッグクラブの方が良いとなる訳です。

ではなぜビッグクラブの方が良いのでしょうか?
それはチャンスが増えるからです。
チャンピオンチームからは海外移籍も活発になるのは過去のJリーグでも示して来ました。
そしてもっと高みを目指す選手なら、「チャンピオンズリーグに出場する」「チャンピオンズリーグで優勝する」となっていくわけです。
特にチャンピオンズリーグで優勝するチームはほぼ限られます。
現在日本人が所属しているチームで過去チャンピオンズリーグを制した事があるチームは、南野が所属するリバプールのみです。ですからより高みを目指す選手はそういったチームへのステップアップを望むのです。

さて話を戻します。
このようにチームに所属するのは自分の腕を試すという意味合いがあります。
個人事業主な彼らはそうなのかもしれません。

しかし、この考え方は我々の働き方にも同様の事が言えるはずです。
ただし、圧倒的に日本の会社は閉鎖的なので様々な情報が外にもれて来ません。
メディアに取材されたりする企業は何となくつかむ事が出来ますが(最近ではトヨタ自動車が面白いCMを流していますね)、そうでは無い中小企業が9割を占める日本においては、ほぼ自分の腕を試すべき会社がどこにあるのか皆目見当が付きません。

さらに欧米の会社の給料制度は売上高や利益率が高い会社ほど給料が高くなります。
ですから自分の給料に妥当性を感じる事が出来ます。
自分にもっと能力があるのであれば、よりステージの高い会社の門を叩けばいいのです。
同業他社においてもその事はよくわかっているので、例えば、A社・B社・C社と同業会の会社があったとします。しかしそれぞれに給料が違います。業界の中でも上流にあるのが
A社であれば必然的にそこの社員の給料は高くなります。下流の仕事になれば給料が低くなるのも理解して働いているのです。

そしてより上流の仕事に就きたいと考えるのなら我々がとるべき道はひとつです。
より良い仕事を探すという事になります。

「うちの会社は給料低いんだよ」
「評価基準がわからない」
って多くの社会人が言いますが、それは会社に帰属する事を承認した上で所属している方にとっては詭弁でしか無いと言わざるを得ません。
もし自分に能力があり、高い評価を受けられるとしたら、よりステージの高い会社に転職するべきです。

個人的には最近は様々な転職ツールが開発されているので、そういったサービスを利用される事をお勧めしますが、また勤めた会社も恐らく会社に帰属する事を求めるでしょうから、このループに永遠にはまり続ける事になるのです。

さて根本的になぜ日本人の多くは自分以外に矢印を向けるのでしょうか?
簡潔に応えるのなら、承認経験があきらかに少ないという事が言えます。
そういった受容感の低下は、自己肯定感に直結します。

「日本人の若者は自己肯定感が低い」といった事は内閣府が発信する若者白書でも明らかです。
幼少期の体験が成長欲求に繋がるとしたら、その時代に関わる保育園や幼稚園、そして保護者の責任は重大です。
そしてその結果、働く意識にも大きく関わりがあるのです。

そのような前提がある上で、現在の会社等の組織体では何が起こっているのでしょうか?
組織では閉鎖性と誤った親和性が蔓延っております。
優秀な社員を手放さない為の閉鎖性と誤った親和性は結果、優秀では無い社員に大きく影響するようになります。そして、徐々に組織を成長できないものに変化させてしまうのです。
閉鎖性(自分たちが絶対となる)からは以下のような風土が生み出されます。うまくいった成功体験をいつまでも引きずる風土、長老者が絶対となる風土などです。
誤った親和性(相性の良い同士がくっつく)からは、自らの文化を形成し他(人)を認めない風土、他の顔色をうかがう風土などです。
このような結果、組織は社員が成長しないと嘆くのです。

では皆さんの組織ではどうするのか?って事が重要ですよね。
問題意識だけお伝えしていると、それこそ概念でしかお伝えしておりませんので心苦しいのですが、もう少しこのような内容にお付き合い下さい。

(右腕の育て方4へ続く)
・次回以降のテーマ
『突然変異はある日突然に!?』
『待つか?育てるか?』


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R43コースの特徴は、それこそ会社全体を見回せるスキルの構成となっており、幹部候補にとっても必須の内容になっております。

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・予定調和じゃ無い方のPDCA力
・非認知的アプローチから入るコーチング力
・笑顔がもたらす効果コミュニケーション力

受講にあたっては各自の選択制(年齢が20代だから、R43は受講できないといった事ではありません)となっており、先んじて学びを深めたい、今更聞けない事だから、といった様々な動機にお答えする内容となっております。

