FMシアター『歌をなくした夏』 ②
今のNHKの朝の連続テレビ小説は、その前後にアナウンサーたちがドラマの感想などを言い合って番組と番組を繋げている。しかし昔はそういうことはなく、松平アナウンサーのような人が、ドラマが終わり画面が切り替わった一秒くらいの間を無言で、しかも目だけの芸で、「いまのドラマは面白かったですね、フム、ではニュースへ参りましょう」という感じの円熟した伝統芸のような繋ぎをしていたことを思い出す。
なぜこんなことを言うかというと、偶々『舞いあがれ!』を観ていたときの場面で、歌人の梅津貴司の師匠のような詩人の八木巌がパリで、欠けたグラスを使っているのを見て、若い男性アナウンサーはその理由がわからなかったのだ。パリで、屋根裏のような部屋で、欠けたグラスで水を飲むのは、お金に余裕がないということの想像もできないのだ。愕然としたがその逆に、今回の『歌をなくした夏』には、図書館が無料で利用できることを知らない10歳の少女が出てくる。それを知る術もない大きな層がいることに目を向けてくれる脚本の桑原さんの視線は、限りなく優しい。
今のNHKの朝の連続テレビ小説は、その前後にアナウンサーたちがドラマの感想などを言い合って番組と番組を繋げている。しかし昔はそういうことはなく、松平アナウンサーのような人が、ドラマが終わり画面が切り替わった一秒くらいの間を無言で、しかも目だけの芸で、「いまのドラマは面白かったですね、フム、ではニュースへ参りましょう」という感じの円熟した伝統芸のような繋ぎをしていたことを思い出す。
なぜこんなことを言うかというと、偶々『舞いあがれ!』を観ていたときの場面で、歌人の梅津貴司の師匠のような詩人の八木巌がパリで、欠けたグラスを使っているのを見て、若い男性アナウンサーはその理由がわからなかったのだ。パリで、屋根裏のような部屋で、欠けたグラスで水を飲むのは、お金に余裕がないということの想像もできないのだ。愕然としたがその逆に、今回の『歌をなくした夏』には、図書館が無料で利用できることを知らない10歳の少女が出てくる。それを知る術もない大きな層がいることに目を向けてくれる脚本の桑原さんの視線は、限りなく優しい。
#舞いあがれ!スピンオフ
— NHK大阪放送局 (@nhk_osaka_JOBK) August 26, 2023
FMシアター
「#歌をなくした夏」
放送をお聴きいただきありがとうございました。
ドラマのなかで秋月史子が詠んだ2首の短歌をご紹介します。
「歌をなくした夏」は9月2日(土)まで
「らじる★らじる」の聞き逃し配信でお楽しみいただけます📻 pic.twitter.com/LxFz9ZMqgA