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どうなってるの? 国立大付属小入試(1) 最後は抽選!? 筑波大附属小体験者に聞いた「お受験」の実態

2025年03月05日 20時03分49秒 | 受験のこと
 
どうなってるの? 国立大付属小入試(1) 最後は抽選!? 筑波大附属小体験者に聞いた「お受験」の実態(朝日新聞EduA) - Yahoo!ニュース 
 
 
 
どうなってるの? 国立大付属小入試(1) 最後は抽選!? 筑波大附属小体験者に聞いた「お受験」の実態
1/14(火) 11:30配信




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朝日新聞EduA
どうなってるの? 首都圏の国立大付属小入試


かつての小学校入試には限られた家庭が挑むイメージがありましたが、首都圏では近年、受験者数が増えています。中でも根強い人気は、学費が安い国立大学の付属小学校。多くの付属小の入学者選考には抽選があり、実力だけでなく、運に左右されます。朝日新聞EduAが首都圏の各校や合格者、塾、文部科学省に取材し、4回にわたって付属小の入試の実情に迫ります。


【抽選による入試を実施している国立大学付属小学校】全国一覧はこちらから


全国に67校ある国立大学付属小学校のうち、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)にある付属小は10校。朝日新聞EduAが取材したところ、千葉大教育学部附属小を除く9校は今年度の選考に抽選を採り入れていました。「最難関」とされる筑波大附属小やお茶の水女子大附属小では、それぞれ3回の選考のうち、初回と最終選考で抽選をしています。


筑波大附属小、1次抽選で6割が落選
筑波大附属小に現在、子どもが通う母親に、抽選がどのように行われたのかを聞きました。


最初の抽選は11月上旬の1次選考でした。学校の講堂へ行くと、受験塾で指導された通り、大半の保護者は紺色のスーツ姿。まだ1次試験なので、それほど緊張した雰囲気ではありませんでした。


講堂の前方にスクリーンがあり、スクリーン上に機械的に数字がパッパッと並びました。スクリーン上の番号と、自分の子どもの受験番号と下2桁が同じなら1次試験に合格です。


2024年度の筑波大附属小のサイトには、「第一次受付番号の下2桁と同じ数字が抽選結果のどれかの数字と一致する場合、当選となります。また、第一次受付番号の下2桁が『00』の場合は抽選結果の中に『100』がある場合、当選となります」と書いてあります。


会場で「合格された方は今後について説明するので、その場にお残りください」というアナウンスが流れたので、2次選考の説明を受けて帰りました。あまりに機械的だったので、これで受かったということでいいのかな?と不安になるぐらい淡々としていました。


筑波大附属小によると、2023年度の受験者数は約3800人で、1次抽選の通過者は約1400人(男女半々)。抽選の結果、2次選考に臨めるのは受験者の4割弱という計算になります。
 
2次選考は図形問題やクマ歩き
2次選考は12月中旬でした。選考は男女別かつ、誕生月ごとに分かれます。公平性を保つため、受験者は氏名のわかるものを一切身に着けることができません。選考中は頭に受験番号が書かれたゴム製の鉢巻のようなものを巻きました。


2次選考は数日間のうち1日を指定されました。長文を聞いて質問に答える「お話の記憶」や数十問の図形問題を解くペーパーテスト。先生の見本を見て、制限時間内に工作や絵画を仕上げる工作テスト。グループに分かれて紙コップを協力して積み上げる行動観察。四つんばいになって、ひじとひざを床につけずに歩くクマ歩きなどの運動テストなどがありました。


2次選考の結果は校内に紙で貼り出されました。合格者の番号が20番ほど飛んでいるのを見て、改めて厳しい選考だったんだと感じました。2次を通過した保護者だけが校舎内に入って、3次選考の説明を受けました。


「親のくじ運が子どもの合否を決める」
最終の3次選考試験に残ったのは、男女それぞれ100人ぐらい。定員は男女とも64人のため、そこからさらに抽選で合格者が絞り込まれたといいます。


3次選考の抽選に受験する児童は参加できません。私1人で参加しました。このときは2次選考を突破した後だったので、「自分のせいで結果が決まる」という責任感と緊張感が保護者の間にみなぎっていました。


