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癌の使命>寿命のきた個体に引導を渡すこと 寿命を制御する使者

2024年12月28日 22時03分34秒 | 医学と生物学の研究のこと
癌の存在意義という論文がありました。なかなかの慧眼ですね。

個々の細胞には寿命がありますが、この寿命の分子制御が壊れたのが癌細胞です。なので、癌細胞は無限に増殖しますが、これが自爆装置の様にヒト個体の死を招いて、癌もろとも死滅することになります。よくできた仕組みですかね

1/25/2022

ヒト子宮頸がんHeLa細胞

癌の発生とその役割
WWave vol.2, 25-27,1996


癌の役割
酸素によっで生きている生物にとって,酸素に
よる最後の幕引きは必要であり, それが正常細胞
の有する寿命であり, もう一つ別の死への引導は
癌の役割ではないのだろうか

気性生物にとって癌は必ず発生し,生物を死へと導くのだとすれ
ば, その存在は必要であり,必然的である

この発生をできるだけ遅らせ, その増殖を止め,正常
な細胞の寿命の尽きるのと癌による個体の死との
時期を同じにすることが,最終的には癌との共存
であり,これからわれわれが癌の予防と治療を考
えるときに必要なコンセプトではないだろうか
(図1).
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ペストの大流行を生き延びた人は免疫系に変化があった…その結果、自己免疫疾患の発生リスクが高まる

2024年12月27日 00時03分26秒 | 医学と生物学の研究のこと
ペストの大流行を生き延びた人は免疫系に変化があった…その結果、自己免疫疾患の発生リスクが高まる



ペストの大流行を生き延びた人は免疫系に変化があった…その結果、自己免疫疾患の発生リスクが高まる





ペスト医師

10/31(月) 20:00配信
5コメント5件

1348年と1349年にロンドン東部で集団埋葬された、ペストによる死者の遺骨。

670年前にヨーロッパを襲ったペストが現代の人類にも害を及ぼしている可能性をある研究結果が指摘している。 

  【全画像をみる】ペストの大流行を生き延びた人は免疫系に変化があった…その結果、自己免疫疾患の発生リスクが高まる 人類がペストを乗り切るのを助けた遺伝子の突然変異が、慢性疾患のリスクを高めたのだという。 

この研究は、疫病は大流行が終息した後も人類の健康を左右する可能性があることを示唆している。 約670年前にヨーロッパを襲った悪名高きペスト(黒死病)が、現代の人間の健康にも影響を与えていると先駆的な研究が明らかにした。 

この研究は2022年10月19日、査読付き科学誌『ネイチャー(Nature)』で発表され、1300年代半ばのペストの大流行を生き延びた人々は何らかの突然変異を持つ可能性が高いということを明らかにした。 だが、この突然変異には否定的側面があると研究は述べている。例えば、クローン病や関節リウマチといった慢性疾患のリスク増加だ。 

これはペストを生き延びた人々が代価を払った、つまり、自分自身に対して反応しやすい免疫系を持つようになったということを示唆する」とシカゴ大学の遺伝医学教授で研究の著者、ルイス・バレイロ(Luis Barreiro)はCNNへのメールで述べている。

数百年の時を経て我々を悩ませる代償


「非常に素晴らしい研究だ」と、ロンドンにあるフランシス・クリック・インスティテュート(Francis Crick Institute)の疾患遺伝子メカニズム研究室を率いるジェームズ・リー(James Lee)はInsiderに語った。リーはこの研究には関与していない。 

「DNAのさまざまな領域が、この種の疾患の一因になるということは分かっていた。

 科学者は以前から、疫病の大流行が人間の遺伝子構造を形成するのではないかと疑っているが、それを証明するのは非常に難しい。 ペストは人類史上最も多くの死者を出している疾患で、調査対象としては完璧だとリーは述べた。

 1346年から1350年のわずか5年の間に、ペスト菌によるパンデミックである黒死病は数千万人から数億人の命を奪った。その多くはまだ、子どもを持つこともできない年齢だった。 

