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東京都立高入試、英語スピーキングテストにさらなる瑕疵 本当に厳正な採点が行われたのか

2023年02月25日 20時18分43秒 | 受験のこと

東京都立高入試、英語スピーキングテストにさらなる瑕疵 本当に厳正な採点が行われたのか〈AERA〉


2/24(金) 18:00配信
58コメント58件

昨年11月に、都内の公立中学校の3年生ら7万1千人あまりを対象に実施されたスピーキングテスト。都立高校入試にも利用される(撮影/朝日新聞社)


 複数の採点ミスの発覚に、平均点に関する疑念──。今年度導入された英語スピーキングテストは、都立高入試の合格発表を控えるいまも反対運動が続いている。なぜ次々に疑念が生まれるのか。

 【図表】不受験者のほうが有利?

逆転現象とは

*   *   * 

音漏れに、前半組の解答の声が後半組に聞こえる会場設計の不備、学習指導要領からの逸脱、不受験者に仮得点が与えられることで起こる「逆転現象」など、数々の問題点が指摘されてきた英語スピーキングテスト「ESAT-J」。都立高校入試の一部として、昨年11月に初めて行われたこのテストは、東京都教育委員会(都教委)が事業者と共同実施。タブレットを用いて受験生の解答音声を録音し、フィリピンで採点する方式で行われた。

その結果は、3月に合格発表を控える都立高校入試の総合得点の一部として利用される。1月にスピーキングテストの結果が返却された後にも、新たな問題が浮上した。誤って低く採点された受験生が8人いたというのだ。 複数の採点者が気づかないなんて 

 都教委はトラブルの原因を、「8人の解答音声データの一部に、一定の機械音のみが録音され、解答音声が確認できない箇所があることが判明した」とする。京都工芸繊維大学でコンピューターを使ったスピーキングテストを開発・運営してきた同大名誉教授の羽藤由美氏は、今回のトラブルについてこう話す。 

「これは『解答音声の回収トラブル』と呼ばれるものです。回収できない理由はさまざまですが、通常はいくつものケースを想定し、システムを構築します」

  都教育庁の瀧沢佳宏指導推進担当部長は都議会文教委員会での答弁で、「(最初に)機械で波形をチェックし『無音』の場合はバックアップファイルで採点したが、『音が録音されている』ものに関しては確認をしなかった」としている。  羽藤氏は言う。 「機械音などの雑音が入るのは、当然想定しておくべきトラブル。録音された解答音声が極端に小さいことなどもあります。『無音』のケースしか想定していなかったことが信じられません」


 最初のチェックをすり抜けた「機械音」の解答。都教委の説明が事実なら、それらの解答の一つひとつを、2人の採点者が耳で聞き、並行採点をして結果を出したはずだ。複数の人間が、シャーという機械音に気づかないことなどあるのだろうか。

 「問題のある解答の採点に関わった複数の採点者が、誰ひとり機械音の解答に気がつかないままで採点を終わらせたことも信じられません。

 採点ミスが知らされたのは、願書提出締め切り前日の2月6日。14日に再提出ができるとはいえ、突然の採点ミスの連絡に受験生は戸惑ったはずだ。なぜこんなタイミングになったのか。 

「解答音声を希望者全員に開示することになったからかもしれません。成績を出した後で、開示に備えて事業者が解答音声を確認した結果、ミスを公表せざるを得ない事例が見つかったのではないでしょうか」(同) 

 さらに、テストの等化が適正に行われたのかとの疑念も指摘されている。 本試験と追試で平均点が約9点も違う  

今回のように本試験と追試・再試験が行われる予備日で「同じ仕様で異なる問題」が使われるテストでは、二つのテストの難易度や、採点の「あまさ・からさ」をそろえる統計処理(等化)が必要となる。受験者の能力を、「同じものさし」で比べるための作業だ。 

 本試験(平均60・77)と予備日(同52・16)の平均点が、8・61違うことに疑問をもったアオヤギ有希子議員(共産党)が、都議会文教委員会でこれら二つのテストを「等化したのか」「したならどのようにしたのか」を質問した。

だが都教育庁の瀧沢氏は、

「質問の趣旨が正確にわかりかねる」として答えなかった。羽藤氏は言う。 「ここははぐらかすのではなく、『等化している』と断言しなければならなかった場面です。本試験と予備日の間に生じた大きな平均点の差は、受験した生徒の能力の差を表すものであり、『問題の難易度や採点のあまさ・からさは影響していない』と都教委が断言できないようでは、異なるテスト版の成績を比べて合否を決めることはできません」 

