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年金暮らしでは厳しい 定年後の住宅ローン「賢い対策」は

2024年12月13日 00時03分33秒 | お金のこと

年金暮らしでは厳しい 定年後の住宅ローン「賢い対策」は



公開日:2021/05/20 06:00 更新日:2021/05/20 06:00


70歳、75歳など定年退職後に完済するプランで住宅ローンを組んでいる人は結構います。住宅ローンを組む時には可能な限り繰り上げ返済をし、それで不足するなら退職金で一括返済すれば、老後の暮らしは問題ないだろう。そう安易に考えてはいなかったでしょうか。

 定年時には住宅ローンを完済できているはずだったのに、うまくいかず残ってしまった人の多くは、老後資金の準備もうまくできていないことが多いもの。住宅ローンの残債を退職金で完済し、かつ老後資金も退職金があるから何とかなると考えている人もいるほどです。

 退職する時になってから、住宅ローンを完済すると老後資金がなくなるし、老後資金を優先すると老後も住宅ローンの返済を続けなくてはいけないということに気が付きます。このような事態は、できるだけ避けたいものです。



■ライフプラン表を作る

 退職時に住宅ローンが残っている場合、状況により取れる解決策は異なります。まずはライフプラン表などで、住宅ローンを一括返済すると資金はどうなるのか、ローン返済を老後まで継続するとどうなるのか、将来の見通しを立てましょう。

 ライフプラン表の作成は素人には難しいと思う人もいるでしょうが、インターネット上で無料で作成できるソフトがいくつもあります。自分で作るのが不安なら、お金はかかりますがファイナンシャルプランナーに依頼することもできます。まずは自分の将来がどうなるかを知り、改善策を検討しましょう。

 ローンの一部を繰り上げ返済して、毎月の返済負担を軽くする方法もあります。状況によっては住宅を担保に生活資金を借りる「リバースモーゲージ」の利用を検討しましょう。生存中は返済不要、もしくは利息のみの支払いとなり、亡くなった後に住宅を売却して一括返済します。住宅のある地域によっては利用できないこともありますが、老後の生活をカバーするひとつの方法です。

  定年後も働けるということで、住宅ローンを甘く考える人もいるかもしれませんが、収入が少なくなってからの返済は大変です。早めに策を練っておきましょう



  年金暮らしになっても住宅ローンの返済があるのは、かなり厳しいといえます。厚生年金受給者であれば何とかやりくりできるかもしれませんが、国民年金の場合は受給額以上をローン返済に充てなくてはならないケースも出てきます。





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【70歳代】みんな年金だけで生活できている?貯蓄や年金の平均額を「一覧」でチェック!

2024年12月10日 08時03分44秒 | お金のこと


【70歳代】みんな年金だけで生活できている?貯蓄や年金の平均額を「一覧」でチェック!
12/7(土) 18:02配信




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LIMO
metamorworks/shutterstock.com


昨今の不安定な経済状況を踏まえ、老後の収入源となる「公的年金制度」が今後も維持できるのか、不安視する声が多く聞かれます。


◆【円グラフ】70歳代:貯蓄額ごとの世帯割合を見る!「厚生年金・国民年金」の平均月額グラフもチェック


現役世代(働き手)がいて日本経済が続く限り、年金制度はなくならないと言われるものの、受給見込み額としては今後減少していく可能性があるでしょう。


少子高齢化が進む中、自分たちの老後を安心して迎えるためには、それなりの準備が必要となります。


ファイナンシャルアドバイザーである筆者は、「年金のプラスαをどれくらい確保するべきか」、また「そのために何をすれば良いのか」といった相談が増えたように感じています。


そこで今回は、70歳代の現役シニア世帯の貯蓄額や年金受給額について各種データを元に紐解いていきます。


将来の年金暮らしに向けた対策を検討する際の参考にしてみてください。


※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。


【70歳代】二人以上世帯の平均貯蓄額はいくらなのか
老後の収入の柱として、公的年金に頼るのが一般的である日本。


しかし、一時期話題となった「老後2000万円問題」を考えると、年金だけでは安心した老後生活を送ることが難しいかもしれません。


安定した老後生活を確保するためには、働き続ける・不労所得を得る・十分な貯蓄を少しずつ取り崩す、などが鍵となるでしょう。


中でも貯蓄は重要な要素です。


金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額は1757万円となりました。


しかし、平均は一部の大きな値に引っ張られやすい性質があります。より実態に近い貯蓄額とされる中央値で見てみると、700万円でした。


※「金融資産を保有していない世帯」を含めたデータです。


※上記、金融資産には預貯金以外の株式や投資信託、債券などの金融商品残高が含まれます。


●70歳代二人以上世帯の貯蓄平均値と中央値
 ・平均:1757万円
 ・中央値:700万円
平均値と中央値でもわかりにくい実態を知るには、貯蓄額ごとの世帯割合が参考になります。