イギリスとデンマークの集団墓地に埋葬された206の遺骨の遺伝子情報をペスト大流行の前、最中、後で調べると、遺伝的変異と呼ばれる4つの変異が測定された。そしてその変異は人間の生存を助けたが、一方では妨げたことがわかった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/06e06d93fe82d87cc00af79faaf129e2fd392170
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精子提供を「受けた女性」と「提供した男性」のドロドロ愛憎劇>”自然な”性行為で提供します

2024年12月25日 19時03分42秒 | 医学と生物学の研究のこと
SNS取引の危険、精子提供を「受けた女性」と「提供した男性」のドロドロ愛憎劇>”自然な”性行為で提供します


5/20/2020

夫以外の精子で受精を行う手法が注目されているが、ドナーは不足。インターネットを通じて取引を行う人が増えている。今回取材に応じた女性も、SNSで出会った男性と性交渉を行い、無事に妊娠。しかしその後、彼の“ウソ”が発覚したという。男性に直撃すると―。

【写真】妊娠発覚後も続く、A子さんとB氏のLINEのやりとり

精子提供を受けたA子と、精子提供をしたB氏の出会い
 
「最初の子どもが生まれてから10年以上、私たち夫婦は次の子どもを授かりませんでした。ずっと欲しかったんです。だから2人目が生まれて、本当に主人は喜んでいます。戸籍上は主人の子どもですが、実の子ではないんです……」

 東京都内で暮らす30代のA子さんは声をひそめそう打ち明ける。白い素肌にストレートの黒髪のコントラストがとても清楚で、

「主人には内緒で精子提供を受けたんです」

 という大胆な選択をした女性とはとうてい思えない。

 夫との不妊に悩んでいたA子さんは、他人の精子を使った非配偶者間人工授精(AID)で2人目を出産することを決意した。生まれた子どもに夫の疑いの目が向かないよう、DNA検査さえしなければバレない外見、血液型、知能を持つ精子を求めた。

「夫と同じIQ130以上で、偏差値がトップクラスの大学に入れる子どもが欲しかった」

 というA子さんが理想の精子探しに頼ったのは、インターネットの力だった。

 生殖医療の実態に詳しい『はらメディカルクリニック』(東京・渋谷区)の診療部部長で医学博士の宮崎薫医師は、

「日本でAIDを行う医療機関はもともと少ないうえ、だんだん減っています。理由は精子提供者の情報開示の必要性が高まってきた点にあります。精子ドナーの方が将来特定されれば、養育費や扶養義務の話になりかねない。結果的に、法的規制のないネットで精子提供が行われているわけです」

 と解説。A子さんがやがて出会うことになる精子提供者のB氏(20代後半)も、ネットの中にいた。

「ネットでの精子提供は今回が初めてでしたが、実は大学時代に、知人から精子提供を求められたことがあり、不妊症で困っている人の存在を知りました」

 そう話し始めたB氏は'19年3月に、個人でも精子ドナーになれることを知り活動開始。フィギュアスケーターの羽生結弦選手にどことなく似たさわやか系のイケメンだ。

 精子を求める女性と、精子を提供する男性。その先に命の誕生という重さは理解している。しかし、リアルより格段に相手の背景を知る手段が脆弱なネットの世界で出会い、つながってしまうのが現代社会だ。

 2年前から精子提供マッチングサイト『ベイビープラチナパートナー』を立ち上げた運営者が、精子バンクの実情を明かす。

 「SNSなどで精子提供の活動をされている方の情報を集めて紹介するというサービスを行っています。男性の登録者は現在100人以上、20代から50代まで幅広い年齢層です。無責任な男性を排除する意味でも、提供者からは登録料3万円をいただいています。男性には、マッチングした女性から謝礼を受け取ることを推奨していますが、個人の判断なので、無償で提供している方もいます。必ず女性から毎日1人、2人はご連絡をいただいていますね」

提供方法は自然な性行為で
 
 男性には健康であることを事前に検査し、面談時に検査項目などを女性に確認してもらっているが、

「サイトとしては、掲載されている以上の情報は保持していません。登録者がウソをつくことも可能ですが、結局、面談で女性に直接確認をしていただいていますね」(前出・運営者)