 もし、予備日の問題の難易度が高かったために、平均点が大幅に下がったのならば、予備日の受験生が不利になる。  

さらに羽藤氏は言う。 

「等化された複数のテスト版を作るには高度な専門知識と入念な準備が必要です。今回のように全ての問題を公開しながら、たった3回のプレテストを行っただけでそれが可能とは常識的には考えにくい。このような状況で、本試験と予備日の平均点に大きな差が生じた場合は、事業者が行った等化がうまくいっていないことを疑ってみるべきです。しかし都教委には、事業者の仕事を検証しようという姿勢が見られず残念です」

  試験後に保護者や専門家から湧き上がった平均点に関する疑問は、これだけではない。 

 今年度の平均点は、これまで3年間のプレテストに比べて、おおよそ7点アップしている。都教委は「教育の成果」と発表しているが、羽藤氏は首をかしげる。

 「リーディングやリスニングならまだしも、スピーキングにおいて東京都の中学生全体の能力がたった1年間で跳ね上がったと見るのは非現実的。やはりここでも、異なるテスト版の等化がうまくいっていないことをまず疑ってみるべきだと思います」

以下はリンクで


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ルフィ事件の黒幕は相当な大物」懲役4年半喰らった“闇バイト”スカウトマンが語る犯罪集団の組織図

2023年02月23日 09時03分05秒 | 事件と事故



ルフィ事件の黒幕は相当な大物」懲役4年半喰らった“闇バイト”スカウトマンが語る犯罪集団の組織図

>「“OS”(オレオレ詐欺)と違って“ルパン”(窃盗)だと、ひとつの案件で3人ほどがグループになり交通費、宿泊費、レンタカー代、バールや作業着代など、費用は計20万円ほど。ところがOSとなると、掛け子や受け子、見張りなどで最低4、5人必要なうえに、名簿代や足がつかない電話機代などで、500万円は必要になる。“叩き”(強盗)だと、かかるカネはルパンとそう変わらないが、人数は5、6人は必要です」 


2/14(火) 6:01配信
67コメント67件

2月7日に送還され、憮然とした表情を見せた今村容疑者

「『ルフィ』らは、いくらなんでも強盗のやり方が雑すぎる」  そう語るのは、かつて特殊詐欺容疑で逮捕され、4年半服役した経験を持つ中山則文氏(仮名・40代)だ。 

【画像あり】一目でわかる「悪の階級社会」図  

フィリピンを拠点に特殊詐欺事件に関わったとして、強制送還とともに逮捕された渡邉優樹(38)、今村磨人(38)、藤田聖也(38)、小島智信(45)の4容疑者。東京・狛江市の強盗殺人事件など、連続強盗事件への関与も併せて捜査されるが、彼らの上に「黒幕」がいるのかも焦点になっている。

  中山氏は、自身の経験から「黒幕はいるはずです。“OS”(オレオレ詐欺)を組織的にやるにはかなりの予算が必要ですからね」と話す。 

「“OS”(オレオレ詐欺)と違って“ルパン”(窃盗)だと、ひとつの案件で3人ほどがグループになり交通費、宿泊費、レンタカー代、バールや作業着代など、費用は計20万円ほど。ところがOSとなると、掛け子や受け子、見張りなどで最低4、5人必要なうえに、名簿代や足がつかない電話機代などで、500万円は必要になる。“叩き”(強盗)だと、かかるカネはルパンとそう変わらないが、人数は5、6人は必要です」 

 なぜ、ここまで中山氏は詳しいのかーー。彼は、実際に「闇バイト」と称して、素人を犯罪集団にスカウトする「リクルーター」を務めているからだ。ルフィらの逮捕で、社会問題になった闇バイトだが、

今のところ、応募者数は減っていない」と、中山氏は言う。

 「警察は今回のルフィ事件を徹底的に調べるだろうし、今後は動きづらくなる。ただ、下火にはなるが、犯行自体は続いていくと思うし、実際、私に依頼するグループは、今も強盗を計画しています」 

 ルフィ一味の犯行規模が巨大なことを、中山氏は犯行計画に必要な予算から考えて、指摘している。 

「掛け子を数十人募り、フィリピンに渡航させ、かなりの期間、人数分のホテルを借りる。その分よけいに費用がかかるので、2000万円ぐらいの予算が必要だったと考えます。それを出せる黒幕は、相当な“大物”ではないか」 