●70歳代二人以上世帯における、貯蓄額ごとの世帯割合
 ・金融資産非保有:19.2%
 ・100万円未満:5.6%
 ・100~200万円未満:5.1%
 ・200~300万円未満:4.3%
 ・300~400万円未満:4.7%
 ・400~500万円未満:2.5%
 ・500~700万円未満:6.2%
 ・700~1000万円未満:5.8%
 ・1000~1500万円未満:10.2%
 ・1500~2000万円未満:6.6%
 ・2000~3000万円未満:7.4%
 ・3000万円以上:19.7%
金融資産非保有、つまり貯蓄がゼロという世帯が全体の約2割を占めています。


もし貯蓄がないという場合では、毎月の生活費をカバーできるだけの収入が必要不可欠であるといえます。


一方、貯蓄が3000万円以上という世帯も約2割になりました。


貯蓄がある世帯・ない世帯の二極化が垣間見えます。


老後の収入源として、勤労所得や家賃収入などを得ている人もいますが、一般的には公的年金となるでしょう。貯蓄が十分でない人が頼りになる年金について、次章で確認していきましょう。

公的年金の平均月額はいくらなのか(厚生年金・国民年金)
シニアにとって生活の柱となるのが公的年金です。


障害年金や遺族年金などもありますが、ここでは老齢年金にフォーカスをあて、70歳代の平均額を見ていきましょう。


厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考にします。


●70歳~79歳「国民年金」の平均月額
 ・70歳:国民年金5万7320円
 ・71歳:国民年金5万7294円
 ・72歳:国民年金5万7092円
 ・73歳:国民年金5万6945円
 ・74歳:国民年金5万6852円
 ・75歳:国民年金5万6659円
 ・76歳:国民年金5万6453円
 ・77歳:国民年金5万6017円
 ・78歳:国民年金5万5981円
 ・79歳:国民年金5万5652円
●70歳~79歳「厚生年金」の平均月額
 ・70歳:厚生年金14万1350円
 ・71歳:厚生年金14万212円
 ・72歳:厚生年金14万2013円
 ・73歳:厚生年金14万5203円
 ・74歳:厚生年金14万4865円
 ・75歳:厚生年金14万4523円
 ・76歳:厚生年金14万4407円
 ・77歳:厚生年金14万6518円
 ・78歳:厚生年金14万7166円
 ・79歳:厚生年金14万8877円
※国民年金を含む


国民年金だけの人の場合、平均額は月5万円台です。


公務員や会社員などで厚生年金保険料を支払っていた人は、合わせて厚生年金を受け取れます。第1号(会社員)の平均額は、国民年金との合計で14万円台でした。


あくまでも平均なので、30万円以上の人も10万円未満の人もいます。


大事なのは、その金額内でやりくりできるのかどうか。できないのであれば、老後に向けた収入源の確保や貯蓄が必要になるということです。


公的年金「厚生年金と国民年金」金額は毎年改定される
あまり知られていませんが、公的年金は毎年度改定されています。12月には2025年度の金額も公表される予定なので、注目しておきましょう。


参考までに、2024年度の年金額の例は以下のとおりです。


●2024年度「国民年金・厚生年金」のモデル年金月額
 ・国民年金(満額):6万8000円(+1750円)
 ・厚生年金(国民年金を含む):23万483円(+6001円)
注意したい点として、上記の厚生年金額は「平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で 40年間就業した場合、受け取り始める老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」となっています。


つまり、厚生労働省が公表している厚生年金のモデル年金額は会社員の夫と専業主婦の妻で構成される「夫婦世帯」の年金額となっているため、留意しておきましょう。


公的年金だけで生活できる高齢者は半数以下に
実際、年金だけで生活できる人はどれほどいるのでしょうか。


厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」という統計調査によると、100%年金だけで生活できている高齢者世帯は41.7%でした。


つまり、老齢年金世代の約6割が、年金だけで生活していないのです。


それ以外に貯蓄を取り崩したり、労働収入を得たり、または子世帯から仕送りを受けたりしていることがうかがえます。


年金収入だけで生活できる高齢者世帯の方が少ない現状を鑑みると、公的年金をベースとした老後の生活設計はリスクが大きいといえるでしょう。


現役世代の人たちは、年金以外の何らかの収入源や、老後資金の確保が必須となります。


まとめにかえて
70歳代・二人以上世帯のシニアのお金事情「貯蓄額・年金額」の平均額を確認しました。実際の金額が分かったことでより具体的に老後生活をイメージできたのではないでしょうか。