 ネットで公開された内容を信じて、女性は精子の所有者をえり分ける。A子さんの精子を探す取り組みも、そんなふうに始まったのだが……。

「絶対に精子提供を受けたいというよりは、条件の合う人がいたらな、くらいの気持ちで、サイトではなくSNSを通じて、5人ぐらいの方に会いました。なかなか条件に合う人は見つからず、話は進みませんでした」

 諦めかけていたところで出会ったのが、B氏だった。

「主人と容姿が似ていて、主人の卒業した大学と同じくらいの学歴で、奥さんや恋人がいないことなどが条件でした。B氏は主人と容姿の特徴が似通っていて、金融会社で働く京都大学卒という男性でした。本当に奇跡だな、と。でもその人が、結果的に私をだましたんです」

 ここでひと呼吸おき、A子さんが続ける。

「日本人だと思っていたら、中国人でした。10年以上、日本で暮らしているので、日本語はペラペラでしたけど。奥さんがいることも後でわかりました。京都大学卒というのも大ウソ。それでも信用してしまったのは、感じのいい人だったこと、名前は伏せつつも社員証を見せられたのも大きかった。ネットでの精子提供では、あまりお互いの名前を明かさないことが多いのですが、彼は下の名前だけ教えてくれました。日本人の名前だと思いきや、後から中国人の名字だとわかったんです」

 とはいえ、それは後の祭り。A子さんはB氏の言い分をすべて鵜呑みにしていた。

 精子の提供は、'19年4月から始まったという。A子さんが振り返り、詳細を明かす。

「6月に妊娠がわかるまで、週に2、3回だったと思います。私の要望で、精子提供は自然な性交渉を通じてお願いしました。毎回通っていたホテル代として総額15万円くらいは私が支払いました」

 人工授精のやり方には『シリンジ法』と呼ばれる、精子を注射器のようなもので吸い膣の中に注入する方法もある。しかしA子さんが選択したのは浮気、不倫という言葉がつきまとう婚外性行為で、ためらうことはなかったという。

 前出・宮崎医師は、

「精子の提供者と性交渉を行う危険性としては性感染症のリスク、夫婦間以外で性交渉をすることによる夫婦関係への悪影響などが考えられます」

  と危うさを指摘するが、夫に知られていないA子さんに葛藤はなかったのだろうか。B氏からは口頭で、性病歴、精神病の罹患歴、家系全体の遺伝病などがないことを伝えられていた。


B氏の素性を調べ出すA子さん
 
「私たち夫婦は深い信頼関係で結ばれている」と胸を張るA子さんが、なぜ異性をやすやすと受け入れることになったのか。真相はこうだ。

「私には中学生になる息子がいるのですが、息子と生まれてくる赤ちゃんに差をつけたくなかったんです。自然に妊娠して授かっている長男と同じように、自然に妊娠したかった思いがありました。

 主人のことを考えると、性交渉を行わないで人工授精するほうが適していると思います。夫を裏切ることになっても、生まれてくる子どものことを選んだということです」

 夫に疑いの目を向けられることなく、B氏とのセックスは10数回に及んだようだ。

 A子さんには、いつ妊娠しても夫に告げられる土壌もあった。それは日常的に夫とセックスをしていたこと。妻が夫以外と性交渉するなんて、夫もゆめゆめ想像しないはず。

 A子さんは夫に疑心を抱かれるとはいま思っていないそうだが、精子提供者のB氏に対し、A子さんが疑心を持つ出来事があった。再びA子さんの話。

「6月に妊娠がわかった後も、赤ちゃんについての連絡を、B氏とクライアントとしてとっていました。ところが11月ごろ、急に彼のLINEの態度が粗暴になったんです。“は? お前何考えてんの?”と口調が荒くなってきて。生まれてくる子どもの父親ですから、彼がもし犯罪者だったりしたら取り返しがつかない。それで、彼のことを調べてみようと思いました」

