2011年2月27日に京都南禅寺山門「順正」で開催された「渓流魚を語りあう会」での桑原雅之氏(県立琵琶湖博物館専門学芸員)のクニマス講演で配布された資料から少し引用させてもらいます。
1.クニマスが生存していて1939年に田沢湖にてのクニマス漁の映像が流されたたといわれるこの田沢湖は、秋田県仙北市(旧の仙北郡田沢湖町と西木村)にあり、25.8キロm2の面積があり、周囲20キロm、最大水深が423.4m平均水深280mで、貯水量2.2km3。
在来魚として、スナヤツメ・イワナ・サクラマス・クニマス・クチグロマス・アユ・ウグイ・エゾウグイ・コイ・ギンブナ・タナゴの類・ナマズの類、移入魚として、ヒメマス・ビワマス・ニジマス・ワカサギ等
2.クニマスの特徴は、全長が30センチ、最大40センチまでで、色はほぼ黒色で斑紋は殆ど無い、皮膚は分厚くヌルヌルしている、肉質は白色で油気が少ない。
3.生態、産卵期は2月頃(2月前後と9月前後)記録などから年中成熟魚が見られる2月前後と9月にピークがあったものと思われる。
産卵場所すべて湖内の砂礫底で産卵、9月ごろには水深105から225m、そして2月ごろは40から50m(浅くても15m以深)、水温は3.8度から4.5度で、食性は、草根、ミジンコ、類、藻類など。
4.クニマスの再発見について(桑原私見)
*本来の生息地である田沢湖では絶滅している事から、今回西湖で発見されたものが間違いなくクニマスであったとしても、種としては野生絶滅となる。
*田沢湖と西湖では環境が大きく異なり、田沢湖で成り立っていたクニマスとヒメマスの生殖隔離が西湖でもなりたっているかどうか分からない。
*今回調査されたのが3個体(聞いてる限り)ということであり、純粋なクニマスが生き残っていると、断定するのは時期尚早ではないか。
*西湖とそれに関するヒメマス類の詳細な調査を進める必要がある。
幻のクニマスについては先の中坊徹次氏(京都大学総合博物館教授)の話と今回の桑原雅之氏(県立琵琶湖博物館専門学芸員)の話を書かせてもらいました。
絶滅してから70年とか云われる魚の神秘、どうなんでしょうね興味がありますね。