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それでも、君は医師になる覚悟があるか  新型コロナで変わるのは…【必勝!医学部入試

2025年01月19日 11時03分00秒 | 医学部と医師の育成のこと
思い起こせば1年前。新元号「令和」が発表され、経済も比較的、順調でした。ところが、今は世界中で新型コロナウイルス感染症が深刻化。

感染拡大は人々の健康だけでなく、経済活動にも大きな打撃を与えています。いつになったら感染が収束するのか。収束をしても不景気が続き、経済が元通りに回復するには、かなりの年月を要するのではないでしょうか。


 
元通りの学校生活に戻るのはいつになるのか。来年の入学試験が今まで通りに実施されるかも分かりません。

米証券大手リーマン・ブラザーズ経営破綻に伴う金融不安で、世界主要市場の株価が軒並み下落したことを示す都内の株式ボード (2008年09月16日)
【時事】        
 

5・3・2020
 ◇不況期は理系、中でも医学部
 
 医学部を志望する受験生にとって、新型コロナの影響はどのようなものになるのか。これを考える前に、過去に起きた大規模な経済不況や災害が医学部受験に与えた影響について振り返ってみたいと思います。

 日本は何度も経済危機に襲われました。過去30年間でも、2008年リーマン・ショック、1997年の金融危機、1991年のバブル崩壊などがあり、多くの大学卒業生が就職できない事態が発生しました。

 不景気になると何らかの資格と直結したり、手に職をつけたりできる理系学部の人気が高くなる傾向があります。

 バブル崩壊時、私は予備校で働いていましたが、この時は団塊ジュニア世代の受験期と重なり、今とは比較できないほどにどの大学も難化し、多くの浪人生が発生。大学を卒業しても長く続く就職氷河期が待っていました。

 当時、予備校で医学部クラスの担任をしていた私は、医学部人気が高まるのを肌で感じていました。九州のある中高一貫高校の先生から「東大に合格できる学力の生徒の多くが医学部へ志望を変更するので困っている」との話を聞いたのもこの頃でした。

  成績優秀者の中には「東大・京大よりも医学部」と考える人が増え、今もこの傾向は続いています。年功序列や終身雇用が崩壊。大企業でも安泰ではなくなり、不祥事が続く国家公務員も魅力が薄れ、医学部人気が加速しました。

東日本大震災で押し寄せる津波(2011年03月11日 岩手・陸前高田市広田町)[西條広さん提供]【時事】        
 


 ◇自然災害と社会貢献
 
 日本は大規模な自然災害に何度も襲われています。戦後も1995年の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災、最近では2016年の熊本地震などが発生。毎年のように大水害も各地で起きています。 ::PAGE_BREAK::

 自然災害の発生時は、現場で活動する医療関係者や自衛隊、ボランティアの姿がテレビや新聞などで伝えられ、困っている人を助ける「社会貢献」が多くの人々に感動を与えました。

 そんな姿を見て医師をめざす小学生、中学生、高校生も現れました。確信はありませんが、東日本大震災の頃から、医師をめざす理由として「社会貢献」を挙げる人が増えてきたように思えます。

  この少し前から、地方を中心に医師不足が深刻化してきて、多くの医学部で入試区分の一つに「地域枠」を設けました。「地域枠」は、卒業後に地元の医療に貢献してくれる受験者を集めるのを目的としています。地域医療を支えることは立派な「社会貢献」となるため、志願者の増加につながりました。

使命感で働く医師 
 新型コロナの感染が拡大した今、私たちはテレビやインターネットなどで、最前線で闘っている医師を中心とした世界各地の医療関係者をリアルタイムで見ています。現場で働く生々しい姿は、医師という仕事の大切さや重み、大変さなどを、私たちに提示してくれました。

 医療関係者は、名誉やお金のために働いているのではなく、純粋に病気で苦しんでいる人を助けたいという使命感で身を粉にして活動しています。そのような姿に敬意を払い、医師になって社会貢献をしたいと考える人はますます増えるのではないでしょうか。

