碧眼の策士・山崎拓氏は「山本勘助」か「荊軻」か、それともただの「好色男」で終わるのか

2007年01月09日 13時35分12秒 | 政治
◆「風林火山」の主人公、碧眼の軍師・山本勘助を気取っているのか、やはり碧眼の策士で名高い自民党の山崎拓・元防衛庁長官が、北朝鮮を訪問している。米中の了解を得ての訪朝というけれど、何のための訪朝か。はなはだ疑問である。というよりは、時期が悪い。国民が一致団結して、経済制裁に集中していなければならないときに、これではブチ壊しになる。経済制裁の効果を疑う人は少なくないが、効果云々よりも、日本の決然たる姿勢を示す政治的効果の方に意味があることを忘れてはならない。
 日本にとって、金正日総書記がどうなろうと知ったことではない。願わくば、一日も早く「崩壊」して欲しい。山崎訪朝が、金正日体制崩壊を促進するためであったら、歴史的意義がある。反対に「延命」が目的であるならば、由々しき事態である。
◆金正日総書記の焦りと恐怖感は、相当のものであろう。イラクのフセイン元大統領処刑のテレビ映像をおそらくは、わが身の行く末に重ね合わせて見ていたであろう。前門の虎、後門の狼ではないが、アメリカによる空爆、場合によっては、核攻撃、背後からは、味方であるはずの朝鮮人民軍の銃口が「スキあらば」と狙っているからである。
 独裁者の末路は、いつの時代でも哀れである。ヒトラーは自殺、ムッソリーニは大衆に袋叩きにされ最後は、吊るされた。晩年のスターリンはほとんど精神異常で狂い死に同然だった。イランのパーレビ国王は、亡命先のカイロで失意のまま死去、ルーマニアのニコラエ・チャウセスク大統領は夫人とともに市民に銃殺された。フィリピンのマルコス大統領は逃亡先のハワイで病死している。
 独裁者でいまも健在なのは、キューバのカストロ首相くらいである。アメリカに嫌われ続けてきたが、国民の多くからは愛されているようだが、死期は迫っている。これに対して、金正日総書記の「運命」や如何に。
◆山崎拓氏は、運良く金正日総書記に会えたとしたら、何と言い、何をするつもりか興味津々である。自民党の金丸信元副総理は、金日成主席に別荘「妙香山」で「泡踊り」などの濃厚な接待を受けたという。自民党・社会党の訪朝団も似たような接待を受けたであろう。その結果、北朝鮮の悪口も言えず、批判もできなくなった「ミイラ取りがミイラに」されてしまったのである。北朝鮮の外交戦術は、2500年もの年季がかかっている。
だからそこ、訪朝には用心が肝心だった。小泉純一郎前首相が、2度の訪朝とも「日帰り」にしたのはそのためであった。昼食も晩餐も厳に拒否する姿勢を頑なに守った。
◆さて、それにしても山崎拓氏の北朝鮮に滞在する4泊5日という日時は、長すぎないか。金正日総書記に何をされるかわからない。否、「好色男は、もうすでに毒牙にかかってしまっているのか。
折角のチャンスだが、中国戦国時代末期、秦始皇帝暗殺に向かいあえなく殺された刺客「荊軻」の気概は、あるや無しや。
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NHK大河ドラマ「風林火山」が武田信玄の軍師・山本勘助の若き時代をどう描くかに注目したい

