
『のぼうの城』、何か忍者屋敷みたいな名前ですね



今年売れた一冊の様です。
知人から借りて読んでみましたが…
時は戦国、群雄割拠の時代から統一に向けて進みはじめた頃

秀吉が天下平定をほぼ成し遂げたのですが、唯一秀吉に服従
しなかった北条氏。
小田原評定の結果、籠城策をとる事になるのです

難攻不落の小田原城、上杉謙信や武田信玄の攻撃にも落ちな
かったのがかえって仇になった様ですね。
謙信や信玄に比べて秀吉の実力を低く見ていたのかも知れま
せん


いよいよ秀吉による北条征伐の始まりです

北条攻めにおいて唯一落ちなかった城、それが武州忍城、こ
の物語の舞台となります。
一ヶ月以上も籠城し、二万もの石田三成軍に対し自軍兵五百。
農民兵を合わせて二千の軍勢で三成軍に屈しなかったのです

戦国の歴史上特筆すべき出来事ですね

忍城の当主は成田氏長ですが、主力部隊を引き連れ小田原城
に入っている為、残っている兵はせいぜい五百

城代は長親の父・泰季。
ところが泰季が急逝してしまい急遽長親が城代となるのです

農民にまで『のぼう様』と呼ばれているのがこの物語の主人
公・成田長親。
のぼう様と云うとふんわりとしたイメージですが、何の事は
ない『でくのぼう』のでくを取って申し訳程度に様を着けた
長親のニックネームです

何をやってもうまくできない長親、しかし、だからこそ長親
は領民からも部下からも慕われると云う不思議な性格の持ち
主


この不思議な魅力を持った『でくのぼう』が当主・氏長の命
に結果的に従わず大軍の三成軍に戦いを挑む事になるです

実際にあった話なので何とも痛快。
権威に屈せず己の生き様を通そうとする長親

現代社会にも通じるものがありますね。
久し振りに読み応えのある本に出会った感じがしました

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