  その一方で、感染リスクが高い医療現場で長時間の勤務を強いられ、常に自身の命が危険にさらされてる姿には誰もが心を痛め、生半可な気持ちでは医師にはなれないと感じた人も多いかと思います。
  ◇それでも医師になりたいなら
 
 一昔前は、勉強だけできれば医学部に合格できました。ところが10年くらい前から、徐々に学力以外も求められるようになってきました。具体的には「医師志望の理由」や「将来の医師像」「高校時代の過ごし方」「協調性」「協働性」などが、問われます。

 医学部の面接試験で質問される「医師志望の理由」はとても大切になります。そこでは目標や使命、夢、責任などを、面接官に自分の言葉でしっかりと説得力をもって伝えなければなりません。単に「人のために役に立ちたい」「社会貢献したい」「地域医療に貢献したい」「父の病院を継ぎたい」などが理由では、面接官から高評価を得ることができません。

 今後、医療の世界は、AI、ロボット医療などが導入され、大きく変化すると言われています。新型コロナ収束までは、初診からパソコンなどを使ったオンライン診療も解禁されることになりました。ウイルスや細菌などから身を守る防疫やワクチンの開発などの研究分野も、各国がますます力を入れるのではないでしょうか。面接試験に向けては、こうした動きを頭に入れておくのも大切です。

 学校が休校になっている人も多いかと思います。いま一度、自分が本当に医師になる覚悟があるのかを考えてみてはいかがでしょうか。そして、「医師志望の理由」だけでも文章にしてみてください。これからはより一層、面接試験の時にその覚悟が試されると思います。

  そして、いつ入学試験が実施されてもいいように、英語や数学、理科など、志望する医学部に合格できる学力を身につけておくことが大切なのは言うまでもありません。 (医系専門予備校メディカルラボ 山本雄三)

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人間の「献体」と「解剖」…その知られざる手順をご存知ですか

2024年12月28日 15時30分30秒 | 医学部と医師の育成のこと
人間の「献体」と「解剖」…その知られざる手順をご存知ですか

↑ネットより

この実習なくして医師になることはできない
 
 解剖――生物の体を切り開いて、その形態・構造や病因・死因などを調べることをいう。なかでも、人間の解剖には、次の3つの種類がある。

【写真】死ぬ瞬間はこんな感じです。死ぬのはこんなに怖い

 (1)人体の構造を調べるための解剖。「正常解剖」と呼ばれる
(2)死後、すぐに病変を調べるための解剖。「病理解剖」と呼ばれる
(3)変死体の死因を調べるための解剖。「法医学解剖または司法・行政解剖」と呼ばれる

 (3)のケースは、テレビドラマなどでよく見かけるだろう。だが、(1)のケースの「正常解剖」、そしてそれに必要不可欠となる「献体」という言葉を耳にしたことはあるだろうか。

 この「献体」とは、「正常解剖」で、医師を志す医学生などが実習を行う「ご遺体」を指す。自身の遺体を、医学・歯学の大学における解剖学の教育・研究に役立たせるために無条件・無報酬で提供することを意味する。

  すべての医学生は、6年間の大学生活の中で約3ヵ月の1学期期間、篤志(とくし)として献体された人体を解剖する。この実習なくして医師になることはできない。また、看護師を目指す学生も解剖見学実習は必須である。
     
日本医科大学大学院医学研究科・小澤一史教授        
 


献体をした人は13万5000人に達している
 
 日本篤志献体協会によると、篤志献体団体は全国に62団体、献体登録者数は30万人ほどで、そのうちすでに献体をした人は13万5000人に達している。医科大学、歯科大学などにある各団体は、それぞれ名称を持ち、独自に登録者を募集し、登録者の死亡が確認されると、遺族から連絡をもらい遺体の搬入に向かう。

 日本医科大学大学院医学研究科の小澤一史教授が言う。

  「日医大の白菊会では現在、献体登録された生存会員が約800人いらっしゃいます。およそ年間25人から30人の方が献体されています。これまでに、3000人の皆さんに献体していただきました」
祖父、祖母、両親も献体
 
 工芸家の吉村美香さん(仮名・62歳)と夫の浩さん(仮名・64歳)は、6年前に日本医科大学白菊会の会員となった。これは、自分が死亡した場合、献体として自分の体を寄贈するための会員登録である。美香さんが言う。

