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「ヒトらしさを決める遺伝子」はいつ生まれたのか?その突然変異はヒトの誕生より70万年も前になる!?

2025年02月06日 22時03分17秒 | 医学と生物学の研究のこと

>FOXP2は、言語と関係していることが明らかになった最初の遺伝子である。FOXP2に突然変異が起きた人は、話したり、文法を理解したりすることが困難になることが知られている。






ヒトだけ違う、言語をつかさどるFOXP2遺伝子



FOXP2の機能ドメイン


「ヒトらしさを決める遺伝子」はいつ生まれたのか?その突然変異はヒトの誕生より70万年も前になる!?
2/6(木) 7:01配信


現代ビジネス
gettyimages


「生物は進化することによって進歩していく」「進化には長大な時間がかかるので、進化を目の当たりにすることは不可能である」……とかく誤解されやすい「進化論」について、楽しく、わかりやすく語り尽くした話題の新刊『世界一シンプルな進化論講義 生命・ヒト・生物――進化をめぐる6つの問い』。この本の中から、今回は遺伝子にスポットを当て「ヒトらしさを決める遺伝子」について考えていくことにします。


【写真】「ヒトらしさを決める遺伝子」はいつ生まれたのか?


*本記事は『世界一シンプルな進化論講義』(ブルーバックス)を再編集したものです。


「FOXP2遺伝子」がヒトをヒトらしくしている!?
gettyimages


私たちヒト(学名はホモ・サピエンス)は、人類の一種である。人類は約700万年前に現れ、進化の結果、数十種に分岐した。しかし、その多くは絶滅してしまい、現在生き残っているのは、私たちヒト1種だけである。


ヒトは、他のほとんどの人類種とは異なり、いわゆるヒトらしい行動をすると考えられている。洗練された言語を話したり、芸術的な活動をしたりするのは、その例だ(ヒト以外でそういう行動をした可能性のある種は、ネアンデルタール人などごく限られている)。


このように、ヒトをヒトらしくした原因には、おそらく遺伝子も関係しているだろう。そんな可能性のある遺伝子の一つが、FOXP2(フォックスピーツー)だ。


FOXP2は、言語と関係していることが明らかになった最初の遺伝子である。FOXP2に突然変異が起きた人は、話したり、文法を理解したりすることが困難になることが知られている。


このFOXP2遺伝子をもとにして、FOXP2タンパク質が作られる。ヒト以外のほとんどの哺乳類では、数千万年もの間、FOXP2タンパク質のアミノ酸配列は変化していない。


ところがヒトでは、FOXP2タンパク質のアミノ酸が2個も変化している。他の哺乳類でほとんど変化がないことを考えると、この変化が洗練された言語の誕生に、つまりヒトらしい行動の一端に、関係しているのかもしれない。

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ヒトらしい行動が進化した原因は?
ラスコー洞窟の壁画(gettyimages)


でも実際には、ヒトらしい行動は、数万年前に急速に進化している。


これは、1つあるいは少数の遺伝子の突然変異では説明しにくい現象だ(ほとんどの遺伝子の共通祖先は10万年以上前に存在していたと推定されている)。


では、ヒトらしい行動が進化した原因は何なのだろうか。はっきりとはわからないが、遺伝子の組み合わせが大きな役割を果たした可能性はある。ヒトらしい行動に必要な遺伝子(の変異)はすでに存在していて、それらがうまく組み合わせられた遺伝子セットが、自然淘汰によって急速に増加した場合などだ。


あるいは、必要な遺伝子セットはずっと前から存在していて、ヒトらしい行動が進化した引き金は環境的なものだったのかもしれない。


ヒトの行動が1つあるいは少数の遺伝子によって決定されているという話は魅力的だ。つい飛びついてしまいたくなる。でも、そういう話には慎重になったほうがよい。皆無ではないかもしれないが、あったとしても非常に稀な現象だろう。


以下はリンクで、





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死は終わりではなく>生でも死でもない「第3の状態」が生物には存在する【研究結果】

2025年02月04日 03時03分12秒 | 医学と生物学の研究のこと



生でも死でもない「第3の状態」が生物には存在する【研究結果】 


生でも死でもない「第3の状態」が生物には存在する【研究結果】
© 提供元:https://tabi-labo.com/310207/wt-third-state-between-life-and-death