 A子さんはまずB氏の会社の社員寮で聞き込みを行い、B氏の名前を調べた。そこでB氏が実は中国人であるという疑惑が浮上。次に調査会社に依頼し、その結果、B氏の本名、国籍、学歴、家族構成を把握した。

「B氏には、お互い探り合わない約束なのに、会社にまでなぜ連絡するんだ! と怒られました。でも、そもそも初めの時点での話がウソだったことが問題なのです。奥さんがいるのを知っていたら、相手の人間関係を壊したくないと思っていたので、精子提供は受けていなかったはず。一流企業に勤めていることを悪用して人を信じ込ませたわけです。彼には謝罪や説明を求めましたが、まともに取り合ってもらえず今に至っています」

 伝えられていた相手の素性に偽りがあったことを、A子さんは問題視する。

 一方、B氏の言い分はというと……。

「そもそも初めから匿名での精子提供という約束で、お互いの個人情報を詮索しない約束でした。もちろん会社についても、私は何も話していません。初めて会ったときは、ケータイと財布しか持って行っていませんし、会社や家庭関係のことなんて言う必要がないんですよ。学歴については『国立大学卒』とだけ伝えています」

 実際、B氏は結婚していたのだろうか。

「妻や恋人はいるかと聞かれましたが、プライベートについて伝える必要はないので。ただ、妻はいます。後にA子さんが妻のフェイスブックのメッセージに連絡をしたことで、精子提供をしていたことは知られてしまいました。妻と私の間に子どもはいません。こんな状況でも離婚するつもりはないと言ってくれてます。

 経歴をはっきり伝えなかったことに関しては罪悪感もありますし、後悔もあります。国籍についてはそもそも聞かれてすらいないんです。もし聞かれていたら言いましたよ」

 そればかりかB氏は、

「むしろ私は彼女に脅されているんです」

  という主張を始めた。


当初は妊娠目的だったがその後も続いた“関係”
 
「私はあくまでボランティアとして匿名の精子提供を行っています。A子さんから謝礼をもらったことはありません。

 彼女が妊娠したのは昨年の6月ですが、それ以降も何度も会いたいと言われ、同じホテルで会っていました。7月、8月、9月とずっと会って、そのたびに性交渉もしています。私は妊娠したところで役割を終えていたはずなので断っていたのですが、彼女にしつこく迫られていたので……」

 ボランティア精子提供でしかないはずの2人の関係が、いつしか男女のドロドロ愛憎劇に形が変わり始めていた。

 B氏が事実関係をつなぐ。

「彼女とは今年の3月まで会っていて、身体の関係を求められました。嫌です、と断ると、ネットで誹謗中傷されました。私は彼女に対して恋愛感情はありませんが、彼女は私に好意があります。LINEで、何度も妻と別れて結婚してほしい、と迫られています。何度も断っています」

 確かにLINEの画面には《いっぱい仲良しして、子孫をいっぱい繁栄しようね》《Bちゃんのエッチは気持ちいい》などと、性交渉や結婚を迫るA子さんのメッセージが大量に送られていた。夫について《主人おじさんすぎて臭い》《DVをされている》などといった記述もある。

 当初は妊娠目的であっても、30代のA子さんが20代のB氏と「週に2、3回」のセックスを3か月近く行えば、そこには快楽も生まれ、情もわく。恋に落ちてしまうことだってある。それを冷静に制御できなかったのだろうか。

 A子さんは、

「確かに、妊娠が発覚した後も、何度かB氏といつものホテルで会っています。性交渉もしています。いま思えばおかしいですよね。どちらから誘ったのかはよく覚えていませんが……」

 と、あいまいにしつつも、妊娠後も性交渉があったことを認めた。

 “ウソ”の精子で妊娠し、出産したことを放置できないA子さんは、弁護士に相談し、警察署にも駆け込んだ。B氏は事情を聞かれ、妻にも会社にも精子提供の事実がバレ、肩身が狭い。「今後、精子提供をすることはない」と唾棄するが、赤ちゃんに対する責任は持ち合わせている。