 「我が家はかなり特殊なんですが、そもそも母方の祖父が日医大の生理学の教授だったこともあって、日医大に献体しました。祖母は膵臓癌で亡くなって病理解剖されました。大学教授だった私の父は、7年前に亡くなって献体、設計士だった母も3年前に膵臓癌で亡くなって献体しています」

 そして美香さんと浩さんは、美香さんの母が亡くなった直後に献体の会員登録をした。

 「私も何の迷いもなく母が亡くなった直後に会員登録をしたんです。夫も日医大の先生にお世話になったことがあったので、自然に申し込んだんです」

 驚くのは、美香さんの両親だけでなく、夫の浩さんのご両親も献体していることだ。

  「夫の両親もうちの両親が登録していることを知って、『それはいいことだ』と喜んで登録したんですね。二人とも既に亡くなっています」

決意の署名
 
 美香さんの手元には、会員番号が記入された会員証とカード型の会員証、そして「同意書・承諾書」があった。

  同意書・承諾書にはこう書かれている。「この度、『吉村美香』が貴会に入会し、医学教育及び医学研究のための正常解剖用として遺体を日本医科大学に寄贈することに、私共は心から同意し、かつその意志を実行することを確約いたします。また、献体登録を行うに際して、私共はご遺骨の引き取り者となることをここに承諾いたします」――。そして、その下の欄には夫と長男と長女の氏名と捺印、住所が記されていた。
 亡くなったその日に…
 
 では、実際に献体登録者が亡くなると、どんな経緯で献体に至るのか。美香さんが言う。

 「うちの場合は、特に宗教がないので、お通夜や告別式もしませんでした。だから、亡くなった直後に日医大に連絡して、その日のうちに遺体を載せるストレッチャーが入る車が来ました」

 通常ならば、通夜、告別式を済ませてから引き取りにくるケースがほとんどらしい。

  「それからは、私たち遺族は特に何もすることもなく、後日盛大にお別れの会を開きました。父の場合も母の場合も遺骨が戻ってきたのは、2年後くらいでしたね」
献体の「意義」
 
 日本篤志献体協会の資料によると、献体の理念とは「医の倫理に立脚した良医の育成を目的とし、無条件・無報酬で自己の遺体を提供すること」とある。

 この献体の歴史はきわめて新しい。

 「解剖学実習」が、医学・歯学教育の中で、最も大切な基礎となる課程といわれながら、実習に必要な遺体が不足し、解剖学教育に大きな支障をきたした時代があった。
特に、昭和30年、40年代には医学教育の危機と言われるほど遺体が不足していた。そのため医科大学や歯科大学の職員が高齢者施設などに出向き、また警察などで身元不明者の遺体の提供を願い出たりしていたのだ。

 前出の小澤教授が言う。

 「それが、1983年(昭和58年)に『献体法』という医学と歯科学の法律が国会で決議されて、国の認めた法律として献体を国がバックアップすることになったんです。私が1984年に大学を卒業して、その時に母校の恩師の解剖学教授が解剖学会の理事長をやっていて、ちょうど献体を法制化するというタイミングでした。私はまだ学生でしたが、教授から『いつかこの重みが君らにもわかるからな』と言われたのを覚えています」

  日本医科大学では、毎年、その年に献体された方の遺族への「返骨式」、さらに献体のみならず、病理解剖、法医学解剖など解剖に遺体を捧げた故人のための「慰霊祭」も行っている。

体の地図」を知ること 
 「解剖は必須科目ですから、それをやらないと医者にはなれません。簡単に言うと、解剖は『体の三次元的地図』を知ること。地図がわからない人が、メスを入れられるわけはないですからね」と小澤教授は言う。

 現在、日本医科大学には1学年120~130名の学生がいる。献体された一人の遺体を4~5名の学生で解剖していく。基本的には、遺体を預かった順に解剖していって、2、3年後には遺骨にして遺族にお返しするわけだ。

