不倫激増…? コロナ危機の中で生まれた「新しいセックス様式」
量産型女子」が狙われている
トイアンナ
ライター
ライター
新型コロナウイルスがもたらした「新しい生活様式」。飲み会が減り、ライブなど密になるイベントは避けられ、少人数で旅行に行く……。そんなスタイルが一般化したなかで、「セックス観」はどのような影響を受けただろうか。
多くの人は「みんな、セックスをしなくなった」と想像したはずだ。恋愛コラムを書いている私も、同様に考えていた。3密や濃厚接触を避けるなら、セックスという究極の濃厚接触は減って当然だろう。
ところが、現実は予想の斜め上だった。日本のコンドームメーカー、ジェクスが2020年2月の新型コロナウイルスが流行り始めた時期に実施した大規模調査が明らかにした「新しいセックス様式」は、予想を大幅に裏切ったのだ。
不倫経験者が大幅に増加
以前、私は相模ゴム工業の調査を根拠に、20~30代の男性のうち3割が浮気・不倫をしていると書いた。これは2018年のデータである。今年のジェクスによる調査では、20代男性の54.7%、30代では52.0%が「現在、パートナー(恋人や結婚相手)以外の人とセックスをしている」と答えた。
過半数の20~30代男性が、パートナー以外とセックスをしている。たった2年間で3割から5割になっているなんて、日本は不倫大国になってしまったのか!? と、データを見たときは震えた。
……さて、ここで男性ならピンときた方もいるだろう。この調査には「風俗で抜いた」経験も含まれている。したがって、いわゆる不倫・浮気ではなくとも、風俗へ行けばカウントされてしまうのだ。
「風俗も浮気だ!」という意見もあるとは思うが、ひとまず特定の相手と長く関係を続ける、世間一般でイメージされる不倫・浮気以外もこの数字には入っていることはご理解いただきたい。とはいえ、同じジェクスの過去の調査と比較しても「特定の相手以外とセックスした」と答えた比率は男女問わず20%以上増えている。
日本が新型コロナウイルスのもとで謎の風俗大国にでもなっていない限り「浮気・不倫がとてつもない勢いで増えた」のは否定できそうにない。
今、実は不倫しやすい!?
この状況でまさか浮気や不倫だなんて、と思うのが率直な反応かもしれない。だが、冷静に「不倫をする側」のメンタリティで想像してみると、今ほど浮気・不倫しやすい時期はない。理由を列挙してみよう。
【バレにくさ】
・在宅勤務の増加により、会社へ出社する人が減った。職場で出会った人と不倫している場合、独身側の家で在宅勤務をしていても会社側は察知できない。さらに、在宅勤務とはいえ「100%在宅勤務」の会社は少ない。家族へ「今日は出社日だから」と言って家を出て不倫相手と落ち合っても、家族へバレにくい。
・外でデートする機会が減った。自宅/ホテルにこもってのデートが増えたため、浮気・不倫相手と外で手を繋いで歩いていたら本命とばったり……なんて事故が起きにくい
【濃厚接触減に伴う人恋しさ】
・人に会う機会が激減しており、人恋しく感じている男女が増えた。普段なら浮気、不倫をしない層であっても、寂しさを動機に一線を超えてしまえるかもしれない。
・人に会う機会が激減しており、人恋しく感じている男女が増えた。普段なら浮気、不倫をしない層であっても、寂しさを動機に一線を超えてしまえるかもしれない。
【出会いやすさ】
・新型コロナウイルスの影響で「遊び目的」で相手を探す人たちが目的を隠さなくなった。平常時であれば、たとえ遊び目的でも「恋人候補を探している」とプロフィールに書かなければ相手にしてもらえなかった。
だが、新型コロナウイルスの影響で婚活人口は昨年比64%減少。この状況でアプリを使って出会いを探すのは相当真剣な人か、本気で遊びたい人しかいない。「ホテルで会える人募集」といったどぎついプロフィールでも、同じ目的同士でマッチングしやすくなっている。
【コスト減】
・Go To施策でホテルや飲食店のコストが下がり、浮気・不倫にかかる経済的負担が減少した。
……と、実際に自分が男遊び・女遊びをしようと思えば、いくらでも動ける環境にはなっているのだ。
実際に遊んでいる人はこう語る
実際に、遊び目的でマッチングアプリTを使う会社員の20代男性から話を聞いた。
「めちゃくちゃ出会いやすいですよ、今。アプリ入れたときは『いま出会うやつなんていねーだろ?』と思ってたんですけど、遊んでる友達から『今は入れ食い』だと教えてもらって。
実際、プロフィールに『一緒にラグジュアリーホテルで遊んでくれる子募集』みたいな、かなり直接的な言葉を入れたのに連絡がマジできます。女の子もずっと家に引きこもってるからヤリたいんでしょうね。ホテルで待ち合わせて、そのままエッチして解散してます。
逆にエッチまでの流れが楽すぎてつまんないかも。ナンパって、相手の心をつかんでヤりたい気持ちにさせるところが楽しい側面もあるじゃないですか。でも今の出会いは、いきなりサッカーゴールにボールを蹴りこんでる感じ。だから意外と遊んでないっすよ。ほんとですって」
実際に携帯の画面を見せてもらったが、可愛い女性と次々にマッチングしていた。
男性「待ち合わせホテルだけどいい?」
女性「いいですよ」
男性「密を避けたいんだよね」
女性「ですよね」
女性「いいですよ」
男性「密を避けたいんだよね」
女性「ですよね」
と、目を疑うようなやりとりが起きている。密を避けて出会い、濃厚接触するとはこれいかに……?
狙われる「量産型女子」
男性いわく、ねらい目は「これと言って特徴のない量産型女子」だそうだ。顔、服装やプロフィールにポリシーが感じられる女性は、男性を選ぶ基準もハッキリしているのだという。それに対して量産型女子は、グイグイ口説いてくる男性を受け容れる傾向にあるらしい。
私は女性ライターとしてしっかり付記しておきたいが、全ての女性がそんな風だと誤解されては困る。服にこだわりがないから量産型っぽい外見なだけで、芯はしっかりしている女性も大量にいるはずだ。だから、この男性の発言はあくまで「マッチングアプリで、男性がプロフィールに遊び目的と書いても反応してくれる女性」の中での話だろう。
とはいえ、婚活・恋活用途で広まったマッチングアプリが、体目的の出会い場としても活用されている今はやはり異常事態である。このままでいいのか、日本……と思いながらも、筆者は人様へ説教をする立場ではないため、モヤモヤしたまま筆を置くことにする。