 予算が2000万円かかったとしても、一連の特殊詐欺事件の被害総額は60億円以上。実行グループに報酬を分配しても、ルフィらの黒幕にはかなりの金額が渡っているだろう。 

 中山氏は、計画的な特殊詐欺や強盗・窃盗の場合、ピラミッド状の組織が作られると明かした。  

今回逮捕されたルフィ一味で、トップとされる渡邉容疑者は「まとめ役」、それ以外の3人は「番頭・班長」にあたるとみられている。こうしたピラミッド型の組織が、日本全国に複数存在し、中山氏はそれらの組織の「箱」と呼ばれる無数の実行犯グループに人材を手配するという。

 「闇バイトの募集をネットに出せば、1日に2、3人は応募してくる。ハキハキと電話で話し、自分から質問してくるやつは合格。逆に自信なさそうにおどおど話し、質問してこないやつは不合格。自分の頭で物事を考えないやつは、“仕事”のシミュレーションができないから危ない。遅刻したり、大事なときに連絡が取れないやつも使えない。 

 実行犯は、けっして使い捨てじゃないですよ。ちゃんと仕事をこなすやつには、次は金額がより大きい仕事を回すルパンを1件こなして実行犯がもらえるのは、奪ったカネの約10%。いいときで200万~300万円ぐらい。何件も仕事をこなしたやつは、番頭・班長に昇格できる。ただ、叩きはよほどじゃないとやらない。殴る、縛るはリスクが大きいし、捕まれば当然、懲役も長い

  強盗の場合、ピンポイントでカネを奪いたい事情があると、在京暴力団関係者は話す。 

「組を破門になった元組員が、確実にカネの在り処がわかるという情報や、名簿を流すケースがある。なかには、ヤクザの身内を狙うこともある。そもそも、暴力団内では『強盗や特殊詐欺に手を出すな』という通達を出している。責任追及が上部団体にまで及ぶからだ。今回、黒幕に北海道の暴力団の名前が浮上していて、ある指定暴力団は、自分の組が関与してないかとひやひやしながら見ているようだ」  

ルフィ一味の逮捕で、強盗犯罪への警戒を解くのは早すぎる。


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狛江強盗殺人事件に関与で逮捕〉中野区強盗事件の永田被告「肩にドクロの刺青あり。将来の夢は彫り師」。広島市強盗殺人未遂事件の加藤容疑者「ホスト転身後に無免許ひき逃げ」ともに少年院に送致された過去も…

2023年02月23日 00時03分17秒 | 天候のこと

狛江強盗殺人事件に関与で逮捕〉中野区強盗事件の永田被告「肩にドクロの刺青あり。将来の夢は彫り師」。広島市強盗殺人未遂事件の加藤容疑者「ホスト転身後に無免許ひき逃げ」ともに少年院に送致された過去も…



2/22(水) 21:15配信
47コメント47件
集英社オンライン

連日報道される特殊詐欺グループによる連続強盗事件。犠牲者を出してしまった東京都狛江市の事件で逮捕された永田陸斗被告(21)と、容疑が固まりしだい逮捕される加藤臣吾容疑者(24)。両容疑者はいったいどんな人生を歩んできたのか。親しかった友人が語る。

 【画像】狛江市強盗殺人事件に関与したとして連行される福島容疑者


加藤容疑者と永田容疑者は 広島の強盗殺人未遂事件にも深く関わる

全国を震撼させた特殊詐欺グループの本丸ともいえる事件が急展開をみせた。

 東京都狛江市の住宅で大塩衣与さん(90)が殺され、高級腕時計などが奪われた事件で警視庁は2月22日、実行役とみられる野村広之容疑者(52)と、東京 中野区で去年起きた強盗傷害事件で逮捕・起訴された永田陸人被告(21)、それに石川県内で先月、偽造免許を使ったとして逮捕された19歳の大学生、事件に使われたレンタカーを手配したとみられる福島聖悟容疑者(34)の合わせて4人を強盗殺人などの疑いで逮捕した。

 広島市で昨年12月に起きた強盗殺人未遂事件で逮捕された加藤臣吾容疑者(24)についても、容疑が固まり次第逮捕する。 いずれも昨年5月から全国で30件以上発生した、連続強盗事件の複数に実行犯として関与しているとみられる。