「黄泉がえり」「死者の蘇生」などは、超常現象やSF映画の話だと思うだろう。しかし、そのような非科学的なことが、現実に起こり得るかもしれないらしい。


生と死を超えた


「第3の状態」が存在すると判明


これまで、生物の状態は生と死の2つしかないと思われてきた。ところが、最近の研究では、生でも死でもない「第3の状態」の存在が明らかになってきたという。研究者たちによると、「第3の状態」は死んだ生物の細胞が死後も機能し続けることで発生するとのこと。しかも、生きている間にはなかった新たな能力を獲得し、多細胞生物として"蘇る"場合もあるそうだ。


この「第3の状態」に関する実験は、カエルの細胞を使って行われたとのこと。死んだカエルの皮膚細胞を別の環境に適応させると、自発的に「ゼノボット(xenobots)」と呼ばれる多細胞生物になった。ゼノボットは髪の毛のような構造を使って周囲を移動できるうえ、自己の修復や複製もできるそう。これらは、本来の生物学的な役割を遥かに超えた行動だという。



同様の現象は、人間の肺細胞でも見られたという。人間の肺細胞が自己組織化すると「アンスロボット(anthrobots)」という多細胞生物になり、これはゼノボット以上の能力を持っているとのこと。移動や自身の修復に加えて、付近の細胞の治癒もできるそうだ。


「第3の状態」が


死の概念や医療を大きく変える可能性


「第3の状態」の解明が進むと、死の定義が大きく変わるかもしれないと研究者。死は生命の終わりだとされてきたが、じつは"新たな始まり"である可能性も考えられるという。


また、「第3の状態」は医療に革命を起こす可能性も秘めているとのこと。例えば、人間の生体組織から作られるアンスロボットを活用すれば、免疫反応や拒否反応を引き起こすことなく治療ができるようになるかもしれないそう。しかも、アンスロボットのような多細胞生物には寿命があり、4〜6週間後に自然分解されるため、有害な細胞が増殖するリスクを抑えられるとも。


まだまだ謎が多い、「第3の状態」。しかし、解明が進むと、生と死の概念や生物の在り方が大きく変わるかもしれない。


Reference: "Third state" of existence between life and death confirmed by scientists








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若くても「脳が萎縮する人」と年を取っても「脳が若い人」、一発でわかる「見た目の違い」とは?

2025年02月02日 23時01分10秒 | 医学と生物学の研究のこと

若くても「脳が萎縮する人」と年を取っても「脳が若い人」、一発でわかる「見た目の違い」とは?(ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース 







若くても「脳が萎縮する人」と年を取っても「脳が若い人」、一発でわかる「見た目の違い」とは?
1/31(金) 6:02配信




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ダイヤモンド・オンライン
東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授


 約16万人の脳MRIを読影、解析した東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授によると、「見た目と、脳の健康には相関がある」といいます。具体的に「見た目の違い」とは何なのか。「見た目」を整える簡単な方法と、その意外な効果とは?ジャーナリストの笹井恵里子さんが聞きました。(東北大学加齢医学研究所教授 瀧 靖之、ジャーナリスト 笹井恵里子)


【同じ60歳でも脳はこんなに違う!衝撃の比較写真はこちら】


● 脳の健康に悪影響を及ぼす 「社会的孤立」


 これまでの多くのご高齢の方々を対象とした研究から、人に会うと、その人の脳が見えるような気がします。「見た目の印象」と「脳の健康度」は一致しているように感じるのです。


 脳の健康に悪影響を及ぼすものとして「社会的孤立」が挙げられます。これは物理的な孤立、つまり独居を指すのではありません。普段何か嫌なことや、楽しいことがあったときに、それを話せる相手がいるかどうか。


 ですから一人暮らしをしていても、家族や友人、仕事仲間、近所の方々などと会えるタイミングがあったり、コミュニケーションをする時間や機会があれば、社会的に孤立していません。一方でたとえ家族と暮らしていても、コミュニケーションがほぼない状態の人は社会的孤立の状態に近いといえるでしょう。


 いろいろな人とコミュニケーションをする、科学的に言うと「社会的な交流」は、全身の健康を維持する上でとても大切です。私の専門である「脳」においても、社会的交流が活発で、身なりがきちんとしている人は脳の若さが保たれている傾向にあります。反対にヨレヨレの格好の人は、実年齢より10歳以上年を取っているのではないかと思うほど脳萎縮が見られることがあります。


 もちろん、身なりに頭を働かせるから脳が健全なのか、その逆なのか、両方の要因があるように思います。しかし身なり(見た目)と、脳の健康に相関があるのは事実。同年代でも驚くほど脳画像に差が出るのです。画像で実例をお見せしましょう。


