Episode6 セイゴ釣り
同じころ河口にはセイゴが多くこれは生きた小魚をエサとした。ハゼのような小魚を掬って頭部に針をかけ泳ぎながら釣るのであるが、当時は六尺褌が普通の水着であったから、その褌に糸の端をくくって自分が泳ぎながら釣るのである。生き餌の泳がせ釣りである。
ところが糸がもつれたりする場合があり一緒に泳ぎ釣りをしていた友達と相談し、二人ともスッポンポンになり一物に糸を括りつけて泳ぎ釣りを始めた。しばらく泳いだところで私が「痛い!」というとほぼ同時に友達も「痛い!」と叫んだ。同時に魚が喰いつき引っ張られて叫んだのである。しかし間もなく二人ともポンと引き抜かれて仕掛けもろとも持っていかれた。陸に上がってからこのやり方は今一やなあと言い合ったものである。
それから本格的にハネ釣を始めるまで数十年が経っていた。
Episode7 アイゴ釣り
中学生のころアイゴ釣りがブームになったことがあった。
酒粕を刺しえさにして釣るのであるが、これがなかなか難しく殆どいい思いをしたという記憶がない。いつも同級生に釣り負けていた。ウキ釣りが始まった頃だったと記憶しているが、なかなか難しい釣りというか苦手な釣りだった。アイゴの一夜干しには遠く、その釣りのセンスのなさが今も続いている気がする。