 献体から解剖に至る流れはどうなっているのだろうか。小澤教授が言う。

 「家族の方は一刻も早く預けないと、とおっしゃる方もいますがご遺体の保存方法も現在ではかなり進んでいますし、ある程度お葬式が終わって、ご家族のお別れが済んだところまででも十分大丈夫ですよ、とお話ししています。それでも亡くなって2週間などということはまずないので、最長でも1週間、大体死後4、5日くらいでお預かりすることが多いです」

 大学に到着した遺体は、まず防腐処置が施される。

 「昔を知る皆さんは、ホルマリンの大きなプールみたいなところにご遺体が入れられると想像されるんですが、今はそういうものはありませんね」(小澤教授)

 遺体は、足の付け根の大腿動脈から血管に保存のための固定液が入れられる。それはホルマリンやアルコールの混ざった防腐剤である。

 「そうして血液と入れ替えるのです。続いて、ご遺体を一人用のプールのような箱に沈めます。そこには浸漬固定用の固定液が入っていて、体の中に液体を入れるのと同じように、一体一体行われます。つまり、中からの『固定』と外からの『固定』をするわけです。これで2年から3年の間、遺体は亡くなった時の状態の姿を保つことができます。

 この『固定』の作業は大事なポイントなんです。この作業はプロじゃないとできないので、専門の技術を持った『解剖技術員』が行います」

  そこから、一体一体が保存用のロッカーのような冷蔵庫に安置され、解剖の時を待つ。

悔いを残さないように
 
 献体登録している人が亡くなると、まず大学に連絡が来る。

 「遺族から『どうすればいいでしょうか? 』と問い合わせの連絡が入ります。そこで、まずは家族がどうしたいかという要望を聞きます。それから亡くなった経緯を知らないといけないので、病院にかかっていれば主治医の先生に連絡をとり、どういう病気で、どんな経緯で亡くなったかをインタビューさせてもらいます。

 そして生前に本人及びご家族の意思は確認しているんですが、最終的にご家族の方に再確認します。もちろん気が変わる方もいて当然ですからね。

 慌てないで最終確認をしていただいて、『迎えにきてもらっても結構です』となって初めてお迎えにいくスケジュールを打ち合わせします」

 献体を拒否されることもあるのだろうか。

 「ご家族の同意が得られないと言うケースは時としてあります。『あの時はそうだったんだけど、気持ちが変わった』ということもあれば、ご家族は賛同していても他の親族が反対というケースもありました。そうなってくると我々がどうこういう問題じゃないので。とにかくご家族第一ですから、よく相談して欲しい、と言うしかない。皆さんが悔いを残さないようにするのが大事ですからね」

  一方、受け入れられないケースもある。たとえば、感染症で死亡したご遺体などは、処理をする技官、実習を行う学生にも感染リスクがあるためだ。また、交通事故などで遺体の損傷が激しい場合も受け入れられないこともあるという。
 帰りを待ちわびて…
 
 小澤教授には、忘れられない体験がある。教授は、現在の大学に赴任する以前、京都の医科大学にいた。その当時は、返骨には教授自らも行くようにしていたと言う。

 「ある時、奥様が亡くなられて、献体され、実習後に残されたご主人にご遺骨を届けた時のこと。私がそのお宅に到着すると、80歳になるご主人が玄関先にすっくと立って、モーニング姿で奥様をお迎えになっていたんですね。その姿を見て、電気が走ったようになりました。

  『ああ、本当に奥様の帰りを待ちわびていたんだ。大切な奥様のお体を捧げていただいたんだ。我々はこの気持ちを守るため、医の倫理を守ることに決して妥協してはいけない』と改めて思いました」

君たちの先輩でもあるんだ」 
 解剖の実習は、4月から7月まで、週に3~4回、午後から5、6時間ぶっ通しで行われる。

 「この期間が学生たちにとって、初めてのそして最後の解剖実習となるわけです。ずっと同じご遺体と向き合うわけですから、長い付き合いになります。僕は『この人は、君たちにとって第一番目の、ものを言わない患者さんだ。そして同時に君たちの先生でもあるんだ』と伝えています。

