衆院財務金融委員会の海江田万里委員長が、浅川和彦社長になぜ丁半博打に負けたか追及しても無意味

2012年03月28日 00時14分21秒 | 政治
◆株式市場には、「相場のことは相場に聞け」という格言がある。売り買いが激しく交錯する株式市場で、相場がどう動くかを予想しようとしても無駄である。上がるのか下がるのかは、市場が開いてからでないと分からない。そこで相場の基本は、相場の流れに素直に乗ることである。相場の流れに逆らったり、偏見を持って相場を見てはいけない。相場は自分の都合に合わせて動いてはくれないからである。
 個人投資家ばかりでなく、相場のプロでさえも、とかく陥りやすいのが、自分の認識や相場観に反して相場が動いた時に、「必ずそのうち」「まだ大丈夫だ」「相場の方が間違っている」などと意地を張り、ずるずると損勘定を膨らませてしまうことだ。「見切り千両」という格言があるように、「相場」が思惑通りに行かずに、判断を間違ったと感じたときは、損失を最小限度に食い止めるため、直ぐに撤退することが、肝要である。
◆所詮、相場を張る行為は、「丁半博打」だ。相場は、上がった下がったりする。上がるのを「丁」、下がるのを「半」とすれば、どちらに賭けるかは、まさしく、「丁半博打」に他ならない。勝つこともあれば、負けることもある。博打打は、負けようと思って場を張っているわけではない。いつも勝とうとして一生懸命だ。そうでなければ、イカサマ博打となる。このイカサマがバレたときは、身包み剥がされ、フンドシまで取られて、最後は、「簀巻き」にされて、大川に投げ込まれてしまう。これが、博徒の掟であり、宿命でもある。
 しかし、イカサマを張ったわけではなく、「丁半博打」に負けただけならば、本来は、だれからも咎められることはない。博打場の客である旦那衆が大金を叩いて、特定の博徒に賭けて場を任せて負けたとしても、それは、その博徒に描けた旦那衆が、自己責任において、潔く損失を引き受けなくてはならないのである。
◆だから、博徒や旦那衆、あるいは、仲介役が、国会に参考人として呼び出しを受けて、「どうして負けたのだ」と厳しく叱責されて追及されている光景は、何かしら違和感がある。というより、どこか、滑稽だ。それも、呼んだのが、衆院財務金融委員会の海江田万里委員長というから、これが最もおかしい。海江田万里委員長と言えば、本職は経済評論家であり、金融証券界に通じたプロ中のプロのはずだ。相場が、「丁半博打」であることくらいは、当然、熟知している。
 そのプロ中のプロが、野村証券出身の営業のブロであるAIJ投資顧問会社の浅川和彦社長を呼びつけて、「どうして負けたのか」と詰め寄る姿は、変なのである。それは、相場を張れば、勝つこともあれば、負けることもあり、絶対に負けずに、連戦連勝、つまり「常勝」であることは、よほど博打の天才でない限り、あり得ないことである。韓国の俳優ィ・ビョンホンがテレビ映画「オールイン」で演じた主人公は、米国ラスベガのスカジノで大勝して大もうけしたが、普通はこうはいかない。
◆浅川和彦社長が、厚生年金基金から預かった企業年金の運用に失敗したのは、トレーダーたちにひたすら「逆張り」を指示し続けたのが原因だったという。朝日新聞デジタルが8月26日午前9時1分、、「AIJ、相場反転に賭け『逆張り』高リスク取引重ねる」という見出しをつけて、以下のように伝えている。
「AIJ投資顧問(東京都中央区)による年金資産の消失問題で、同社は金融商品の取引市場の相場が下落しているなかで、反転しないと利益を得られない『逆張り』と呼ばれるリスクの高い取引を繰り返していたことが証券取引等監視委員会の調べでわかった。浅川和彦社長は監視委の調べに対し、『損失が膨らみ、早く巻き返そうと思った』と説明しているという。監視委の調べや関係者の話によると、AIJはケイマン諸島に設立したファンドで2002年6月から、投資信託の運用を本格的に始めた。このファンドは昨年3月期までに、1458億円を年金基金から集めていたとされる。AIJは年金基金に対し、日経平均株価などに連動して上下するデリバティブ(金融派生商品)によって、高い収益を上げていると説明していた。しかし実際には、運用開始直後から損失を重ね、その総額は昨年3月期で1092億円にも達した。特に、リーマン・ショック後の10年3月までの1年間に、約500億円の損失を出していた」
 野村証券関係者によれば、浅川和彦社長は、証券営業の一流のブロではあっても、いわゆる「相場師」ではなかったという。旦那衆などを相手に営業をかけて客にする証券営業のブロではあっても、「相場師」 として運用実績を上げる「勝負師」ではなかったということだ。