隣の男性は「骨が折れちゃうんじゃないか」というぐらい、ひざの上で両手を固く握りしめていました。祈っていたのか、震える手を押さえていたのかはわかりません。


抽選は、まず学校側が「公平性を保つために、どなたかお手伝いしてくださる方はいらっしゃいませんか?」と呼びかけて、受験生の保護者数人が手伝いとして壇上に上がりました。その後、抽選器に入った1~101までの番号が書かれたくじを、保護者が順番に引きました。100人全員がくじを引き終わると、抽選器には最後の一つが残ります。この最後のくじを校長先生が引き、校長先生が引いた番号の次の番号から64人目までが合格でした。


校長先生が10番のくじを引いたら、11~74番までが合格。90番なら、91~101番と1~53番までが合格者です。


3次の抽選に来た保護者は、母親より父親が多かったと思います。ずっと子どもに伴走して、一番近くで子どもが頑張る姿を見てきた母親にとって、自分のくじ運が子どもの合否を決めることに心臓が耐えられないのだと思います。せっかく2次選考に受かったのに、親のくじによって3次選考で落ちると「もう人生が終わった」「ここまで子どもが頑張ったのに、私が引き当てられなかった」と責任を感じる親も多いです。抽選に落ちて泣く姿もありました。


この母親に、なぜ最後に再び抽選があると思うかと尋ねました。すると彼女は「2次試験は先生たちが合否を判定します。そこで公平性を保つために、2次選考では少し多めに合格させて最後はくじで選ぶのだと思います」という答えが返ってきました。入学説明会でも、改めて抽選についての説明を受け、学校がいかに公平に審査するかに頭を悩ませている様子が伝わってきたといいます。
 
 
「海外からも授業を請われる先生から、直接学べるのがいい」
国立大の付属小には指定の学区があり、学区内に住所がないと入学できません。中でも、受験する保護者の間で有名なのが「茗荷谷(みょうがだに)3校」。学校からの最寄り駅が、東京メトロ丸ノ内線の茗荷谷駅付近であるお茶の水女子大附属小、筑波大附属小、東京学芸大学附属竹早小学校の3校を指しています。


国立大付属小は1次抽選で落ちると、子どもの実力を見てもらうまでもなく、その学校に通うことができません。そのため、茗荷谷近辺に住み、小学校受験をする家庭は「茗荷谷3校」を併願するのが一般的だといいます。


筑波大附属小に子どもが通う母親も「茗荷谷3校」に願書を出しましたが、お茶の水女子大附属小と竹早小は1次抽選ではずれました。それまでの受験勉強を無駄にしないため、私立小も複数校受けたといいます。受験対策に、どれくらいの時間と費用がかかったのでしょうか。


この母親の子どもは私立小の受験も視野に入れたため、受験塾に入ったのは少し遅めで幼稚園の年中の2月ごろ。塾の内容は細分化されているため、掛け持ちが当たり前だそうです。彼女の子どもの場合は第1志望に向けたペーパー対策の塾、行動観察に向けた塾、体操教室、国立大付属小の専門コースがある塾など、多いときで四つの塾を掛け持ちしました。塾代は個別講習などのオプションを含めると月20万円弱だったといいます。母親は「自然体験や科学実験などを通じて好きなことを見つけて、それを突き詰めていく。小学校受験は、その集大成を見てもらうことだと思います」と話し、自然体験や科学実験などができる幼児教室や、合宿形式の夏期講習にも子どもを参加させたといいます。「国立大付属小だけを受ける家庭は、そこまで費用はかかりません」と話しました。


ただ、筑波大附属小からさらに附属中学・高校に入れる人数は限られています。なぜ、そこまでして筑波大附属小に子どもを入れたかったのでしょうか。この母親は「家から近いし、海外の学校から授業をするために招かれたり、全国の先生のモデルになったりする先生から、直接、授業を受けられます。周りのクラスメートもバランスが取れていて、優秀で優しい人が多い。そういう先生や友だちと学校生活や行事を通じて一生のきずなを築けるところにも魅力を感じました。親の勝手な思いかもしれませんが、より良い選択肢を子どもに与えてあげたいと思いました」と話しました。


藤森かもめ 編集ライター
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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早大教育学部の入試国語めぐり著者が問合せ→回答に猛反発「誠実な対応を」 大学「発信は認識

2025年03月04日 03時03分37秒 | 受験のこと
 重田教授は投稿で、「受験生にとってできるかぎり公正な入試問題と解答を作成するとともに、疑義に答えることは、問題作成の役割を担う大学教員にとって、守るべき最低限の誠実さではないだろうか」と苦言を呈し、「大学側に誠実な対応を改めて求めたい」としている。
 