 さて具体的に「見た目の違い」とはどのようなものか。

● 「サイズ感と色合わせ」が 決め手になる


 これは高級ブランドを身に着けているということではありません。一言で表現するなら、脳が若々しい方は「シュッ」としているのです。


 特に男性の見た目では、「サイズ感と色合わせ」が決め手になります。自分の体形に合ったサイズを着ている人はシュッとして見えますし、サイズ感が合っていないとモッサリとした印象になります。


 日々仕事でさまざまな方にお会いしますが、どの業界でも一流として業務に取り組まれている方は男女問わずシュッとしていて、そこに秘めた自信がにじみ出ているように感じるのです。


 色合わせは鮮やかである必要はありません。ブルーと紺、茶のような地味な色でも、シンプルですてきな組み合わせがありますよね。色にまで配慮している方は若々しい印象で、社会的交流も活発であり、実際に健康状態も良い方が多い印象があります。


● 見た目を整えると 人に会いたくなる


 といっても、自分は人と会話をするのが好きじゃないし、別にそんなに社会的交流がなくてもいいよと思う方もいるでしょう。ところが逆説的ですが、ファッションでもメイクでも、自分の見た目を整えると、少しずつですが人に会いたくなる、あるいは外に出たくなるように感じると思います。


 これは「健康に良い行動変容」を外側から起こすことにつながります。


 私たちの生活の半分近くは「習慣」からできているといわれています。そしてその習慣を変える、自分の心身にとって良い、新しい行動を始めようと思っても、脳科学的にそれは簡単なことではありません。変化を避けて今のままでありたいという「現状維持バイアス」がかかるからです。


 例えば運動しようと思って筋トレを始めても、3日や1週間で終わってしまうことがよくありますよね。でもそれは普通のこと。


 かつて「ポケモンGO」(位置情報活用で、現実世界そのものを舞台としてプレーするゲーム)がはやったときには、ゲームをする上で「歩く」ことが必要になり、これまで運動しなかった人の運動量が劇的に増えたといわれています。このように新しい行動を起こすときには、ダイレクトではないほうが取りかかりやすいでしょう。

● まずは体形に合った服を 選んでみるのがお勧め


 ですから、まずはとにかく「自分の見た目」を整えてみる。


 その第一歩として「サイズ感が合った服を着ている人が脳が若々しい傾向にある」と述べましたが、体形に合った服を選んでみるのがお勧めです。今はオーダーメイドのスーツもお手頃価格で手に入りますから、仕事で使う服から変えてみるのも一案です。


 あまりファッションに興味がなくても、雑誌やアパレルショップで働く方の服装を見るなどして、そこですてきだなと感じたスタイルを安く模倣してみるのもいいですね。それだけで印象はガラリと変わりますし、自分にもっと自信を持てると思います。


 自分に合ったファッションを研究することは、脳の健康を維持する「好奇心」を高めることでもあります。好奇心が強い人は脳の萎縮が抑えられることが明らかになっているのです。


 つまり、身なりを整えていると好奇心が高まり、同時に人にも会いたくなって社会的交流が活発になるという、さまざまな方面から脳が健康になる好循環に入ります。


● 「会話」は最も簡単にできる 幸福感を高めるもの


 そして「リアルな会話」というのは、実は幸福感をも高めるのです。幸福感を高める方法はいろいろありますが、最も簡単にできるものが「会話」です。


 会話の本質は「情報交換」ではなく、「気持ち(感情)のやりとり」といわれています。対面で人と話すことは言語以外の情報を多く得ますよね。声の抑揚、身ぶり手ぶり、表情などで私たちはお互いの気持ちを伝え合っているのです。そして「自分の気持ちを相手に理解してもらえたとき」あるいは「相手の気持ちを理解したとき」に、人として幸せを感じます。


 ですから社会的交流が多い人は、主観的幸福感(主観的な幸福感)が高い、少なくとも低くはないといえます。主観的幸福感は、認知症や動脈硬化のリスクを下げることがわかっていますから、医学的にも健康を保つ重要な要素です。


 ビジネスパーソンの方は休み明けに「また会社に行く日々が始まるのか」と憂鬱(ゆううつ)になっている人もいるかもしれません。ですが職場や仕事上でのつながりは、いろいろな方とコミュニケーションができ、主観的幸福感を高められる場でもあるんですよ。


 ぜひ明日から出勤時の身なりを整え、人と会う時間を楽しみましょう。


瀧 靖之/笹井恵里子












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メキシコで「尻尾の生えた女児」の誕生が報告される

2025年01月24日 20時03分49秒 | 医学と生物学の研究のこと
メキシコで「尻尾の生えた女児」の誕生が報告される



2022/12/04(日) 21:13:48.