ちなみに、R〇〇のとなりは年齢をイメージしておりますが、例えば、R43は43歳以上の人は受けられないという事はありませんし、大卒1年目の方でもR43を受講する事は可能です。

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右腕の育て方《そもそも何を持って、良い右腕と定義していますか?》

2022-03-30 10:44:59 | 組織風土
右腕の育て方《そもそも何を持って、良い右腕と定義していますか?》

さて、本日のブログは右腕の定義について考えて行きたいと思います。
日本の歴史に限定してその人物像に迫ってみたいと思います。

『稀代の名プロデューサー』と言えば思い浮かぶ人は誰でしょうか?
歴史好きであれば、この人の名前を聞いた事がある方は多いと思います。
その名も黒田官兵衛です。
官兵衛の偉業は凄まじいのですが、その人誰?って声も聞こえて来ますので、黒田官兵衛について説明しますね。
ちなみに、NHKの大河で2014年に取り上げられましたね。
軍師官兵衛の主人公が黒田官兵衛です。

黒田官兵衛は備前の国の生まれです。今の岡山県です。
岡山県は小寺氏が納める地域でしたが戦国時代においては大国に挟まれ、その庇護の元に国を維持している状態でした。
そこに織田信長の登場です。
彼が毛利攻めを進める中で、「これからは織田信長の時代」と主君である小寺氏を説得し、織田家への使者として出向く事で彼の運命も大きく変わります。
それは羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)との出会いでした。
両家の使者としてお互いに交流を深めるうちに、幽閉された有岡城救出後に秀吉の直臣になります。
その後、織田信長が明智光秀によって起こされた本能寺の変で亡くなるのですが、その時官兵衛は37歳と働き盛りです。
信長が亡くなり落胆する秀吉に今後の天下取りを進言し、自らがその先頭に立ち主導し始め、秀吉の実弟である小一郎が亡くなると、まずます官兵衛を重用する秀吉でした。
そんな官兵衛も朝鮮出兵あたりから、秀吉との関係が悪くなってきます。
その際に隠居し黒田如水を名乗り秀吉からのさらなる追求はかわす事が出来ました。
秀吉死後は豊臣家から一定の距離を保ち、関ヶ原の戦いにおいては徳川家康率いる西軍に与し領地である九州でひと暴れをしています。
このように終生戦いの中で生きて来た黒田官兵衛ですが、大きな功績は戦国の世の中に終止符を打つ布石を打ったという事です。
最大の功績は、豊臣秀吉に天下を取らせたという事です。
いつの時代でもトップが誰であるか、どのような人物であるかは重要です。
家柄などを重視せずに有能な人物を抜擢する、信長と同じ考え方である秀吉に天下を取らせる事で、旧態依然の統治の形ではない新しい日本を作る事に大きく貢献していました。
そういった意味で、秀吉に天下を取らせるという『名プロデューサー』は大きな功績を残したのでした。

なぜ黒田官兵衛は参謀として優れていたのでしょうか?
それは兵法に明るかったという事と時代の機微というか流れを読むのがうまかったのだと思います。
秀吉による朝鮮出兵においては、反対をしていた節もあります。
害多くて実りが少ないというのが官兵衛には読めていたのでしょうね。
外国とは共存共栄を目指すべきという考え方は、キリシタン大名となった事でも明白だったと思います。

誰もが一国一城の主を目指していた時代で、日本の統治など考える事が無かった時代に織田信長と豊臣秀吉という当時としては大変珍しい考え方の人物に仕え、彼らの偉業のいったんを担う事で、彼も目指していたであろう新たな日本の姿を実現していったのでした。

このように自分でも未来図を描き、その考え方を上司に見せる事で強力を引き出す事に長ける人物は現代でもいると思います。
そのような人物は稀代の名プロデューサー黒田官兵衛型と言えるのでしょうね。

