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マーケティング研究 他社事例 404 「学童保育の不足が顕著に」 ~商機と捉えた大手学習塾の取り組み~

2019-09-05 09:16:40 | ビジネス
マーケティング研究 他社事例 404 「学童保育の不足が顕著に」 ~商機と捉えた大手学習塾の取り組み~


厚生労働省によると、共働きなどで日中に保護者がいない小学生を児童館や学校などで預かる学童保育の登録児童数は、2018年5月1日で123万4366人とその5年前に比べ4割程多くなっているのが現状です。

「保育園落ちた日本死ね」というブログの書き込みが国会で取り上げられたのは3年前です。

当時の子供たちがそのまま年齢があがって来た訳ですから、当然の結果であると思います。

施設が追い付かず、1万7279人が希望するも入れない「学童難民」になっているのが現状です。

保育園など未就学児の施設は補助金の充実で増えて、2018年4月1日の待機児童数は前年比24%減って2万人を割りました。

取り残されたのが学童対策で、待機児童数が保育園の水準に近づいたと言えます。

放置すれば経済成長の阻害要因にもなると認識され、安倍首相も年明けの施設方針演説で対策に乗り出すと表明がありました。

学童保育は自治体の直営や委託運営が多いのですが、予算措置を伴いながらの拡大には限界があります。

動きが活発なのが独自の預かりサービスを展開する民間で、学習塾を中心に本腰を入れ始めています。

「明光義塾」を運営する明光ネットワークジャパンは首都圏で「明光キッズ」を15教室展開していますが、4月からは京急グループとも連携して、事業を広げています。

神奈川県で学習塾を約150教室展開するステップは2016年度に学童保育を始めました。

週5日利用の基本料金は小1で月4万円で、利用児童は当初の20人から140人に増えています。

現状では、都心の大手に加え2016年、2017年を境に地方の学習塾チェーンが学童保育の運営を次々に初めているのです。

塾にとっては将来の顧客と早期に接触できる利点もあります。

教育春秋社は学童保育「めいけいキッズ」でネーティブ講師による英語教室などを設けています。

「学童保育利用者の約半数が当社が運営する塾の中学受験コースに進む」と担当者は言います。

学習塾の学童保育参入は今後確実に増えていきそうです。

費用面では公立学童の多くが月1万円以下ですが、民間は総じて高額です。

それでも保護者の支持を集める理由は、学習中心という特徴に加え、きめ細かいサービスにもあるようです。

「夏休み期間中の昼食サービスがうれしい」

そんな声も聞こえて来ます。

公立はおやつしか出ない場合が多いのですが、民間学童は追加料金を支払えば食事も提供してくれるといったサービスもあります。

他には、預かり時間も長く、別の習い事の送迎もしてくれるといったものもあります。

週5回利用し、月に10万円程かかっている利用者もいるという事です。

しかし、費用対効果は高く、利用者のほとんどは満足しているようです。

既存事業と親和性が高いとみた業種の参入も相次ぎフィットネスクラブのディップネスは学童の一環でプロ講師によるスイミングやチアダンス教室を設けています。

三菱レジデンスは、国分寺市で学童保育施設付きマンションを開発しましたが、494戸のうち40人ほどが通っているそうです。

民間参入は期待が大きいですが今後の広がりによっては優秀な指導員の確保が難しくなると懸念されています。

民間ゆえに採算が取れなければ閉鎖する可能性もあります。

民間の力を活用しながらも公共性を備えているという何らかの担保が欠かせなくなりそうですね。



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