2007年01月08日 20時43分11秒 | 演劇・映画
 NHK大河ドラマ「風林火山」が1月7日午後8時から、始まった。第1話なので、山本勘助の「兵法修行時代」を描いている。といっても、山本勘助は実際には、いつ、どこで生まれたのか不明である。三河の出といわれているものの、これも定かではない。この人物の存在自体が、疑われていたのだから、シナリオを書くことそのものが、大変な作業である。若い放浪時代は、すべて想像である。それだけに、脚本家が、どこまで空想にふけってくれるかが、楽しみである。
 韓国ドラマ「チャングム」が、日本の室町時代中期の物語だった。古い記録に「大長今」という一文を見つけて、54話を綴っていたのと比較すると、また面白い。第1話は、山本勘助が、故郷の三河に帰る途中、甲斐の武田軍と駿河の今川軍の争いに巻き込まれる場面から口火が切られている。1467年の応仁の乱から始まった戦国時代の様相を活写しようとしている意気込みは、よく伝わってきた。
山本勘助が武田晴信(後の信玄)に会い、家来に取り立てられたのが、51歳。晴信は、23歳のときだったといわれている。織田信長が舞いながら謡った「敦盛」の一節に「人生50年、下天のうちをくらぶれば、夢幻の如くなり」とあるように、「人生50年」は、文字通り「晩年」、まさに「人生の黄昏時」である。
いまは、「人生100年」といわれる長寿時代であることと比較すると、実に感慨深い。寿命が倍になっているのであるから、山本勘助が現代に生きていれば、100歳になって初めて「仕官」できたことになる。その執念たるや碧眼にして足が悪いという形相に相応しく凄まじい。
定年とか、還暦とか言って、「悠悠自適」とオツに清まして、「珍香も焚かず、屁もひらず」に老後の生活を大過なく過ごす「時間の無駄遣い」が、はなはだ惜しくもなる。
とりあえず、山本勘助が、「孫子の兵法」をどのように学んで行ったのかを、どう描いてくれるかに注目したい。
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民主党の小沢一郎代表の「絶対生活感」が、「幽体総理」安倍首相を打ち負かすときが迫っている

2007年01月07日 16時16分47秒 | 政治
◆「絶対生活感」という新しい造語が、脳裏に浮かんだ。かつて三木武夫元首相が「政治は生活の謂いである」と喝破していた。戦前、衆議院議員に立候補したときから演説していた名言である。このフレーズを使っているのが、民主党の小沢一郎代表である。近著「小沢主義(オザワイズム)」(集英社インターナショナル)のなかで、小沢代表は、「民のかまど」(第2章)題して、「日本書記」に登場する仁徳天皇のエピソードを紹介している。
◆「ある日、仁徳天皇が皇居の高殿に登って四方を眺めると、人々の家からは少しも煙が立ち上がっていないことに気付いた。天皇は『これはきっと、かまどで煮炊きできないほど国民が生活に困っているからに違いない』と考えて、それから三年の間、租税を免除することにした。
税を免除したために朝廷の収入はなくなり、そのために皇居の大殿はぼろぼろになり、あちこちから雨漏りがするほどになった。
しかし、その甲斐あって、三年の後には国中の家から煮炊きの煙が上るようになった。このときに詠んだとされるのが、
高き屋に のぼりて見れば 煙立つ 民のかまどは にぎはひにけり
という歌である。
こうして高殿の上から、あちこちの家のかまどから煙が立っているようすを確認した天皇は皇后にこう語った。
『私は豊かになった。もう心配ないよ』
それを聞いた皇后が、
『皇居がこのように朽ち果て、修理する費用もないというのに、なぜ豊かとおっしゃるのでしょうか。今お聞きしたら、あと三年、さらに無税になさるというお話ではないですか』
と聞き返すと、
『天皇の位は、そもそも人々のために作られたもの。だから、人々が貧しいということはすなわち私が貧しいということであり、人々が豊かであるということはすなわち私が豊かになったということなのだ』
と仁徳天皇は答えた」
◆小沢代表は、続いて、「政治とは生活である」と題して、次のようにまとめている。
「『天皇とは、そもそも人々のために立てられたもの』
 この仁徳天皇の言葉こそ、僕は政治の本質が隠されていると思う」
 まさにこの通りである。この感覚こそ「政治の本質」、すなわち「政治の要諦」であろう。政治の最高目的は、「経世斉民」にあると言われる所以である。この意味で、小沢代表は、「絶対生活感」を持ち、この感覚に基づいて政治を行っている政治家と言える。
◆これに対して、安倍晋三首相からは、「絶対生活感」のカケラさえ感じられない。この現実離れした「幽体総理」を絶賛し、大きな期待を寄せている大物政治家がいる。その人は、中曽根康弘元首相である。読売新聞の1月7日付け朝刊の「1、2面」に掲載されている「地球を読む」という企画記事欄で、中曽根元首相は「新たな日本へ挑戦―安倍首相に望む」と題して、「保守本流 決然と進め」とエールを送っている。中曽根元首相いわく、
「特に指摘したいことは憲法改正である。5年の目標を立てたことについては、その決心と勇気に敬意を表する。自民党は憲法審議会を作り、個別重要問題の再点検のほか、新憲法成立への政治的・戦略的検討も行う由であるが、5年という期間を考えると、早期にこれを実現すべきである」
中曽根元首相はこの日朝、フジテレビの「報道2001」でも同様のことを発言していた。
日本国憲法施行から60年、自民党は結党以来、改憲を党是に掲げてきた政党であるから、何とか実現したいという気持ちはよく分かるが、物事には、順序というものがある。中曽根元首相も、どちらかと言えば、現実離れした「幽体総理」であった。「改憲」を趣味にしてもらっては困る。国民の家から立つ「煙」(いまは湯気?)の具合をよく観察して、「国民生活」の視点から政治を行って欲しい。
7月の参議院議員選挙は、安倍自民党VS小沢民主党の対決となるのだが、「最大の争点」が、「幽体政策」VS「絶対生活感政策」となるのが、次第にはっきりしてきた。民主党の小沢一郎代表の「絶対生活感」が、「幽体総理」安倍首相を打ち負かすときが、確実に迫っている