さて同様に戦国時代に別な人物ですが、右腕として大きな功績を残した人物がいます。
しかしこの人物は残念ながら歴史の教科書には出て来ません。
その名も島清興(通称島左近)です。
聞いた事があるという方はかなり歴史通と言えます。
この人物は、今の奈良県をあたりを治めていた筒井家に仕えていました。
武勇にも秀でていたことから、じょじょに取り立てられ、重臣へと地位を高めました。
清廉潔白な人物だったようですが、自分の考えを貫きとおす様な一面もあり結果、筒井家を出奔します。しかし島左近は人気があり多くの戦国大名から出仕の要請がありましたが、そのどれも断っていました。そのような中、豊臣家で頭角を現し始めた石田三成に誘われる事になります。しかもその誘い方に凄い逸話があります。当時4万石だった石田三成の棒禄のうち、半分の2万石で召し抱えたというのです。
これは破格級の破格です。
一気に大名格として受け入れられると共に石田三成は自分の給料の半分を差し出して配下に加えたのでした。石田三成も一門ならぬ人物ですが、その一端が垣間見れるエピソードです。
その島左近ですが、自分の功は全て主君のものと考えていました。ですから仕えた人の為に全力で奉仕しています。石田三成な中央政権の幹部なので必然的に島左近が矢面に立つことが多くなりますが、石田家内においても三成をしっかりと支えたいたようです。
島左近ほどの人物が命をささげたのが石田三成でしたが、石田三成の後世の評判が悪いので(時の為政者によって自分たちの立場を確固たるものにするために悪役が必要です)、あまり島左近の評価も高くないですが、私は違うと見ています。とても優秀な武将であったと思っています。最後には、徳川家打倒に命をかけますが、その願いは果たせずに散りました。
島左近は忠臣としてその名を残しましたが、このようなタイプの社員さんも沢山いらっしゃるのではないかと思っています。

最後の右腕の定義ですが、日露戦争においてロシアのバルチック艦隊を壊滅に追いやった秋山真之を例にとり見て行こうと思います。
当時の日本の連合艦隊司令官は東郷平八郎でした。
この海戦に完勝したことによって、アドミラル・トーゴーの名は世界中に喧伝され、イギリスの名将ネルソンと並んで東郷平八郎は海戦の歴史を語るうえで欠かすことのできない英雄になりました。しかし歴史の影に隠れていますが、日露戦争におけるバルチック艦隊撃破の実際の作戦を立案指導したのは、一参謀だった秋山真之だったのです。ある意味、秋山がいれば、誰が提督であっても勝てたとさえ言われているほどの大戦略家です。

当時ロシア帝国のバルチック艦隊は世界最強と言われていました。そのバルチック艦隊をやっつけたのですから、日本の戦力を他国は恐れました。世界の強国に名乗りを上げる機会になったといっても過言ではありません。

さて秋山真之はどのような戦法を考えたのでしょうか?
それは今までの海上戦の常識を逸脱する策だったのです。
通常、戦いは最小限の被害にとどめながら、かつ大胆に攻めるのが基本です。
しかし、秋山真之はその戦い方を違う目線から考え、ある意味肉を切らせて骨を断つという〈丁字〉に艦隊を配置し、最初の敵の猛攻を防げれば、各戦艦に一気に集中砲火を浴びせる戦い方を考えたのでした。
この戦い方は日本に大勝利をもたらしました。

このように完全な作戦参謀としての立ち位置で組織に貢献する秋山真之のようなタイプもいるのです。

※彩りプロジェクトはウクライナ戦争の即時停戦と復興を切に願っております。

以上、歴史上の3人の右腕を見て来ました。
皆さんの会社の右腕はどのようなタイプの方がふさわしいでしょうか?

恐らくその定義は、提供したい価値とも連動しているのだと思います。

名刺交換する際に「うちはITソリューションを提供しています」とおっしゃって名刺を下さる方がいらっしゃいます。
しかし、これでは提供する価値を伝えていません。「うちは電機量販店をやっています」も提供する価値を言っていません。
概念だけを伝えているという事です。

もっと自社が提供している価値について普段から社員と話さないと外部の人との名刺交換の際にチャンスを逃すかもしれません。

右腕に求められる動きは以下の内容です。
① 情報を集める
② 情報を分析する
③ 分析から問題点を抽出する
④ 問題点を考え、解決策(仮説)を用意する
⑤ 複数の解決策を用意する
⑥ 決断する

そして、それらの行動をとる為に求められる能力は以下の通りです。
冷静、熱心、アイデア、人気、客観性、論理的、先鋭的、未来予想、タイミング、時を刻む、時計を作る、イノベーティブ、独善的、孤独、自分、根拠、脇役、主役、脚本家、プロデューサー、ゼネラリスト、起業家精神、コミュニケーション、聞き手、ディベート、

皆さんの会社でも右腕に関する条件を考えて見ませんか?