 一連の事件でフィリピンの入管施設に収容されながら、スマートフォンの通信アプリ「テレグラム」などを駆使して実行犯たちを遠隔操作していた今村磨人容疑者(38)や渡邉優樹容疑者(38)ら4人の指示役は別の詐欺事件で逮捕、すでに日本に移送済みで、警視庁は今後、この狛江強盗殺人事件への関与についても厳しく調べを進める。 

被害者の大塩さんは今年1月19日、狛江市の自宅地下1階で両手首を縛られた状態で殺害され、腕時計3本など60万円相当が強奪された。犯行に使われたレンタカーからは指示役らとのやり取りの記録が残った携帯電話が見つかっており、他の押収物とともに警視庁が解析を進めている。

 一連の事件の中でも最も荒っぽく、量刑も極めて重い強盗殺人の実行犯たちはどんな人物なのか。

 「加藤と永田の2人は極めて粗暴で、ともに広島市の事件に深く関わっています。

この事件は広島市西区の住宅を兼ねる貴金属店に加藤らが宅配業者を装って侵入、現金250万円と高級腕時計や貴金属90点(時価2160万円相当)を強奪。

この際に店主の男性がモンキーレンチで殴られて急性硬膜下血腫で重体に陥り、今も意識不明が続いており、顔などを殴られた店主の両親も全治2週間のケガを負っています」(捜査関係者)



両容疑者ともに少年院に送致された過去


2人は少年時代から手のつけられない存在だった。

 「京都市出身の永田の父親はDVがひどく、幼い頃に両親が離婚し、弟とともに母子家庭で育った。母思いの優しさがある反面、粗暴な一面もあり、恐喝や傷害事件を起こして少年院に入った。高校中退後に金沢に移住してから建設作業員などをしていましたが、パチンコや競艇が好きで、負けては借金を膨らませていた。 

加藤は埼玉県川口市出身で中学生時代に両親が離婚、千葉県に引っ越してからは万引きや自動販売機荒らしを繰り返し、やはり少年院に入っています。出所後は大阪に居を移し、ホストになったものの他人の車を無免許運転してひき逃げ事件を起こしたり、勤務先から200万円盗んで逮捕されるなど根っからのワルです。結婚歴もあるし顔もいいので、女のヒモになって暮らす技術は持ち合わせているようです」(社会部記者)

 根っからのワルだった2人だが、永田被告と親しかった友人は事件の大きさに衝撃を受けつつも、集英社オンラインの取材にこう答えてくれた。

 「金沢に行った理由は知りませんが、仕事先でお世話になっていた方についていったと聞きました。元からお金に余裕がなかったけど真面目に仕事をして、親に恩返しすると言ってました。優しくて面白くて人の気持ちを考えて行動できる人で、私がしんどい時は支えてくれたこともありました。 2年前に『京都に戻るから会おう』と連絡がきましたが、『仕事が忙しくて会えない』と言ったら怒り出して、それ以来、音信不通でした。今回のニュースで陸人くんが映っていてビックリです。土木系で朝から夜までしっかり働いていたのを知っていたので、本当に驚きました」


肩にドクロの刺青…将来の夢は彫り師だった


前出の友人は、永田被告が語っていたある夢についてこう述懐する。 「『将来の夢は彫り師になることや』と言ってました。彼は肩にドクロの入れ墨を入れていて、以前から興味を持ったみたいです。元々、絵が好きで暇さえあれば絵を描いていたし、すごく上手でした。 中学卒業後は高校に行くという選択肢はなかったそうです。だから、仕事するしかなかったんだと思います。でも、高卒資格は取りたいとたまに言ってました。 

ご家族のことはほとんど話したことがなく『親孝行したい』としか言わなかった。ある時、『お金がほしい』と言って変なサイトにアクセスしようとしたことがあって、私が見とがめてからはやめていたと思ったんですけど……

陸人くんは人に頼まれると断れないタイプでした。付き合ってる彼女もいたと思いますし、その彼女にダサいところを見られたくなくて、お金に目がくらんだんだと思います。 あの見た目で、彼女には『プリクラ撮りたい! 一緒に〇〇したい!』と甘えたり、寝る前の電話やLINEの返事が遅いと少し拗ねたりするんです。ちょっと束縛系かもしれませんね。

優しいけど、自分の気持ちが踏みにじられたと感じると、すぐ手が出てしまうんです。 陸斗くんはあまり地元では遊ばないタイプで、ずっと私の家でゲームしたりして遊んでました。友達の話は一度や二度ぐらいしか聞かなかったです」 複数の凶悪事件に実行犯として関与してしまった永田被告が、身を案じる友人らと“シャバ”で会える機会が果たして訪れるのだろうか。捜査の進展が待たれる。

