夏頃鮒(げごろぶな)
ヘラブナは琵琶湖・湖北原産のゲンゴロウブナをより体高のある魚に 仕立てたものとされます。
さて、そのゲンゴロウの名前ですが、民話のような説が数々ある一 方、江戸時代の文献に「琵琶湖で、夏(げ)の頃に多く出現する夏頃鮒(げごろぶな)が極めて上等、後に源五郎鮒になった」などの記述も。
またゲンも、ゴロウも黒を意味する、よって「黒いフナ」である、の説 も。清水にすむゲンゴロウという昆虫も、やっぱり黒いですね。
ヘラブナはそんなに黒くないよ、と言うご意見もありましょうが、湖北の余呉湖に住む「テリブナ」という頭でっかちのフナを夏場に釣った ことがあります。黒く群れをなして水面に渦巻くのも見ました。顔つき はヘラブナそっくり。
強い引きもヘラ同様。
案外ルーツはこのテリブナ(日照りに現れる)かも、と想像していま す。夏頃現れる…にも符号するではありませんか。歓迎です!楽しい諸 説ふんぷん…。
(八木禧昌・イラストも)