(右腕の育て方3へ続く)
・次回以降のテーマ
『なぜ社員は成長する事をやめているのか?』
『突然変異はある日突然に!?』



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彩りプロジェクトでは、ビジネススキルに特化した、オンラインセミナーをサブスクリプション制(定額制)でご案内しております。
毎月定額(基本価格12,000円(税込み)※企業規模(パート社員含む社員数)で価格は変動します)をお支払いいただく事で、何人でも何回でもご参加いただけるビジネスセミナーを開催しております。(別途カレンダー参照)

内容は、多岐に渡るものの、求められている役割毎に設定した内容となっています。
基本的なコースは、R29コースで、PDCA、コミュニケーション、情報収集、イノベーション、ファシリテート、コーチング、意思を伝える、フォロワーシップ、チームワーク、マネジメント、報告・連絡・相談、ビジネスマナーの12種類(2020年11月現在)となっております。

R35コースで、PDCA、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、ファシリテート、チームビルディング、イノベーションの9種類でR29コースよりも上級編の内容となっております。

最後に、R43コースが最上位クラスで設定されており、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、イノベーションの6種類となっております。

R29コースの特徴は、まずは個人にフォーカスしています。今更聞けないといった内容を中心に構成されており、現在の課題克服の為、またはこれから身に付けなくてはならないスキルとなっています。
R35コースの特徴は、視座を高くした構成で専門的な役職要件に応じた内容で構成されております。そして指導する立場になったあなたが身に着けるべきスキル集になっています。
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受講にあたっては各自の選択制(年齢が20代だから、R43は受講できないといった事ではありません)となっており、先んじて学びを深めたい、今更聞けない事だから、といった様々な動機にお答えする内容となっております。

ちなみに、R〇〇のとなりは年齢をイメージしておりますが、例えば、R43は43歳以上の人は受けられないという事はありませんし、大卒1年目の方でもR43を受講する事は可能です。

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詳しい、資料のご請求や、ご質問等は以下にメールをお待ちしております。

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風土改革のお問合せ先 https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/

成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣
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右腕の育て方《経営的な右腕と運営的な右腕は違います!》

2022-03-18 11:51:40 | 組織風土
右腕の育て方
1.経営的な右腕と運営的な右腕は違います!

様々な企業では社長の右腕と言われる人がいらっしゃいます。
彼ら彼女らは、違う言い方をすれば番頭さんと呼ばれたり、愛着を持って影の社長なんて呼ばれる事もあります。
この度、右腕の育て方に着目して解説しようと思ったきっかけは、「どうすれば私の右腕が育てられるの?」についてある社長さんから質問をいただいたのがきっかけです。そういえば、私もサラリーマン時代に参謀なる役割を担っていた事がある為に自分の実体験を交えこの度お話させていただく事にしました。
あくまで私の主観での内容になりますので、そうじゃないと言わないでオープンな姿勢で見ていただけたら幸いです。
よろしくお願いします。

さて、社長やリーダーの右腕と言っても、皆さんと定義づけするところから始めないと混乱すると思いますので、そこから始めたいと思います。

まず右腕には、経営的な存在と運営的な存在がいるという事です。
その2通りの右腕像は以下の通りです。

《経営的な右腕のイメージ(経営者)》
経営資源(人・モノ・金・時間(タイミング)・コト)の権限を持ち、適切なリーダーシップを発揮する。事業計画に基づき適切なフォロー(様々な提案)及び決定を行うことが出来る。

《運営的な右腕のイメージ(マネージャー)》
経営資源(人・モノ・コト)の権限を持ち、決定権者の良き理解者としての資質を持ち合わせる。事業計画に基づき適切なリーダーシップを発揮する。

両者同じような内容ですが、全く違います。
まず干渉する範疇が違います。
経営資源で言えば、人とモノとコトに関する権限は一緒ですが、金と時間(タイミング)は経営的な右腕にしかありません。
これはなぜと申しますと、金に関しては運営的な右腕から外した方がより運営に注力できるからです。運営的な右腕に金の権限を持たせると部下に対してもそのような目線からの話が多くなりすぎる為に、共感的に関わる事が難しくなってしまうからです。つまり、金でどうにもならない事は理屈では理解できますが、運営的な右腕が協力者として必要な従業員とドライな関係に陥ってしまう事があるからです。多くの従業員は共感的に関わって欲しいと思っています。理屈で丸め込まれるような印象は従業員の心を離れさせる要因になるから、運営的な右腕としては避けたい所なのです。以上の理由から、金に関する権限は外します。
時間(タイミング)に関しては、運営的な右腕の場合、中長期的ビジョンに立つことがなかなか出来ません。その場その場の判断が最重要視されますので、時間の裁量権についても経営的な右腕に付託したほうが組織としてうまく行くという理由です。