 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班


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替え玉受験」すると内定は絶望的…企業が「ズルい大学生」を見抜く凄まじい対策

2023年02月22日 11時03分07秒 | 雇用と職のこと



「替え玉受験」すると内定は絶望的…企業が「ズルい大学生」を見抜く凄まじい対策(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース 





「替え玉受験」すると内定は絶望的…企業が「ズルい大学生」を見抜く凄まじい対策

2/22(水) 8:03配信
12コメント12件

替え玉受検で高得点のはずなのに

photo by gettyimages

 2020年代以前から横行していながら逮捕事例はゼロだった適性検査の替え玉受検。  

それが2022年に初の逮捕者を出したことは前編記事「就職試験で「替え玉受験」がバレた…依頼した女子大生・受験した「京大院卒エリート社員」の哀れな末路」で示しました。

 【写真】早慶、上智、明治…史上初の学部別「序列ランキング」を全公開する!  

後編となる本記事では、この替え玉受検による効果について解説していきます。  

前編記事でも示したように、替え玉受検を依頼して書類送検された就活生はいずれも内定を得るところまでは行っていません。 

 一部報道では、数十社依頼した中で最終選考まで残った企業は数社程度だった、とも言われています。  

私はこの書類送検された就活生を取材したわけではありません。  ただし、替え玉受検を依頼しながら内定を得られず苦戦した就活生、あるいはそうした就活生を落とした企業・採用担当者は相当数、取材しています。

実は替え玉受検の不正対策は簡単

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 替え玉受検で内定を得られない理由を知るには適性検査の前提条件を知る必要があります。 

 主なもので3点、「適性検査で精度の高いものは企業側負担が高額」「能力検査と性格検査はセット(ばら売りは基本なし)」「適性検査の利用方法は企業次第」、これらを理解しておく必要があります。 

 まず、1点目、「適性検査で精度の高いものは企業側負担が高額」。 

 企業側が適性検査の結果を重視していても、選考序盤から高額な適性検査を利用していては、それだけで莫大な利用料金が発生します。 

 しかも、自宅受検であれば、簡単に不正できてしまうことは、企業側も熟知しています。 

 では、どうするか実は結構、簡単で適性検査を2回実施すればいいのです。  

1回目は不正しやすい自宅受検、選考中盤ないし終盤に2回目を実施、こちらは会場受検です。会場受検は企業の会議室などを利用して対面式で実施されます。  

選考の中盤・終盤だと選考に参加する就活生も相当、絞られていますから人事担当者は就活生とも顔見知りになっています。ここで替え玉受検はほぼ不可能。 

 適性検査を2回実施、そのスコアに大きなかい離があれば、不正をしたことが簡単にあぶりだせてしまいます。企業からすれば、躊躇なく落とすことができます。  

適性検査の2回実施は、他のパターンとしては「同じ問題を改めて対面式で解答させる」「面接中の口頭試問で数学の問題を出す」などもあります。 

 この簡単、かつ、効率的な不正対策によって、替え玉受検をした就活生は内定まで行きつかないのです。



就活生が軽視する部分での選考落ちも
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 2点目「能力検査と性格検査はセット(ばら売りは基本なし)」と3点目「適性検査の利用方法は企業次第」はまとめて解説します。

  この前提条件をなぜ示したのか、と言えば、企業によっては「能力検査はそこまで重視しない。性格検査をより重視したい」とするところがあります。具体的には接客業務の多い、小売・流通・アパレルなどの企業、職種だと販売職、一般職では、こうした企業が多いようです。

  ところが適性検査のばら売りはほぼしていません。そうなると、企業としては、適性検査の導入をあきらめるか、能力検査をそこまで重視せずに性格検査を利用するか、二択となります。しかし、適性検査を全くスルー、という選択を企業はほぼしません。  

そこで、後者(能力検査を重視せず性格検査を重視)を選択するわけですが、こうした企業では、当然ながら替え玉受検の効果が全くありません。

  いくら能力検査で高スコアとなっても、それを企業側は重視していないのですから。 それどころか、替え玉受検の自称・代行業者が受検した性格検査では、当然ながら自称・代行業者の性格が示されることになります。 