「彼女と本気で争うことになったら、旦那さんにすべてを知られることは明らかです。もしA子さんが離婚することになったら、生まれた赤ちゃんを養うことは難しい。そうしたらどうやって彼女は生きていくのでしょう。私は多国語を操ることができ、職も安定しています。万が一のときは、子どもの親権を主張する考えもありますし、妻にも承諾を得ています」

 2人の愛憎劇の幕がいつ下りるのか、当事者にもシナリオは見えていないようだ。両者の言動から浮かび上がるのは、精子提供ボランティアに潜む、あいまいさゆえの危険性だ。

 前出・宮崎医師は、

「日本産科婦人科学会としては認めていませんが、ネットの精子提供は法律で明らかに禁じているというわけではないので、横行するのでしょう」

 と今後の広がりを見通す。

  医療機関の介在しない人工授精がネット上で野放し状態の今、母体や精子提供者の身体的・精神的安全を担保する施策が早急に求められる。




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ヒトの精子の減少が加速、70年代から6割減、「このままではほとんどの男性が不妊状態に

2024年12月25日 11時03分51秒 | 医学と生物学の研究のこと

>しかし、減少を加速させているものは何かという問いには、誰もはっきりした答えを持っていない。

レビーン氏は、原因は一つではなく、いくつもの化学物質が環境中で混じり合い、それぞれのマイナス効果が拡大されてより大きな問題になってしまったのではないかと考えている


ヒトの精子の減少が加速、70年代から6割減、「このままではほとんどの男性が不妊状態に
11/18(金) 17:00配信








原因不明で打つ手は見えず、男性の様々な健康問題にも関連



成熟したヒトの精子を、カラー走査電子顕微鏡で撮影したもの。それぞれの精子は全長が約65ミクロンで、大きく頭(赤い部分)、首、尾(青い部分)に分けられる。(DR TONY BRAIN, SCIENCE PHOTO LIBRARY)


 今から5年前、男性の精子の数が激減しているという研究結果が出され、人類滅亡の危機かと騒がれた。そして今回、新たに発表された研究によって、精子の数はさらに減り、しかもそのスピードが速まっていることが明らかになった。 

ギャラリー:驚異のミクロワールド――顕微鏡写真コンテスト2022 写真13点  5年前の研究は、2017年7月25日付けで学術誌「Human Reproduction Update」に発表された。それによると、北米、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドの男性の精子を分析したところ、1回の射精に含まれる精子の数が1973年から2011年までに50%以上減少していたという。その後、同じ研究者が率いるチームが2014年から2019年までに公開された精子サンプルの研究結果を分析し、これを以前のデータに付け加えた。新たなメタ分析は、世界的な傾向を知るため、中南米、アフリカ、アジアを含め1万4233人分のサンプルを使用した。 

 すると、精子の総数は70年代に比べて62%減少していたことが判明。そればかりか、1年ごとの減少率は2000年以降2倍になっていた。この結果は、11月15日付けで同じく「Human Reproduction Update」に掲載されている。

 「数の減少速度は緩やかになるどころか、激しい落ち込み方です。減り方の程度としては全体的にほぼ同じと言えますが、近年に注目すれば加速していることがわかります」と、米ニューヨーク市にあるマウントサイナイ医科大学の生殖・環境疫学者で、論文の共著者でもあるシャナ・スワン氏はコメントする。

 「ある時点で下げ止まるのではないかと期待していたのですが、その反対のことが起こっているようです。このままではほとんどの男性が不妊状態になるところまでいって後戻りできなくなるか、健康面で他の問題が現れてしまうのではないかと懸念しています」と、論文の筆頭著者でイスラエル、ヘブライ大学ハダッサー・ブラウン公衆衛生学部の医学疫学者であるハガイ・レビーン氏は話す。


増える不妊症、原因は男女で同じ割合


 不妊症は主に女性の問題だと思われがちだが、米アイオワ大学先端生殖医療センターの生殖生理学者で体外受精・男性病学研究室長のエイミー・E・T・スパークス氏によると、男性が原因の不妊は女性が原因の不妊とほぼ同じ割合で存在するという。