そしてリーダーシップについても皆さんと定義づけしておかなければなりません。
リーダーシップは、【他人をより良い未来に導く事】と定義します。
もう少しリーダーシップについて考えて見ましょう。
今回はリーダーシップとマネジメントを持ち出して関係性などからリーダーシップについて解説します。
マネジメントの定義は【管理】です。
では何を管理するのでしょうか?
部下の仕事を管理するというのが一般的ですが、もう少し丁寧に説明するとしたら、マネジメントはボトムライン(最終的な結果)にフォーカスすることだと言えます。
つまり、目標を達成するための手段を考えるのがマネジメントの真骨頂であると言えます。
さてリーダーシップはどのような場面で必要かと言えば、トップライン(目標)にフォーカスし、何を達成したいのかを考える際に必要になるのです。
つまり、成功の梯子(はしご)を効率的にかけてうまく登れるようにするのがマネジメントであり、梯子がかかっているかどうかを確認及びどうかけるかを判断するのがリーダーシップという事になります。
以上の事からも、マネジメントは科学的に仮説が立てられるのに対して、リーダーシップは、その知的能力により多岐に渡るため、ステークホルダーが多くなればなるほど、同意が得られず、仮説が立てづらいモノとなっています。

組織を動かすには、リーダーシップとマネジメントの両方が必要です。
しかし、その性質は同じようで全く別物です。
リーダーシップはビルドアップ式なので現在起点ですが、マネジメントはバックキャスト式なので未来起点です。
この点からも性質が違うのをご理解いただけると思いますが、往々にして各組織では取り組みやすさからマネジメントに注力するきらいがあります。
まず頭の中で創造され、次に実際にかたちあるものとして創造されるという事で、我々は常に2回の創造を経て行動しているのですが、そのルールに準ずれば、マネジメントだけでは片手落ちとなるのです。
しかも、そのマネジメントは他所から持ち込んだものがほとんどです。
自らの知的創造であるリーダーシップを経て、獲得された物的創造のマネジメントではないものは自社で活用できるでしょうか?

私は知的創造を妄想力と言い換えます。
リーダーシップを育むには、この知的創造に取り組む必要があります。
しかし、我々は自らの育ちの中で、この妄想するという能力を退化させてしまいました。
妄想はあまりに相手の常識から逸脱すると否定されて来たからです。
しかしリーダーシップが組織に必要である以上、我々は妄想力を取り戻さなければなりません。
組織でその妄想する力を取り戻す取り組みを行えない限り、『ゴールを思い描くことから始める』を実現するマネジメントを実践するのはとても困難であると言えるのです。

このようにリーダーシップを獲得する事は、マネジメントにも大いに関係性があります。

それらをご理解いただいた上で、右腕の育て方について解説を始めて行きたいと思います。
お楽しみになさって下さい。

(右腕の育て方2へ続く)
・次回以降のテーマ
『そもそも何を持って、良い右腕と定義していますか?』
『なぜ社員は成長する事をやめているのか?』




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内容は、多岐に渡るものの、求められている役割毎に設定した内容となっています。
基本的なコースは、R29コースで、PDCA、コミュニケーション、情報収集、イノベーション、ファシリテート、コーチング、意思を伝える、フォロワーシップ、チームワーク、マネジメント、報告・連絡・相談、ビジネスマナーの12種類(2020年11月現在)となっております。

R35コースで、PDCA、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、ファシリテート、チームビルディング、イノベーションの9種類でR29コースよりも上級編の内容となっております。

最後に、R43コースが最上位クラスで設定されており、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、イノベーションの6種類となっております。

R29コースの特徴は、まずは個人にフォーカスしています。今更聞けないといった内容を中心に構成されており、現在の課題克服の為、またはこれから身に付けなくてはならないスキルとなっています。
R35コースの特徴は、視座を高くした構成で専門的な役職要件に応じた内容で構成されております。そして指導する立場になったあなたが身に着けるべきスキル集になっています。
R43コースの特徴は、それこそ会社全体を見回せるスキルの構成となっており、幹部候補にとっても必須の内容になっております。

セミナー名の一部をご紹介します。
・パラダイムシフトが必要なあなたのマネジメント力
・影響力から見るあなたのチームワーク力
・求められているそれを知り意見を伝える力
・創再共イノベーション力
・予定調和じゃ無い方のPDCA力
・非認知的アプローチから入るコーチング力
・笑顔がもたらす効果コミュニケーション力

受講にあたっては各自の選択制(年齢が20代だから、R43は受講できないといった事ではありません)となっており、先んじて学びを深めたい、今更聞けない事だから、といった様々な動機にお答えする内容となっております。

ちなみに、R〇〇のとなりは年齢をイメージしておりますが、例えば、R43は43歳以上の人は受けられないという事はありませんし、大卒1年目の方でもR43を受講する事は可能です。

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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣

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