将来の「お金」のことを考えるうえで最も大切なことは、必要金額を明確にすることです。


必要な金額がわかれば不足額がわかります。将来まで時間がある現役世代はコツコツと計画的に準備していきましょう。


「銀行預金」が最も簡単な方法で流動性も高いですが、低金利が続く日本では時間をかけたとしてもなかなか思うようには増えていきません。そこで、一部「資産運用」を取り入れてみるのもいいかと思います。


最近では、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった国の制度が整ってきています。


ご自身の目的や意向にあったものを活用しましょう。しかし、「資産運用」は基本的には元本保証はありません。


そこで大事なのはどんな「リスク」があり、どこまで自分は許容できるのかを理解してから始めることです。


参考資料
 ・金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
 ・厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
 ・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
 ・厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」








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税務調査の嫌な質問「故人の最期を教えて」、その残酷な狙いとは?

2024年12月08日 03時03分42秒 | お金のこと

大切な人を亡くした後、残された家族には膨大な量の手続が待っています。しかし手続を放置すると、過料(金銭を徴収する制裁)が生じるケースもあり、要注意です。 また国税庁によれば、2019年7月~2020年6月において、税務調査を受けた家庭の85.3%が修正となり、1件当たりの平均追徴課税(申告ミス等により追加で課税される税金)は、なんと641万円でした。

12・12・2021

税務署は「不慣れだったため、計算を間違えてしまった」という人でも容赦しません。 本連載では「身近な人が亡くなった後の全手続」を、実務の流れ・必要書類・税務面での注意点など含め、あますところなく解説します。著者は、相続専門税理士の橘慶太氏。税理士法人の代表でもあり、相続の相談実績は5000人を超えます。この度『ぶっちゃけ相続「手続大全」 相続専門YouTuber税理士が「亡くなった後の全手続」をとことん詳しく教えます!』を出版し(12月8日発売)、葬儀、年金、保険、名義変更、不動産、遺言書、認知症対策と、あらゆる観点から、相続手続のカンドコロを伝えています。


  相続税の税務調査では、「これって税金に関係あるの?」と疑問に思うような質問をたくさんされます。しかし、すべて相続税に関係のある質問です。

代表的な質問を2つお伝えします。

 ● ①故人と相続人の生い立ち  故人の生まれから、学生時代、初めての就職から定年退職、そして老後の生活まで、過去の生い立ちについて根掘り葉掘り質問されます。  

この質問は、故人だけでなく、相続人(特に配偶者)に対しても行われます。税務調査は朝10時から16時頃まで行うのが一般的ですが、この生い立ちの質問だけで午前中を使い切ることが多いです。  

調査官は、生い立ちを聞きながら、手書きの年表を作っていきます。これが、後々の質問で矛盾した回答をできなくするための外堀となっていきます。  

また、このときに故人と相続人が、どの地域に住んでいたのかを把握し、銀行口座を隠していないかの調査に使っていくことになります。  

2021年現在では、税務署でも、国民1人1人の銀行口座の情報を一元管理はできていないようです。地域で当たりをつけ、片っ端から照会をかけていくそうです。


● ②亡くなる直前の状況  

の最期の瞬間は、十人十色です。病室で家族に見守られながら息を引き取る方もいれば、昨日まで元気だったのに朝起きたら布団の中でお亡くなりになっていた方もいます。  

調査官は、故人が最期の瞬間をどのように迎えたかを根掘り葉掘り質問してきます。その質問に答える遺族の方は、当時を思い出し、感極まって泣いてしまう方もいらっしゃいます。  

ただ、これはあくまで税務調査。この質問も、相続税の追徴課税につながる布石として行われています。



● 税務署が狙う「うかつな一言」とは?  