 
3/15/2022
 
早稲田大学教育学部の入試で出題された国語の問題について、問題文に一部内容が使用された書籍の著者である明治大学の重田園江教授(政治思想)が、自らの問い合わせに説明がなかったことに納得できないと、教養情報サイト「SYNODOS(シノドス)」上で早大に抗議した。  
 
 
早大からは、個別に説明していないなどと回答があったという。重田教授は、大学側には説明責任があると指摘しているが、早大の広報課は、担当部署に確認したうえで「重田教授の発信は認識している」とだけ取材にコメントした。
 
 
 ■学部の解答例は、大手予備校3校と違うケースも  2022年2月19日に行われた教育学部の入試では、国語の第1問で、重田教授の著書『フーコーの風向き-近代国家の系譜学』(2020年)から出題があった。第1問には、問1~8まであり、重田教授は、このうち学部が示した問1~4までの解答例について、3月14日のシノドス投稿で疑義を示した。  
 
3/15/2022
 
「入試国語選択問題の『正解』について――早稲田大学教育学部の説明責任」。こう題して、解答例について問い合わせをした経緯を長文でつづっている。 
 
 それによると、問1については、イロハニホの5つの選択肢のうち、学部は「イ」を正解とした。大手予備校3校は、入試後に「ホ」が正解だとしていた。これに対し、重田教授は、「イ」は正解の1つでありうるが、「ホ」もダメだとはいえないとし、フーコーの論調全体を考えると、「ハ」が正解だとした。問題文だけを考えると、「ホ」が正解だという。  
 
 
問2は、学部も予備校も「ハ」が正解だとし、重田教授も、誤りを除く消去法を使うと同じだと明かした。しかし、難解かつ複雑な概念のため、厳密に言えば、「正解なし」が正しいとし、学部はなぜ「ハ」を正解としたか説明すべきだとした。  
 
問3は、学部は「ニ」を正解とした。消去法を使えば、一部の予備校のように「ハ」が正解になり、「ニ」との違いが不明だとも指摘した。  
 
最後の問4は、学部は「ホ」を正解とし、予備校2校もこれを選んだ。しかし、別の予備校1校が選んだように、重田教授は、消去法を使うと「ニ」が正解だとしている。
 
 
 

納得する人がいるとは思えない回答」

 
 シノドスの投稿によると、重田教授は3月4日、早大の入学センターに対し、こうした点についての説明を求めてメールで問い合わせした。これに対し、大学側からは、9日になって、次のような回答が返信されてきたという。
 
 「ご意見いただきありがとうございました。頂いたご意見に基づき、学部内で検討した結果,いずれの設問についても訂正の必要はないとの結論に至りました。入試問題への問合せについては、個別にお答えはしていませんので回答は差し控えますが、今後の参考にさせていただきます」
 
  一方、この返信について、重田教授は、
 
「納得する人がいるとは思えない回答」だったとし、9日中に改めて問い合わせた。しかし、翌10日にまったく同じ回答が来たため、問い合わせの際に予告したように、シノドス上で今回のことを公表したそうだ。
 
  重田教授は投稿で、「受験生にとってできるかぎり公正な入試問題と解答を作成するとともに、疑義に答えることは、問題作成の役割を担う大学教員にとって、守るべき最低限の誠実さではないだろうか」と苦言を呈し、「大学側に誠実な対応を改めて求めたい」としている。
 
  重田教授の抗議をどう考えるかなどについて、早大の広報課は15日、J-CASTニュースの取材に対し、入試担当部署に確認したとしてこうコメントした。 「明治大学重田教授がウェブ上でご自身の考えを発信したことは認識しています。いただいた質問事項に関して回答はありません」
 
 (J-CASTニュース編集部 野口博之)
 
 
 
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東大の志願者数、過去最少 2次試験前期、法人化以降

2025年02月21日 15時03分33秒 | 受験のこと

東大の志願者数、過去最少 2次試験前期、法人化以降(共同通信) - Yahoo!ニュース 






東大の志願者数、過去最少 2次試験前期、法人化以降
2/12(水) 15:14配信




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共同通信
東京大学本郷キャンパス内にある安田講堂=2023年、東京都文京区(共同通信社ヘリから)


 東大は12日、今月実施する2次試験前期日程の志願者数が2004年の法人化以降で最少となる8421人だったと発表した。昨年より千人ほど減少した。25年度入学者から年間授業料を約10万7千円引き上げることを公表しており、影響について「データを詳細に分析したい」とした。