 解剖とは、基本的に『人間の体の構造を知る』のが目的です。そのために、何一つの無駄にしないやり方で行います。皮を切って剥がし、脂肪を除去します。この作業が大変なんですが、そうして削り落とした脂肪も皮もケースに入れて保管します。そして、すべての臓器、すべての骨も細部に至るまで学生たちに観察させます。

  解剖が終了すると、今度は骨も臓器もすべて元あった場所に戻して復元するんです。そして、みんなで納棺するわけですね」
 「人間なんだ」
 
 最後の最後、納棺の際に蓋を閉める直前、棺に「故柩紙(こきゅうし)」と呼ばれる故人の名前が書かれた札を貼る。

 「その時、学生たちはご遺体の生前の名前を初めて知るんです。『ああ、人なんだ』とね。3ヵ月の間、彼らは生命活動を失ったご遺体しか知らなかった。ところが、最後の最後に名をもって人生を過ごした一人の人間なんだという当たり前のこと、しかし重い事実を改めて思い知るんです。ハッとする瞬間です。でもそこで、自分たちは人間を相手に学んできたということを改めて痛感して欲しい。その時に、ハッとした感覚を一生持って医療の場で活躍して欲しいと強く思うのです」

 実習が始まる直前、小澤教授は献体登録をした生存会員の方に講義をしてもらうと言う。

 「将来私は解剖台に載ります、という方です。どんな気持ちで献体を希望したか、実はまだ家族の承諾は得ていないとか、思い思いに喋っていただきます。学生はショックですよ。『この人が近い将来、解剖台に載るのか』と想像しますから。そうした会員の方の言葉を聞くと、学生たちの空気が変わります」

 小澤教授は、解剖実習は教育の場でもあると同時に人間教育の場でもあると言う。

 「医師としてどうあるべきか、と学生たちも考えるんです。僕らは『死体』という言葉は使いません。『遺体』と言います。なぜ『遺体』というかは、君たちが一生かかって勉強してくださいと彼らに言います。

 生と死について初めて真剣に考えて、悩む学生もいる。自分はこれでやっていけるのかどうかとも…。

  彼らは、実際に医療の現場に行ったら、今度は『生きる』、『生かす』ということも悩むことになります。解剖実習とは、『哲学を感じる場』だと私は思っています」




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数学も英語もデキる優秀人材の無駄遣い…日本経済をダメにしている「高すぎる医学部人気」という大問題

2024年12月15日 08時03分24秒 | 医学部と医師の育成のこと
数学も英語もデキる優秀人材の無駄遣い…日本経済をダメにしている「高すぎる医学部人気」という大問題


2022/12/05(月) 20:17:15.2022



数学も英語もデキる優秀人材の無駄遣い…日本経済をダメにしている「高すぎる医学部人気」という大問題 最優秀の理系人材を医師にするのはもったいない
八幡 和郎 徳島文理大学教授、評論家

 この数年、進学先として「医学部」を選ぶ高校生が急増している。
 評論家の八幡和郎さんは「医師は経済的、社会的にオイシイ職業だから、そうした進路を選ぶのは理解できる。
 しかし、優秀な理系人材が医学部に集中すれば、日本経済の低迷を加速させることになる」という――。

(以下略、続きはソースでご確認ください)

PRESIDENT Online 


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高まる医学部人気の裏で...「偏差値が高いが人を診られない医師」を減らすにはどうするか

2024年12月13日 13時03分43秒 | 医学部と医師の育成のこと
高まる医学部人気の裏で...「偏差値が高いが人を診られない医師」を減らすにはどうするか

12/10(土) 11:52配信
2コメント2件


<医療を受ける側のひとりの人間として、医療や医学を考えるプロジェクト「MEdit Lab 順天堂大学STEAM教育研究会」が発足。中高生から学ぶ、「リベラル・アーツ的医学」とは?>【小倉加奈子(順天堂大学医学部 人体病理病態学講座 先任准教授)】



Ableimages-iStock.
医学部人気が続いている。医療系の学部は、卒業して国家試験にパスすれば、大学で学んだ知識がそのままダイレクトに仕事に生かせるというのはとても魅力的であるし、どんな状況においてもなんとか食べていけるだろうということで、その人気もうなずける。 