「女性の方が男性よりも先に不妊症の相談に行くことが多いため、誤解が生まれたのでしょう」と話す。医学界では、不妊症全体のうち男性不妊が3分の1、女性不妊が3分の1を占め、残りの3分の1は男性側の原因と女性側の原因が組み合わさったものであるというのが共通の認識だ。 

 しかし最近のデータは、

精子の数が減っている男性の割合が急増していることを示しています。そうなると、パートナーを妊娠させられなくなってしまうかもしれません」と、デンマーク、ロスキレ大学とコペンハーゲン大学病院の分子毒性学者のデビッド・M・クリステンセン氏は指摘する。

「これは家族の中だけでなく、社会全体にとっての問題です。イタリアや日本など、多くの国では既に人口が縮小し始めています」。なお、クリステンセン氏は今回の研究には関わっていない。 

 問題は生殖能力だけにとどまらない。精子の数の低下は、男性の様々な健康問題に関連付けられている。米スタンフォード大学医学部の男性生殖医学・外科学部長で、泌尿器学教授のマイケル・アイゼンバーグ氏も、この研究には参加していないが、

精液の質と全体的な健康には関連性があるとされています。精巣がんや心臓疾患、若年死のリスクと関係しているという研究もあります」と話す。  

クリステンセン氏も、「精子の数は男性の全体的な健康の指標として見ることができます」と言う。  

実際、2018年2月26日付けで医学誌「Andrology」に掲載された論文では、精子の濃度が低い男性の入院率が高いことが示されている。精子の数が少ないとされる1ミリリットル当たり1500万未満の男性と、1ミリリットル当たり5100万~1億の男性を36年間にわたって比較したところ、前者の方が何らかの理由で入院する割合が53%高くなっていた。これは、体重や喫煙の有無、その他の要因を差し引いても変わらなかった。





男性ホルモンや母体中の環境も影響


 一つ注意しておきたいのは、精子の数の少なさはそれだけが単独で起こっているわけではないということだ。精子の数の低下は、男性ホルモンであるテストステロンが低いことや、子宮内にいる男児の生殖器の発達と関連性があると、スワン氏は言う。 

 スパークス氏によると、男性が精子を作るにはテストステロンの量が一定以上でなければならない。また、テストステロンには精子が作られる細胞の温度を調節する働きもある。

「このメタ分析の調査期間中に、テストステロンのレベルも低下していたことが報告されています」 

 母親が妊娠中に何にさらされていたかも、子どもの精子の濃度に影響する可能性がある。妊娠初期は「生殖プログラミング期間」とされ、この時期に母親が特定の環境化学物質にさらされると、それが胎児である男の子の生殖器の発達に不可逆な変化を与えてしまうことがあると、スワン氏は説明する。「子宮内で生殖器が発達しているときに何らかの損傷を受けると、永久に修復できなくなってしまいます」 

 逆に、男性に後天的に与えられた損傷、例えば喫煙や農薬の影響は、それを止めれば解決できる。精子が成熟するまでにかかる日数は約75日であるため、男性には2カ月半ごとに健康な精子を作るチャンスが巡ってくると、スワン氏は指摘する。

世界的な精子数減少の原因は?


 2017年と2022年のメタ分析はいずれも、何が精子数の低下を引き起こしているかについては検証していない。しかし、環境や、喫煙や肥満など生活習慣による要因を示唆する研究はある。例えば、2022年1月15日付けで学術誌「Toxicology」に発表された論文によると、仕事で農薬に曝されると、精子の濃度が低くなったり、泳ぐ力が弱い精子やDNAに損傷を受けた精子が多くなるという結果が出た。また、2018年11月8日付けの医学誌「Human Reproduction」に発表された論文でも、肥満男性の精子は、濃度が低く、数が少なく、泳ぐ力が弱い傾向が示された。  

精子の数の減少が、中南米、アフリカ、アジアの男性にも見られたということは、その原因となる生活習慣や環境因子が世界的に存在することを示唆している。 

 しかし、減少を加速させているものは何かという問いには、誰もはっきりした答えを持っていない。レビーン氏は、原因は一つではなく、いくつもの化学物質が環境中で混じり合い、それぞれのマイナス効果が拡大されてより大きな問題になってしまったのではないかと考えている。または、長い時間をかけて繰り返しさらされたことが影響しているのかもしれないという。