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安倍首相はすでに「幽体総理」化し、「美しい国」には「虫唾が走る」と厳しい批判の声も

2007年01月06日 12時31分44秒 | 政治
◆兵庫県豊岡市日高町商工会が1月5日開催した賀詞交歓会に出席し、本年初の講演講師を務めさせていただいた。この町が、探検家・植村直巳さんの出身地であり、記念館があることを教えられた。植村さんは、探検中に遭難して、行方不明になった。福田内閣のころ、植村さんが首相官邸を訪れ、安倍晋太郎官房長官に挨拶された。
そのころ、私は福田首相番記者として内閣記者会に属していたので、官房長官室までついて行き、取材した。植村さんに握手していただいたが、いまでもゴツゴツした手の感触を覚えている。残念ながら、植村直巳記念館を見学する時間がなかった。機会があれば、改めて訪問し、植村さんの業績をじっくりたどってみたい。
◆さて、前泊していたホテルで5日朝、テレビを見ていたら、民放の「朝刊ニュースのツボ」という番組で、コメンテーターの作家・若一光司さんが、安倍首相の年頭記者会見について、厳しい批判をしていた。とくに安倍首相が「美しい国元年にしたい」と発言したことについて、「虫唾が走る」とバッサリ切って捨てていたのには、思わずギクッとさせられたが、同感だった。
若一光司さんは、「生活保護を受けている人が100万人、全世帯の3分の1が、無貯金者、勤労者の3分の1が非正規雇用者という状況があるのに、美しい国という抽象的な言葉で、現実から目をそらしている」とズバリ指摘していた。要するに、安倍首相の発言には、「生活感」がちっとも感じられないのである。
◆そればかりではない。安倍首相は「憲法改正」を7月の参議院議員選挙の「争点」にしたいとの決意を表明しているが、これはおかしい。というのは、最大野党の民主党では、「憲法改正」に賛成する議員が多数を占めているからである。反対しているのは、社会民主党と共産党くらいである。両党ともに、いまや「風前の灯火」の惨状である。これでは、「争点」になりようがない。
◆安倍首相は、国民から完全に「遊離」している。中曽根康弘元首相が、小渕恵三元首相のことを「真空総理」(文藝春秋誌上)と名づけたことがある。中曽根流に言えば、安倍首相は「幽体総理」である。もっと悪く罵るならば、いまや「幽霊」のような総理大臣である。背後から「2匹の悪霊」(森喜朗元首相と青木幹雄参議院自民党幹事長)が取り付かれているのだから、仕方がないのかも知れない。安倍内閣の支持率が、「30%割れ」するのは近い。
こういうときこそ、小沢民主党の出番である。「国民の心」をしっかりつかむ絶好のチャンスだ。「国民生活に密着した小沢民主党」、がんばれ!
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ブッシュ政権の大誤算により中東は「イラン・イラク戦争前夜」に逆戻り、罪のない多くの人々が殺される

