1970年、大阪の千里で行われた日本万国博覧会「EXPO'70」は、子供だった私にとっては夢の世界でした。当時はよく取り上げられていた「21世紀の世界」を展望したイベントや展示を肌で感じることはできず、只々人波を見に行っただけという記憶でしかありませんが、よくもまああれだけの人が万博を訪れたものだと、今となっては懐かしい記憶です。
53年も前の出来事ですから、既に歴史の1頁になってしまっているのですが、「人類の進歩と調和」に心踊らされた日々でした。この万博への入場者数は、約6,421万人と伝えられており、2010年の上海万博(約7,308万人)に抜かれるまで万博史上最多入場者数を誇っていました。参加したのは、77ヶ国(日本を含む)、4国際機関、1政庁、9州市でした。
参加国名を見ると懐かしいですね。例えば、中華民国(台湾が正式国名で参加した最後の国際博覧会)、ビルマ連邦(現:ミャンマー)、セイロン(現:スリランカ)、南ベトナム、アブダビ首長国(現在はUAEの構成首長国の一つ)、ソビエト連邦、西ドイツ、チェコスロバキア、象牙海岸(現:コートジボワール)、アラブ連合(現:エジプト)、英領香港etc. 今では変わってしまった国名や組織が多く参加していました。当然ですが、当時は国交のなかった中華人民共和国は参加していません。当時の世界情勢もあって、スペインやメキシコ、イスラエル、ポーランド、オーストリアなども不参加でした。
近年、各地で戦争状態の危惧が伝えられますが、世界は当時と変わっていないだけで今が異常だとは言えないということがよく分かります。万博はオリンピック以上に政治が介入しますから、より一層その時期の世相を物語っています。
万博へ行くにあたって小学校から様々な注意事項が伝えられましたが、ほぼ全てが忘却の彼方へ消え去った今、覚えていることはただ一つです。「大阪は都会なのだから、百円札を使ってはいけない。100円硬貨を使わないと馬鹿にされる」という注意事項です(笑) 教師が真顔で言う注意事項とは思えないものですが、当時は生粋の田舎者だった子供にとっては、大阪が海外にも思えたものです。新幹線が岡山まで伸びたのは万博の2年後ですから、まだまだ大阪は遠い世界でした。ちなみに万博へ学校から行った際に持って行けた金銭は 500円でした。500円あれば大抵のものは買えた時代です。アイスクリーム1個が10円でしたからね(笑) 五百円札を100円硬貨に必死で両替して、それを5つ大事に持って行ったのでした。
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/
そして、今思うと現在の吹田市の千里界隈は結構な田舎です。ただ、太陽の塔を今に残すことができたのは、素晴らしいことだと感じています。
要するに、当時では万博は夢と憧れの未来像であり、今とは全く状況が違います。はたして、現代の人々が万博に夢を抱くことができるのでしょうか?
大阪・関西万博 大人入場料、異例の高額・7500円を基本ラインに 警備費増大が影響
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/jocr/region/jocr-raditop-510766
※以下、引用です。
大阪・関西万博(2025年4月13日〜10月13日 184日間)を運営する日本国際博覧会協会が、万博入場券の基本料金を大人7500円(一日券)とする方針を決定した。14日、博覧会協会が大阪市内で理事会を開き、その後の会見で明らかにした。
入場券を開幕後に購入する場合を基本料金とする。基本料金は、18歳以上の「大人」が7000円、12歳以上17歳以下の「中人」が4200円、4歳以上11歳以下の「小人」は1800円で、3歳以下は無料とする。
前売券は価格を割り引き、入場券は電子チケットを用いる計画で、会場までの交通機関などの混雑を回避するため、来場日時は原則、半年前から予約可能とする。
今後、国の判断を踏まえて正式に決定する。博覧会協会は、開幕500日前の2023年11月30日にも前売券の販売を開始したい考えで、入場時期によって段階的に安くなる前売の割引券も設けるという。
例えば、▼平日限定で1回入場できる「平日券」は大人6000円、中人3500円、小人1500円。
▼開幕後2週間以内(2025年4月26日まで)の来場に限定した前売券「開幕券」は大人4000円と、基本料金の約半額(53%)に設定。
▼「1日券」は2024年10月までに購入した場合、平日券と同じ価格になる。
▼開幕から2025年7月18日までの「前期券」は大人5000円、中人3000円、小人1200円。
日本政府が2019年12月に博覧会国際事務局(BIE / 本部・パリ)に提出した登録申請書には、入場券の想定価格を44ドル(当時のレートで約5000円)と記載しており、当初の想定より5割程度高くなった。2005年に開催された愛知万博の入場料は大人4600円で、約6割アップする。2021〜22年のドバイ万博は約3000円だった。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は大人(12歳〜)8600円〜9800円、東京ディズニーランド(TDL・千葉県浦安市)は大人(18歳〜)7900円〜9400円。※USJ、TDLは価格変動制
一時は6000円程度の想定から8000円程度に引き上げる案も出ていたが、大阪府議会から「高額ではないか」との意見が出るなどして、今回の金額提示となった。
大阪・関西万博をめぐっては、運営スタッフの人件費や広報宣伝費、警備費などの運営費として約810億円が見込まれ、当初、大半は入場券収入で賄うとしていた。しかし、物価高騰が続き、2022年7月の安倍晋三元首相銃撃事件や、同年10月の韓国・梨泰院(イテウォン)雑踏事故を受け、警備体制を強化することになり、数百億円単位の運営費の増大は避けられない見通し。
私はディズニーランドにもUSJにも特に魅力を感じません。だから、比較することは正確ではないと思います。価値観は個人で違っていて当然ですし、価値を感じるから出費します。
大事なことが忘れられているままで、関西万博が成果をあげられるのか?
話のネタに行ってみる手はあるかも知れませんが、行くかどうかは分かりませんね。
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