  最新のメタ分析には50年分のデータが含まれていることから、スワン氏は何世代にもわたって環境化学物質の影響が蓄積することで問題が加速するのではないかと考えている。母親が妊娠中にさらされるのと同じ化学物質や生活習慣の要因(不健康な食生活、喫煙、肥満など)に、胎児もさらされる。そして誕生後、これが次の世代へと受け継がれる。また、母親だけでなく父親から受け継がれる可能性もある。母親の子宮内で、父親からの精子のなかにある何かが生殖器の発達を妨げる原因になっているのかもしれない。 

 これらの環境化学物質や有害な生活習慣にさらされる世代が今後も増え続ければ、その影響は蓄積する一方かもしれない。







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人間は130歳まで生きられることが判明、ただし運次第

2024年12月22日 03時03分35秒 | 医学と生物学の研究のこと
>「110歳を超えた人が130歳まで生き残る確率は、コインを20回投げたときに連続で表面が出る確率とほぼ等しいです。

この可能性は100万分の1未満だそうです。

2021/10/01(金) 10:20



人間は130歳まで生きられることが判明、ただし運次第 


人間の寿命の限界を導こうとする研究は数多く行われており、これまでに「人間の寿命は115歳で頭打ちする」「人間の寿命は120~150歳が限界」「人間は105歳を超えると死ににくくなる」といった研究結果が報告されています。

 新たに、スイス連邦工科大学ローザンヌ校で統計学教授を務めるアンソニー・デイヴィソン氏が率いる研究チームによって「人間は非常に運が良ければ130歳まで生きられる」とする研究結果が報告されました。

人間の寿命に関する研究は、これまでに生物学的手法や統計学的手法によって行われてきました。例えば、2021年に発表されたバイオテクノロジー企業geroによる研究では、健康な20~80歳の被験者から歩数データや血液検査結果を収集し、ストレスを受けてから血液の状態や歩数が通常時の水準に回復するまでに必要な時間をモデル化して、「人間の寿命は120~150歳が限界である」という結論を導き出しています。

人間はいったい何歳まで生きられるのか? - GIGAZINE



統計学的な手法を用いた研究としては、ローマ・ラ・サピエンツァ大学の研究チームによって行われた「2009年~2015年の間で105歳を超えていたイタリア国民3836人分のデータを分析して死亡率を算出する」という研究が知られています。この研究の結果、人間の死亡リスクは年齢と共に上昇するものの、105歳を超えると死亡リスクの上昇が緩やかになることが示されました。

人間は105歳を超えると「死ににくくなる」という傾向が判明、人類はまだ寿命の上限に達していない可能性も 


新たに、デイヴィソン氏が率いる研究チームはローマ・ラ・サピエンツァ大学が用いたイタリア国民のデータに加えて「アメリカ・カナダ・ヨーロッパの11カ国から収集された、110歳に達した高齢者1100人以上のデータベース(International Database on Longevity)」を用いて、年齢と死亡リスクの関係を分析しました。

分析の結果、人間の死亡リスクの上昇は年齢が上がるほど緩やかになり、110歳を超えると死亡リスクがほぼ一定になることが明らかになりました。

デイヴィソン氏は110歳を超えた人は「来年も生きられるか否かを決めるコイン」を毎年投げているようなものだと述べ、

110歳を超えた人が130歳まで生き残る確率は、コインを20回投げたときに連続で表面が出る確率とほぼ等しいです。このようなことが起こる可能性は100万分の1未満であり、近い将来に発生する可能性はほとんどありません。

しかし、110歳を超える人の数が増えれば、21世紀中に130歳に達する人が現れる可能性があります」と語っています。

なお、2021年9月30日時点での世界最高齢者は、日本人の田中カ子(かね)さんで、2021年1月2日に118歳の誕生日を迎えています。





(以下略、続きはソースでご確認下さい)

Gigazine 2021年09月30日 21時00分 


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