 その性格検査の結果が企業の求める人物像から大きくかい離していると、適性検査の段階で落とそう、という話になります。 

 ある小売業界の採用担当者はこの事情を次のように話します。 

 「うちは適性検査では能力検査よりも性格検査を重視しています。例年、1~2割くらいは適性検査の段階で落ちますね。落ちる就活生の相当数が能力検査のスコアは極端に高く、性格検査はたぶん、難関大出身のエリートなんだろうなあ、という共通点があります。

  社内でも色々話して、おそらくは替え玉受検だよね、と。正直、うちで替え玉をしてもムダなんですけどね」


不正対策をくぐり抜けたとしても
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 2022年11月に書類送検された就活生は報道によれば、数十社の替え玉受検を依頼。その企業の内訳や具体名は出ていません。

  しかし、性格検査を重視している企業や2回実施などで不正対策をしている企業であれば、最終選考の前に落ちたとしても、不思議ではありません。

  それから、クレジットカード会社は最終選考で落ちた、との報道もありました。金融関連の企業は、数的処理能力を重視します。

  そのため、適性検査の2回実施(または数学の口頭試問実施など)で替え玉受検による不正対策を実施したことは容易に想像できます。 

 それでも、不正対策をくぐり抜けて内定に至った就活生もいるでしょう。では、そうした就活生が社会人となって幸せか、と言えば、私はそうとは思えません。  

内定後に替え玉受検が発覚、それによって内定取り消しとなる可能性もあるでしょう。2020年代以前は、そうした話がなかったとしても、警視庁の捜査方針が変わった以上、内定取り消しのリスクは高まった、と言えます。



入社後の発覚で低評価も
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 内定取り消しまで行かなくても、想定されるのは、社内での冷遇です。能力検査のスコアを偽って入社したのであれば、企業からすれば、その社員は数的処理能力が高い、という前提で接します。

  大企業を中心に、入社後も昇進等でテストを課すところもあります。 

 そうした社内テストや仕事などを通して、その社員に数的処理能力が高いか低いかははっきりしていきます。能力が低い社員であれば、適性検査での替え玉受検が疑われて、人事評価などは著しく落とされることになります。

  昇進や昇給、部署異動でも本人の希望から大きくかけ離れたものになるでしょう(もちろん、他の部分で高いパフォーマンスを残すことができれば話は別ですが)。 

 まとめますと、適性検査の替え玉受検は百害あって一利なし、なのです。  適性検査、特に能力検査は地道な努力を続ければ、きちんと回答できるようになります。『これが本当のSPI3だ! 』(講談社)などを活用して、勉強することを強くお勧めします。  

さらに連載記事『「低学歴」な大学生を切り捨てる、就活「学歴フィルター」の過酷な実態』では、適性検査の実態について、学歴に応じた選別機能という側面から紹介します。



石渡 嶺司(大学ジャーナリスト)


https://news.yahoo.co.jp/articles/c5286303a772cf72bf2620e602474a48db4a2a95
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【新型コロナ】ブースター接種の繰り返し、免疫系に悪影響の恐れ-EU当局が警告

2023年02月22日 03時03分00秒 | 感染症のこと 新型コロナウイルス

ブースター接種の繰り返し、免疫系に悪影響の恐れ-EU当局が警告


2022/01/12(水) 07:51:15.

欧州連合(EU)の医薬品規制当局は11日、新型コロナウイルスワクチンのブースター(追加免疫)接種を頻繁に行うと免疫系に悪影響を及ぼす恐れがあると警告した。

  欧州医薬品庁(EMA)は、4カ月ごとのブースター接種を繰り返すと最終的に免疫力が低下する可能性があると指摘。各国はブースター接種の間隔をより空け、インフルエンザ予防接種戦略で示された青写真のように寒い季節の到来に合わせるべきだとの見解を示した。

オミクロン変異株、数週間で欧州人口の半数以上が感染も-WHO

  オミクロン感染が急速に広がる中、一部の国は2回目のブースター接種を行う可能性を検討している。イスラエルは今月に入り、60歳以上を対象に4回目のワクチン接種(2回目のブースター)を開始。英国は現時点では2回目のブースターは必要ないが、必要に応じてデータを見直すとしている。

   ブースター接種についてEMAでワクチン戦略などの責任者を務めるマルコ・カバレリ氏は「一度や二度ならともかく、何度も繰り返すべきと考えるものではない」と指摘。「現在のパンデミック(世界的大流行)の状況から、よりエンデミック(地域的流行)の状況にどう移れるかを考える必要がある」と記者会見で語った。 




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