この質問の狙いは、相続開始直前に引き出した預金の使い道や、直前に行われた生前贈与の有効性を判断するためのものです

  例えば、長年寝たきり状態が続いた方が亡くなった場合、その寝たきりだった期間中に、その方の通帳から現金引き出しがあれば、それは亡くなった本人が行ったものではなく、通帳を管理していた家族が行ったものということになります。  

そのため、その現金の使い道について、相続人が「わからない」と言うことはできません。

  他にも、亡くなる直前の昏睡状態の期間中に、本人の通帳から親族へ110万円のお金の振込があった場合にも、昏睡状態の中では「贈与する」という意思表示はできないため、贈与の事実がなかったと認定されます。 

 税務署から贈与と認められるためには、「あげた・もらったの約束」ができていたことが要件になります。生前贈与は民法第549条にその定義があります。 

 「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」 

 これが贈与の定義です。贈与は、あげる人が相手に「あげます」という意思を表示し、相手(もらう人)が「もらいます」という意思を表示して、初めて効力を生ずる契約とされています。 

 つまり、「あげます」と「もらいます」の両者の認識の合致がなければ、贈与契約は成立しないのです。  

このように、本人が自分自身で預金を動かすことができない期間における入出金の記録は、調査官から厳しく追及されることになります。必ずその経緯や使途を明確にしておきましょう。 

(本原稿は、橘慶太著『ぶっちゃけ相続「手続大全」ーー相続専門YouTuber税理士が「亡くなった後の全手続」をとことん詳しく教えます!』を編集・抜粋したものです)
橘慶太




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イーロン・マスク氏の資産、トランプ氏勝利から3日間で7・6兆円増…献金少なくとも180億円

2024年11月12日 10時03分46秒 | お金のこと


イーロン・マスク氏の資産、トランプ氏勝利から3日間で7・6兆円増…献金少なくとも180億円 




トランプ前大統領の集会で演説するイーロン・マスク氏(10月27日)=ロイター

© 読売新聞
 【ニューヨーク=小林泰裕】米ブルームバーグ通信は8日、世界一の富豪である米実業家イーロン・マスク氏の資産が3137億ドル(約48兆円)に達したと報じた。トランプ米次期大統領が5日の米大統領選で勝利して以降、3日間で約500億ドル(約7・6兆円)増えた。


 最高経営責任者(CEO)を務め、筆頭株主でもある米電気自動車(EV)大手テスラの株価が6日以降、28%高騰したことが要因。マスク氏は次期政権で行政改革関連の要職に起用されるとみられており、規制緩和などの恩恵が受けられるとの見方が強まった。


 マスク氏はトランプ氏の選挙戦を積極的に支援し、少なくとも1億1900万ドル(約180億円)を献金したと報じられている。オーナーを務めるX(旧ツイッター)でも、トランプ氏や共和党を支持する投稿を繰り返した。







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退職金を廃止するのは可能でしょうか?>中小企業の経営者 >結論からいえば、“可能”です。

2024年11月10日 03時03分58秒 | お金のこと
退職金制度って途中で廃止できるの?中小企業の退職金相場&注意点

  • 経営ノウハウの            
  • 中小企業経営のための情報サイト
2021.05.19加藤 知美 



コロナ禍のあおりを受け、各企業の経営者にとって厳しい戦いが続いています。特に規模の小さい中小企業にとっては、思うように企業活動ができない、安定した収入の目途がつかない等、問題が山積みの状況です。

このような中で会社を守るための方策として、社内のコストカットを図りたいと考える事は当然の流れとなります。特に、退職金問題は企業にとって死活問題でしょう。例えば企業の規模を縮小しようと考える際、人員削減として幾人かの従業員が退職をする場合などは、退職金制度の内容に沿った形で退職金を支払う必要性が生じます。



退職金は、比較的まとまった金額の出費となるため、経営が思うように進んでいない経営者にとっては、非常に痛い存在といえます。

このように、財務上の負担の一つともいえる退職金制度を変更する、もしくは廃止してしまうことは、果たして可能なのでしょうか?

今回は、このような退職金制度の現状や制度を廃止する場合の法律上の規制、具体的な対応法などについて、順を追って解説をしていきます。


Contents
  • 中小企業の退職金の最近の傾向
  • 退職金制度は途中で廃止できるのか
  • 退職金制度を廃止するときに注意すべきこと
  • 退職金制度の相場、計算方法などの事例
    • (1)退職時の基本給
    • (2)別テーブル方式
    • (3)ポイント制方式
    • (4)定額方式
  • まとめ
  • あわせて読みたい
中小企業の退職金の最近の傾向
中小企業は規模が小さいことから、財務的に大企業ほどの余力を抱えていない場合がほとんどです。

これは退職金の傾向にも顕著に表れており、大企業では企業年金制度と併用した退職金制度が設けられているケースが多いことに対し、中小企業では退職金を一時金として支払う方法が多く取られていることに特徴があります。
また、2000年の初期には9割近くの割合で中小企業が退職金給付制度を導入していたのに対し、2018年度には導入企業の割合が7割程度と、2割ほど減少している状況です。これは、苦しい経済情勢が続く中、退職金を支払うことができない中小企業が増加していることが原因として挙げられます。
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、世界中の企業が苦境に立たされている現状から鑑みると、今後も苦しい経営状況の中小企業が増加するにつれ、退職金制度を廃止しようとする動きが活発になるものと思われます。

退職金制度は途中で廃止できるのか

前項目で、各中小企業の厳しい退職金事情について説明をしましたが、

そもそもこの退職金制度を廃止することは可能なのでしょうか?

