盛岡の
停車場を出て
夏休み
映画館には
楽しい行列
キートンと
キャプラとマルクス
兄弟と
ルネ·クレマンは
ナルシソ·イエペス
円山ゴウ
ライムライトは
琥珀色
当て書きされし
志村けんさん
星々を
彩る技術
ハレーション
手には届かず
ひかり焼き付く
映画館(こや)を出て
キリン書房で
出逢ひしは
『松尾食堂』
山本若菜
※ 『松竹大船撮影所前松尾食堂』 中央公論社
中津川
つひにはそそぐ
北上に
一禎啄木
歌碑並び立つ
(FORUM 盛岡 2021年8月12日)
『北海道あいぬ方言語彙集成』吉田巌(小学館)
“と to 沼,湖”
“「あとがき」 元帯広市図書館長 田代廣和
1982年5月某日,「館長さんはいますか」と一人の男性が図書館に入ってきた。ベージュのブレザーにノーネクタイといういでたち。事務所で職員と雑談していた小生が,「私ですが……」と立ち上がる。その男性は「私,梅原といいます」。私は「どちらの梅原さんですか」。差し出された名刺をみて仰天した。京都市立芸術大学学長・梅原猛とある。”
『兄のトランク』宮澤清六(筑摩書房)
“若しも君が、夕方岩手公園のグランドの上の、高い石垣の上に立つて、アークライトの光の下で、青く暮れて行く山々や、川藻でかざられた中津川の方をながめたなら、ほんたうの盛岡の美しい早春がわかるだらう。”
“私がまだ四歳くらいで明治四十年のころのことです。はじめて兄と一しょに活動写真を見にいったのは、花巻の朝日座という芝居小屋でした。”