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増加する専業主婦、独身女性の「ひきこもり」抱える孤独と女性特有の生きづらさ
職場や学校での人間関係や受験・就職活動の失敗、病気などが原因で、学校に行きたくない、働きたくないと、家の外へ出ないひきこもりになってしまう人がいます。
2019年に内閣府が発表した「生活状況に関する調査」による「広義のひきこもり」に該当する人の推計は、40~64歳の総人口4,235万人のうち61.3万人にのぼるとされます。
※(「広義のひきこもりとは「自室からほとんど出ない」「自室からは出るが、家からは出ない」「近所のコンビニなどには出かける」「趣味の用事のときだけ外出する」に当てはまる人で、その状態が6カ月以上続いている人のことを指す。病気である場合や、妊娠、育児、介護、専業主婦・主夫などで6カ月以内に家族以外の人と会話した人を除外。また、在宅ワーカーや自営業者なども除く。ただし、今回調査から「専業主婦・主夫」「家事手伝い」「家事をする、育児をする」人であっても、家族以外との接触が少ない人は含めている)
この「広義のひきこもり」に該当する人のうち、女性の割合は23.4%。男性に比べて少数であるとはいえ、一定数存在しているひきこもり女性たちがそうした状況に陥ってしまう背景には、特に30代以降の独身女性や専業主婦が抱えがちな、女性に特有の生きづらさや孤独といった事情があるようです。 周囲から期待される「女性らしさ」が重圧に
女性に特有のひきこもり原因のひとつとして、社会に出て周囲から求められる「女性らしい振舞いや能力」と自分自身とのギャップに対する苦悩があります。
「社会人になってしばらく経ち、いつまでも仕事のミスが減らない自分自身が嫌いになっていきました。当時の上司は『女性だったらこう出来て当たり前だろう』という言い方をする人で、そのプレッシャーに耐えられずに退職し、次第に外出すること自体が減っていって、家にひきこもるようになってしまいました。」
「昔から、いわゆる『空気の読めない』ところがあったと自覚しています。大人になって、よくある女性同士の褒め合いや同調、共感といった振舞いが上手く出来ないことで人間関係の悩みが増えて、どんどん人付き合いを避けるようになっていきました。」
社会に出ると様々な場面で実感させられる「あるべき女性像」や「女性に求められる役割」のような固定観念が、「私もそうならなくちゃ」という重圧になってしまうのでしょう。そのギャップを埋められない自分自身を「社会不適合者だ」「人付き合いが下手で苦痛だ」と感じて、外の世界を避けるひきこもりになってしまうようです。
「社会人になってしばらく経ち、いつまでも仕事のミスが減らない自分自身が嫌いになっていきました。当時の上司は『女性だったらこう出来て当たり前だろう』という言い方をする人で、そのプレッシャーに耐えられずに退職し、次第に外出すること自体が減っていって、家にひきこもるようになってしまいました。」
「昔から、いわゆる『空気の読めない』ところがあったと自覚しています。大人になって、よくある女性同士の褒め合いや同調、共感といった振舞いが上手く出来ないことで人間関係の悩みが増えて、どんどん人付き合いを避けるようになっていきました。」
社会に出ると様々な場面で実感させられる「あるべき女性像」や「女性に求められる役割」のような固定観念が、「私もそうならなくちゃ」という重圧になってしまうのでしょう。そのギャップを埋められない自分自身を「社会不適合者だ」「人付き合いが下手で苦痛だ」と感じて、外の世界を避けるひきこもりになってしまうようです。
5・30・2020