結論からいえば、“可能”です。

ただし、経営者が「今すぐ取りやめよう!」と号令をした直後、すぐに廃止できるものではない点に注意が必要です。退職金の廃止は、従業員にとっては収入源といえるものであり“労働条件の不利益変更”に該当するためです。


労働条件の不利益変更を実施するためには、会社に勤める社員や労働組合などに事情を説明して合意をしてもらった上で、社内ルールが記載された就業規則を変更し手続きを取ることが原則となります。

例外として、退職金制度の廃止という行為が、「合理的なものである」とみなされた場合は、社員や労働組合の合意なしに就業規則の変更のみで制度を廃止することが法律上では認められています。


ただし、いくら法律上で認められているとはいえ、社員に説明や相談なしに一方的に退職金制度を廃止してしまうことは、印象も悪くなり無用な労使トラブルの原因となります。


退職金制度の廃止は、企業にとっても従業員にとっても大きなルール変更といえます。真摯に話し合いを重ね、双方が納得のいく形で制度改革を進めていく方法が有益だといえるでしょう。


退職金制度を廃止するときに注意すべきこと

退職金制度を廃止する場合に気をつけなければならない点としては、先ほどの項目でも説明した通り、“合理的”な理由があるか否かに左右されることです。
合理的な理由かどうかは以下の観点から総合的に判断されます。

①労働者のこうむる不利益の程度
②退職金制度を廃止するための必要性
③退職金制度を廃止するために変更した就業規則の内容の相当性
④労働組合等との交渉の状況
⑤その他、就業規則の変更に係る事情

退職金制度を廃止する際に、実際にこれまで合理的と判断された理由としては、「経営状況が苦しくなり退職金の支払いが不可能となった」などの内容が挙げられます。

ただし、「経営が苦しいのだから仕方がないだろう」と会社側が一方的に制度を廃止してしまうケースは避けたほうが良いでしょう。企業としても、従業員にとって不利益となる形に社内ルールを変更することから、支払えなくなった退職金の代わりとなる措置を取る方法や、即座に廃止するのではなく期間を置いて徐々に制度廃止に向けて移行していく、つまり“経過措置”を設けるなど、従業員に対して真摯な対応を取る事が求められます。


退職金は、月々に支払われる給与と同じく、社員にとって今後の人生に影響する非常に重要な存在です。したがって、退職金制度廃止にまつわる労使トラブルに発展した場合などは、企業側の対応が妥当なものかどうかが厳しく判断されます

つまりは人と人との問題であることを重々承知の上で、相手の立場を尊重する形での制度変更が求められているといえるでしょう。


退職金制度の相場、計算方法などの事例

退職金制度の相場は、大企業と中小企業ではやはり大きく金額に差があることが特徴です。東京都産業労働局の統計「中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)」によれば、通常の社員が中小企業で定年退職をする際の退職金相場は、高卒者ならば約1,031万円、大卒ならば約1,119万円で、支給月数は25ヶ月前後という数字が発表されています。

また、中小企業へ入社後数年で転職する場合なども、平均して数十万円の退職金を受け取っているそうです。つまり、退職金制度を導入している企業がまとまった金額を準備しておく必要があることが、この数値から読み取れます。
なお、退職金の計算方法には、主に以下の4種類が挙げられます。それぞれの特徴は以下の通りとなりますので、参考にして下さい。


(1)退職時の基本給
退職時の基本給×勤続年数×退職事由から算出される支給率

(2)別テーブル方式
等級別の基準額×勤続年数に応じた支給率

(3)ポイント制方式
役職や勤続年数、ランクごとにポイントを設け、累計額の掛金によって算出

(4)定額方式
勤続年数別にあらかじめ定めた金額を支給

まとめ

退職金制度を廃止する場合は、さまざまな点に気を使いながら対応を進めなければならない事がお分かりいただけたかと思います。

会社のために働いてくれている社員のためにも、本当に制度を廃止したほうが良いのかを見直し、退職金制度を廃止した場合のメリット・デメリットを洗い出してみると良いでしょう。制度の廃止を実行する場合は、代わりになる一時金の支給等の措置も検討をしてみてはいかがでしょうか。


以下はリンクで>

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