【一覧】大学入学共通テストの生成AI得点率 東大文1のボーダー超える


 志願者のうち女子は1963人(23.3%)。昨年の志願者数は9432人で、女子は2096人(22.2%)だった。


 大学入学共通テストの成績で2次試験受験者の門前払いをする「二段階選抜」を突破したのは、7503人。今年から二段階選抜を実施する倍率を理科3類以外は変更し、2次試験を受けられる学生の数を絞り込んだ。











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「開成に合格!」

2025年02月20日 09時03分25秒 | 受験のこと


「開成に合格!」中学受験する我が子の成績を発信、特定されるケースも 親の「承認欲求」に弁護士が警鐘
2/26(月) 11:30配信



弁護士ドットコムニュース
都内の試験会場(2022年1月10日、弁護士ドットコムニュース撮影)。Xの投稿風の画像は架空の投稿イメージです(編集部作成


「2月1日AM 熱望校(桜マーク)。持ち偏差値よりプラス5」「2月1日PM お守り校(枯れた花マーク)でした。持ち偏差値よりマイナス10」――。この数年、Xでは我が子の成績や試験結果、日ごろの学習態度などを詳細に記録する親のアカウントが増加している。


【画像】「お父さんがお姉さんを犯して、私が生まれた」過酷な生い立ち


冒頭の投稿の意味は、「(首都圏の中学受験がスタートした初日)2月1日の午前受験で、平均偏差値より5高い第一志望の学校に合格しました」「1日の午後、平均偏差値より10も下の滑り止め校は不合格でした」である。オンラインの合格発表が広がり、合格・不合格のスクショをアップする投稿も珍しくはない。


今年2月、中学受験したばかりの保護者は「生々しい情報に勝るものはないし、自分と同じように他の家庭も悩んでいることを知ることができるので、Xの中受沼にはまっていましたね」と話す。


しかし中には、中には「開成、合格しました」と学校名を出したり、学校名こそ出さないものの前後の投稿から容易に推測できるものもあった。子どもの成績に関するSNSや情報発信に、プライバシー侵害など法的な問題はないのだろうか。実際にXを利用している複数の保護者、教育問題に詳しい弁護士に話を聞いた。


●個人情報全開のアカウントはなぜか父親に多い
「2024S(2024年2月に受験するSAPIX生)」「2026N(2026年2月に受験する日能研生)など、アカウントに子どもの受験年や塾の頭文字をつけた中学受験生の保護者アカウントがXには多数ある。X以外にもブログ、YouTubeで発信する親たちもいる。


公開される情報は、何も合格発表だけではない。高校受験や大学受験に比べて、親の関与が多いとされる中学受験だけに、子どもの偏差値、日々のテスト結果などの詳細な記録が並ぶ。思うように勉強しない我が子に「中受撤退」など厳しい言葉を向けたことも赤裸々に吐露する。


「受験期は受験塾や学校説明会だけでなく、Xでの情報収集も活用していた。匿名ならではの交流のしやすさもあって、精神的にも助けられていた」という先の保護者だが、気になる傾向もあった。


「開成や筑駒が第一志望など高偏差値帯の保護者ほど、志望校や進学先、偏差値を出すことが多いんです。成績がふるわずクラス落ちしたこと、過去問の出来、すべての受験結果を明らかにしていて、野次馬としては面白いんですが、いくら子どもの同意があるのだとしてもまだ11、12歳の小学生です。本当に同意と言えるんでしょうかと心配になります。親の承認欲求が全開だなあと。そうしたアカウントは、母親より父親のほうがなぜか多いように思います」


●実際に親子が特定されたケースも
親子で挑むのが中学受験の特徴の一つと言われる(ダイ / PIXTA)


匿名だったとしても、学校名や成績を書いていけば、特定されるリスクも高まる。都内の有名私立中学に子どもが通う保護者は、受験期から人気を博していた受験ブログの親子を簡単に特定できたと話す。


「その子は御三家志望で、きっと合格するんだろうなと思っていました。ところが御三家はご縁がなかったようで、結局うちの子と同じ学校に入学することになったんです。どんな偏差値で、塾のクラスがどこだったのか。第一志望や併願校も詳細に記録されていたので、実名で掲載される塾の合格体験記と照らし合わせ、親子をすぐ特定できました」


学校で親しくなったママ友にそのブログのことを話すと「ほとんど皆、知っていた」という。今のところ、その保護者と同じクラスになったことはないものの「小学生の時から、その親子のことはブログを通して知っていました。実際に話したことはないのに、成績や親御さんのことをこちらは知っている。不思議な感覚です」。