2007年01月04日 13時15分16秒 | 政治
◆中東情勢は、新年になって、ますます混迷の度を深めている。イラクのマリキ政権が、フセイン元大統領を急いで絞首刑に処したことにより、シーア派とスンニ派の対立が激化し始めている。読売新聞の1月4日付け朝刊は、「7面」(国際面)の「米、執行前夜まで延期要請」という囲み記事(カイロ=岡本道郎)が「米ブッシュ政権が執行前日の12月29日深夜まで、執行を延期するようマリキ首相に要請したにもかかわらず、・・・」と報じている。マリキ首相が、「武装勢力が元大統領奪還を試みる懸念があるとして拒否」したと言い、マリキ首相の「恐怖感」がうかがわれる。武装勢力が、マリキ首相にテロを仕掛ける可能性は高い。
それ以上に、フセイン元大統領の処刑によりイラクとイランが、「イラン・イラク戦争前夜」の構図に逆戻りしたことにより、「戦火再燃」の危険も高まっている緊迫化した情勢に注意する必要がある。
◆イラクは、国民の65%がシーア派のアラブ人、20%スンニ派クルド人、15%のスンニ派のアラブ人であり、フセインは少数勢力であるスンニ派アラブ人である。この少数派が、政権を掌握できたのは、イランを敵にしていたアメリカの支援があったからである。
アメリカはシーア派が国民の95%を占めるイランで、フランスに亡命していたホメイニ師が1979年に帰国して起こした「イラン・イスラム革命」が、周辺諸国に伝染するのを恐れて、バース党の活動家だったフセイン元大統領を利用した。
◆ここに、アメリカの大きな誤算があった。一つは、ホメイニ師一派は、侵略王朝を築いていた「パーレビ国王」(ロシアから攻めてきたクルド人)を追放し、アメリカとの友好関係を築こうとしていたにもかかわらず、パーレビ国王支援にこだわり続けたことにあった。二つ目は、シーア派が多数のイラン攻撃に、スンニ派のフセイン元大統領を使い、最新鋭の武器を多数与えて、力をつけさせてしまった。三つ目は、イラクの多数派が、イランと同じシーア派であり、イランがイラクシーア派と手を組み、「イラク併合」を志向するかも知れないということを軽視していたことである。
◆中東地域は、砂漠地帯であり、元々、国境があったわけではない。遊牧民が、オアシスを求めて移動する地域である。国境線を引いたのは、欧米列強であった。石油利権を勝手に分割したのである。
イランは、核開発を進めており、ブッシュ政権はイランに対し「悪の枢軸」という避難の言葉を撤回していない。それどころか、本音では攻撃したい。そのイランが、イラクと統一国家をつくり出す動きを始めたらどういうことになるのか。ブッシュ政権は、もう一つ、大誤算を積み重ねることになる危険が濃厚となりつつある。テロから戦乱へ。中東地域での殺戮により、罪もない多くの人々が、殺されることになる。
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NHK大河ドラマ「風林火山」を見ながら「孫子の兵法」を学び、ビジネスに活かそううではないか!

2007年01月03日 16時25分33秒 | 政治
 NHK大河ドラマ「風林火山」が始まる。原作は井上靖が、生誕100年になるので、これを記念して企画されたという。「風林火山」は、中国の武将・孫武の残した戦争マニュアル「孫子の兵法」にある言葉の一つである。戦い方の理想型を示している。
 「孫子の兵法」は、始計篇第一から用間篇第十三の構成である。遣唐使・吉備真備が753年に日本に持って帰った。「敵を知り己を知らば百戦危うからず」という代表的な名言は、有名である。「孫子の兵法」をビジネスに活用している経営者は、少なくない。そのなかで、マイクロソフト社の創業者やソフトバンクの孫正義らは、見事に生かして、大成功している。
中国では最近、「孫子の兵法」を教える専門学院「孫子兵法院」が設立されたと、朝日新聞が伝えている。中国ぱかりでなく日本からも専門家を招いて、ビジネスマンに「孫子の兵法」を商いに活かす方法を教えるのだそうである。
かかる状況の下で、NHK大河ドラマが「風林火山」を一年間放映するのは、「孫子の兵法」を再認識する意味で、本当に時宜を得た企画であると高く評価したい。日本のビジネスマンも負けてはいられない。
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