メキシコで「尻尾の生えた女児」の誕生が報告される

 人間にも元々尻尾があり退化してなくなったという事実は多くの人が知っているでしょう。

 その事実を示すように、稀に尻尾を持って生まれる子どもが報告されています。

 2022年1月、メキシコのヌエボ・レオン州立大学(UANL)の医学研究チームにより、尻尾を持って誕生した女児の症例が医学雑誌にて報告されました。

 これが今月に入り、英メディアで大々的に報じられたことで話題となっています。

 女児はいたって健康で、現在は尻尾も外科手術により切除されているとのこと。

 研究主任のジョズエ・ルエダ(Josue Rueda)医師は「尻尾を持った新生児の誕生はきわめて稀であり、メキシコでは最初の事例だと思われる」と述べています。

 一体どんな尻尾が生えていたのでしょうか?

 研究の詳細は、2022年1月に医学雑誌『Journal of Pediatric Surgery Case Reports』に掲載されています。

 ※ 記事内に実際の尻尾の写真を掲載しています。少しショッキングかもしれないので、閲覧にご注意ください。

ナゾロジー 2022.12.01 


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新しい前頭側頭型認知症の原因特定 メモです

2025年01月17日 01時21分07秒 | 医学と生物学の研究のこと
メモです。

上は、前頭側頭型認知症(FTD)を起こすことが判明したTAF15タンパク質の電子顕微鏡写真です。

下、FTD患者さんの大脳の様子です。
最下段、TAF15の模式図です。左の縞模様の構造体は、TAF15の繊維。これが大脳の中に生じて悪さをします。

新しい前頭側頭型認知症の原因特定(12月6日 Natureオンライン掲載論文)
2023.12.20










#論文・論文解説 #西川伸一の「論文ウォッチ」







前頭側頭型認知症(FTD)は認知症の1割を占め、海馬の神経変性が中心におこり記憶障害が中心になるアルツハイマー病と比べると、前頭側頭皮質の障害が中心になり、行動、人格、言語などが傷害される。また一部には運動障害が顕著で、ALSと間違えられるケースもある。

このようにアルツハイマー病とははっきり異なるが、ほぼ半数はTau異常症による蛋白沈殿が原因で、あとの半数はALSの原因にもなるTDP-43異常症による沈殿形成に依ることがわかっている。

CONTENTS


本日紹介する論文
解説と考察
まとめと感想

本日紹介する論文
今日紹介する英国MRC研究所からの論文は、これら2種類の蛋白質異常症以外の原因で起こるFTDがTAF15分子による、特に運動障害が顕著なFTDであることを明らかにした研究で、これによりほとんどのFTDの原因が明らかになったと言える。

タイトルは「TAF15 amyloid filaments in frontotemporal lobar degeneration(TAF15アミロイド線維による前頭側頭変性症)」だ。

解説と考察
これまで、Tau, TDP-43以外が原因のFTDでも、FUS蛋白質に対する抗体で染色される沈殿物が観察されること、また試験管内でFUS蛋白質断片が繊維状沈殿を形成することから、FUS異常症ではないかと考えられてきた。

ただ、検出に利用される抗体が同じファミリーの分子、EWSやTAF15にも反応することから、最終的には脳からアミロイド繊維を抽出して特定する必要があった。


この研究では抗体での染色からFUS異常症と診断される患者さんの脳から生化学的にアミロイドフィラメントを抽出し、クライオ電顕による構造解析、及び質量分析による分子解析の結果、フィラメント内には全くFUS分子が含まれておらず、これまでFUS異常症として考えられてきたFTDのほとんどはTAF15異常症による可能性が示された。

特に面白いのは、TAF15のアミロイド繊維によるFTDで運動障害が著しい点で、今回調べられた4例の中の一人の患者さんではALSと診断を受けていたようだ。


まとめと感想
以上が結果で、Tau, TDP-43に加えて、新しい細胞内アミロイド繊維沈殿を起こす分子としてTAF15が特定されるとともに、FTDはこれまで想像されてきたように、沈殿する分子によって傷害される場所が異なり、それぞれ特徴的な症状を示すことも明らかになった。


このように、蛋白質は異なるが、FTD、そしておそらく他の神経変性疾患も、メカニズムは極めて良く似ていることが示された。現在アルツハイマー病のTau異常症を治療する試みが進められているが、これが可能になると、それぞれの蛋白質に対しても同じような治療が可能になるのではないかと期待できる。


アルツハイマー病やFTDはこれまで医学の無力をあざ笑っている病気の代表だったが、一歩一歩糸口が見えている気がする。



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