この保護者によれば、中学受験後も情報発信は継続している。現在のところ、進学先の学校や保護者、同級生について好意的に書いてはいるものの、「いつ何どきディスられるかわからない」と、ハラハラしながらチェックしてしまうそうだ。


しかし、有名人でなくても特定されてしまうケースもある。別の有名私立中に子どもが通う保護者はこう証言する。


「うちの学校に通っている親はXにも複数いるようで、投稿内容から部活やクラスの特定が容易に出来てしまうことも。保護者会でお会いし、ひょっとしたら? と思うこともありました。小学校時代の成績や現在の通塾事情、それに対する親の思いなど赤裸々な投稿を思春期の子どもが見たら怒るでしょうし、他の保護者に自分のことが知られていること自体、子どもは嫌がるのではないでしょうか。そのあたり、親はどう説明しているんですかね」


特定した経験のある保護者たちは「子どもには、特定したアカウントのことは話していない」と口をそろえた。親を介して子どもたちの間で噂になれば、アカウント主の子どもにとって不利益になると考えるからだ。

●「子どもの成績や受験経過は、本来子ども本人の個人情報」
アカウントの中には、妻や子はアカウントの発信内容に同意している、と宣言するものもある。しかし親が子どもに関して情報発信をする際に注意点はないのだろうか。


教育現場と子どもの権利に詳しい高島惇弁護士は、中学受験に限らず「(親が書いた)ブログが契機となって学校内でのいじめに発展したというケースも報告を受けたことがあります。そこまで至らずとも、『自分の私生活が周囲に知れ渡っている』という事実が、社会へ参加することに対する恐怖心という形で子の成育に大きな悪影響を及ぼす可能性もあります」と指摘する。






高島弁護士によれば、親による子に関する情報発信は、「保護者の子に関する情報コントロール権」と「子の自己情報コントロール権」とで権利の衝突が生じる可能性があるという。


「子どもの成績や受験経過については本来子ども本人の個人情報であり、子どもの成績の詳細、受験結果、子の日頃の様子など内容次第では不特定多数の第三者に知られたくないものと考えられます。子の個人情報がむやみに公開される場合には、たとえ親権に服する未成年者であっても、プライバシー権侵害の問題が生じる可能性があります」


不本意な投稿であった場合、未成年の子どもが親に対して削除請求はできるのだろうか。


「インターネット上の権利侵害という観点から検討すると、子本人が法定代理人である親権者から離れて単独で削除請求できるかという問題があります。現在の法律だと特別代理人の選任を要するなど迅速な削除請求を行うことはできませんが、今後社会的な関心がより強まってきた場合には、法整備を検討することも考えられるでしょう」


なお、子どもがSNSやブログでの情報発信をやめて欲しいと明示的に意思を表明したにもかかわらず、その意思に反して親がSNSなどで公表している場合、これは教育虐待とはならないのだろうか。


「その内容や頻度、子の拒絶状況次第では『その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動』として心理的虐待と評価できる可能性は、限定的ながら存在するかもしれません。


ちなみに、児童虐待の防止等に関する法律上においては『教育虐待』という定義は存在しません。現行法にて定められている児童虐待の類型では評価しきれない側面もあるため、今後、児童虐待の一類型として、別途法律上明記する必要性があるのではないと考えています」


●「子との境界線があいまい」な発信も
高島惇弁護士(弁護士ドットコムニュース撮影)


高島弁護士は、「子どもに関する情報発信をするアカウントの全てが問題なのではない」とした上で、次のように警鐘を鳴らす。


「情報発信するアカウントには親の承認欲求がみられることも多いです。承認欲求以外にも、たとえば子への過干渉や家庭的な事情による共依存というケースもあるでしょう。しかし、子との境界線があいまいになってしまい、まるで子のエピソードを自分のエピソードのように受け止めて発信しているというケースも見受けられます。


たとえ未成年であっても『自己の個人情報を親に知られたくない』『自己のプライバシーを勝手に公表されたくない』という意思は保護されるべきとの認識のもと、議論を深めていくべきではないでしょうか」


冒頭の保護者が言うように、貴重な情報源でもあるし、子どもには言えない親の本音を吐露する場も必要だろう。全ての情報発信がNGというわけでは決してない。


ただ、詳細な投稿をする場合、子どもの同意を得ているのか。また、子どもがどこまで理解した上での「同意」と言えるのか。投稿する際には、子どもに不利益が及ばないように情報を制限することや、子どもの求めに応じて速やかに削除するなどの姿勢も必要だ。