 浅川和彦社長は、衆院財務金融委員会で「博打をやったつもりはない」と発言しているが、この発言こそ、運用実績を上げる「相場師」でもなく、「勝負師」でもなかったという恐るべき無責任さを証明している。他人の大切な資金を運用するからには、「相場師」でもあり、「勝負師」でなくてはならないのだ。資金運用は、専門のトレーダーやファンド・マネージャーに任せていたのである。
 しかし、任せるとは言っても、口うるさく指示していたと言われており、結局、証券界のガリバーと言われる野村証券の知名度をバックに顧客を信用されて、資金運用の素人が、危険な相場に手を出したのが、災いしたものと思われる。
 こんな素人に資金を預けて、運用を任せてしまった厚生年金基金の役員たちの罪は、極めて重い。それぞれが、個人資産を差し出して、損失を補填すべきである。
 なお、衆院財務金融委員会に参考人として出席した浅川和彦社長の発言などについては、文末の「参考引用」として掲げた毎日新聞の記事を参考にされたい。 
【参考引用】毎日新聞が 3月27日午前11時38分、「<AIJ>浅川社長、運用成績改ざん指示認める 衆院で陳謝」という見出しをつけて、以下のように
配信している。
「AIJ投資顧問による企業年金消失問題で、同社の浅川和彦社長(59)は27日、衆院財務金融委員会に参考人として出席し、運用利回りが虚偽だったことや運用成績の改ざんを自分が指示したことを認めた上で陳謝した。一方で『だますつもりはなかった。(損失を)取り戻せる自信もあった』とし、AIJが得た報酬は約27億円、自身の年収は7000万円などと述べた。【巧みなセールストークの実態は】AIJ委託、『安定運用」信じ リーマン後増加 2月に年金資産の巨額損失が発覚して以降、初めて公の場に姿を見せた浅川社長は冒頭で「年金基金の皆様、受給者の皆様、関係する方々全員におわびしたいと思います」と陳謝した。損失を隠し続けたことについては『水増しの価格は使いたくなかったが、年金資産という重みから、どうしても損した形で返したくなかった』と述べ、解約を申し出た顧客に対しては虚偽の運用利回りで払い戻していたことを認めた。また、AIJの運用成績の改ざんについて『私が指示した』と認めた。その一方で『(損失を)取り返せる気持ちもあった」などと述べながら『はっきり申し上げて最初からだますつもりは全くありませんでした」と明言した。報酬については『管理報酬は45億円で、そこから(関連の)アイティーエム証券に27億円支払っており、私どもが得たのは18億円。それと9年間で募集した手数料が9億2000万円あり、トータル27億円弱だと思う』などと述べた。個人として受け取っていたのは「年収で7000万円弱』などとした。今後の顧客への対応に関しては、冒頭の意見陳述で『こういう形になったが、運用財産を受益者にお返しすることが今考えられることだ』と述べる一方、委員からの質疑で『今は答えられない』とも語った。直近の運用の有無については言葉を濁したが、09年以降の払戻金の総額を「120億円ぐらいだったと思う』とも述べた。一連の問題では、厚生年金基金に旧社会保険庁のOBが多数天下りをしていたことが発覚。同庁OBの石山勲氏が、社保庁人脈を利用したことも問題が拡散した一因とされるが、浅川社長は石山氏について『アイティーエム証券の西村(秀昭)社長の紹介で02年の暮れに知り合った。そういう(人脈を活用して委託を増やす)動機でつきあったわけではない」とそうした見方を否定。石山氏も各地で年金運用の説明会を開催していたことを説明したが『特に人脈がどうこうではなく、意図的にしたことではない』とした。委員会には浅川社長の他に▽アイティーエム証券の西村社長▽各地の厚生年金基金にAIJを紹介したとされる旧社保庁OBで年金コンサルタント会社経営の石山氏▽信託協会会長の野中隆史・みずほ信託銀行社長▽日本証券業協会の前哲夫会長--の4人が参考人として出席。AIJの高橋成子取締役にも招致要請したが、体調不良を理由に欠席している。【川名壮志、青島顕、松本惇】」

本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
野田佳彦首相がソウルで開催の核保安サミットに出席したのを契機に、日本国内での「核テロ」の危険など不穏な情報が噴出している

◆〔特別情報①〕
 韓国ソウルで開催された「第2回核保安サミット」(3月26日~27日)は、「ソウルコミュニケ」を採択して無事閉幕した。だが、日本にある54基の原発が、北朝鮮からミサイル攻撃の格好の標的になっているのをはじめ、「核テロ」の危険に曝されていることなど、この核保安サミットを通じて痛烈に思い知らされた。いつまでも、平和を貪り、平和ボケを続けている余裕はないのだ。

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