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東大、早大でも…激増する“推薦入学者”「お荷物」から「一般入試より優秀」へ10年で評価激変のワケ

2025年02月13日 06時03分41秒 | 受験のこと


東大、早大でも…激増する“推薦入学者”「お荷物」から「一般入試より優秀」へ10年で評価激変のワケ

1/9(月) 14:00配信
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東大卒業式の様子。同大では16年から「推薦入試」が導入された(画像:アフロ)

「総合型選抜で入学する学生は、本当に優秀です。一般入試で入る学生より明らかに目的意識が高いですから。読解力や創造力も豊か。大学に合格することが目標でなく、『入学したらこの分野を専門的に学ぼう』という考えをしっかり持っています」 

【画像】東大、京大、早稲田…推薦入学「驚愕の現場」写真 


都内の有名私大の関係者が語る。 各大学で「推薦入学者」が重宝されている。文部科学省は21年度から名称変更し、高校の成績や課外活動の実績をもとに大学受験する「推薦入試」を「学校推薦型選抜」に。面接や小論文で適性を判断する「AO入試」を「総合型選抜」へ変えた。今回は便宜上、どちらの形式で受験した学生も「推薦入学者」としたい。

21年度の全国公私立大学の入学者のうち「推薦入学者」が50%を超えた。かつては競争の激しい一般入試に比べ容易に合格できるイメージから、「ザル入試」「お荷物」とまで揶揄された「推薦入学者」。評価激変の背景には、どんな事情があるのだろう。大学ジャーナリストの石渡嶺司氏が語る。

 「確かに10年ほど前まで『推薦入学者』は、学力不足を指摘されていました。実際、一部の大学では入学後に授業へついていけずドロップアウトしてしまう学生もいましたから。

簡単な面接だけで、学生を確保しようとする大学が多くあったんです。16年度から東京大学が『推薦入学』を導入すると、『東大の劣化が始まる』『最難関大学も終わったな』と批判を受けたほどでした」(以下、発言は石渡氏)

 ◆応募基準「条件なし」から「評定3.5以上」に 

潮目が変わったのは10年代後半だ。16年に文科省が地方創生のため、都市部の私立大学に対し合格者を定員の1.1倍ほどに制限。19年には学部の新設を規制し、一気に一般入試が難化したのだ。 

「『推薦入学』は夏から秋に行われるため、一般入試を避け早いうちに合格を確保しようと受験生の間で人気が高まったんです。文科省も『推薦入学者』の質を高めようと、小論文で読解力を重視すべきなどと指導。難易度が、どんどん上がっていきました」 

各大学の選考基準も厳しくなった。杏林大学総合政策学部の応募基準は、10年に「条件なし」だったのが22年には「評定平均3.5以上」。早稲田大学社会学部は、同「3.5以上」が「4.0以上」に引き上げられたのだ。

「小論文の内容も、明らかに難しくなっています。例えば以前なら、室町時代の宣教師フランシスコ・ザビエルについて『来日の目的を50字以内で答えなさい』というのが一般的でした。

今は違います。『あなたがザビエルなら来日して布教のために具体的に何をするか、その根拠を600字以内で答えなさい』と問われるんです。知識だけでなく、文章力や創造力も求められます。

 面接も専門化しています。以前は『本当にウチに入る気ある?』という質問に『ハイ』と答えていれば良かった。現在は各学部の研究について意見や感想を求められます。適当な気持ちでは太刀打ちできません。入門書ぐらいは読んでおく必要があるでしょう」

東大法学部の「推薦入学」では、グループディスカッションで次のような趣旨のテーマが課されている。 〈女子学生の比率が20%ほどにとどまっている。学生の多様化を促進するために、どのような施策が必要か。その長所と短所を検討したうえで、具体的な制度設計を提案してください〉 受験生を送り出す高校側も対策に熱心だ。 

「東京の進学校として有名な渋谷学園渋谷では、高校2年で生徒が1万字の論文を書き上げます。テーマは自由です。東大農学部へ『推薦入学』した生徒は動物に興味がありました。檻の前で熊の行動をずっと観察し、動物のストレスと飼育環境の研究について論考をまとめたとか。

 知識の暗記で試験を乗り切る時代は終わりました。今は総合的な思考や判断力が求められています。『推薦入学者』は、大学へ入る前から専門分野を明確にしているんです」 「推薦入学者」は学力が高くないというのは今や昔の話。彼らの評価は年々上がっている。



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