【動画】2100年に人間の姿はこうなる しかし、その一方で大学入学後に進路を変更するのは難しく、また、専門以外の様々なジャンルについて学び、教養を深めていくことについては、個々の学生の自覚や努力によるところも大きい。 ボランティア活動も積極的に行い、コミュニケーション能力を育みつつ、医学以外の科目を専攻して学部時代(Undergraduate)を過ごし、それからメディカル・スクールに進学する欧米のシステムでは、別の学問を学んできた知識と経験、そして社会での医療の在り方を考える時間もある


 一方、日本の場合は、高校時代、場合によっては中学時代から医学部入学のための効率的な受験勉強に向かう場合が少なくなく、受験に関係のない文系科目にはほとんど触れないというケースもある。また、理系科目が得意で偏差値が高いからという理由で、なんとなく医学部進学を目指す高校生も一定数いる。 医学部入試を見事、突破して、「これこそ自分が学びたかった学問だ!」と、医学の勉強に開眼できれば幸せだし、医師になるまでに、様々な医療問題にも多少の関心を持ちながら、「将来はこういう医師を目指したい」という目標がおぼろげながら見つかるのであれば幸運だろう。 


しかし、実際には入学してから過酷な医学部カリキュラムについていけなかったり、興味が持てなかったりするという悲劇も起きている。医師として不可欠なコミュニケーション能力に大きな問題を抱える学生がそのまま医学部を卒業し、医師国家試験に合格し、研修医となってしまうケースもある。 自分が卒業してからどんな医師になりたいのかもわからず、医師という職業に関心が持てなかったり、そもそも、患者や仲間の医療スタッフと対話ができず、診療を進めていくこと自体の能力がない場合、医師として生涯を全うするのは厳しい。 そもそも「医学は医学部で学ぶもの」という認識から改める時期に来ているのではないだろうか。 現在、初等あるいは中等教育において、生活習慣病やがんの教育を行う試みが進んでおり、筆者も東京都からの要請で、公立の小・中・高等学校にがん教育の授業を行うこともある。 


現場の先生方に話をうかがうと、外部講師が来るのは数年に1回程度であり、ふだんは養護や保健体育の先生が教科書を使って授業を行っているという。専門的な内容も少なくないため、教科書に記載されていることをたどるのが精いっぱいであると聞く。


 さらにここ数年は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、感染症の授業も追加されているとのこと。教える内容はほとんど医学の内容に近いにもかかわらず、先生方の技量と努力にゆだねられている状況で、サポート体制も十分ではない。 


本来、医学は実学であり、社会の中で医療として実践されるものである。医師の仕事であるカルテの記載、インフォームド・コンセントやお看取りの方法や統計データの分析も、小学校から学んできた国語や数学や社会や道徳などの授業とは、切っても切れない関係にある。 コロナ対策を考えるうえでも、医学の専門知識だけで対応することはできない。そこに必ず付随してくる差別や貧富の格差などの社会問題を合わせて考察していく必要がある。 


2022年11月、順天堂大学に「MEdit Lab 順天堂大学STEAM教育研究会」が発足した。サイトでは、中高生、保護者や教員が楽しんでもらえる医学にまつわる情報を提供している。 今後は、STEAM教材を活用する授業や中高生の先生方の保健体育教育のサポート、中高生や大学生、そして順天堂大学に所属する医師をはじめとした様々な医療スタッフが、一緒になって医学を学ぶワークショップの開催なども予定されている。 

「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の造語であるVUCAといわれる現代社会において、本当に人々を幸せにしていく医療とはどういう形をとるべきなのか。 そのためには、医療スタッフだけではなく、医療を受ける側の人々とともに考えていく場がもっと必要なはずである

上記の研究会の活動が、小・中・高等学校における医学教育のひとつのモデルになっていくことが望まれる。

小倉加奈子(順天堂大学医学部 人体病理病態学講座 先任准教授)




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慶応の特待生制度 “最大で総額1000万円”を断った学生が行く東大理Ⅲはどんな場所?

2024年06月28日 17時03分58秒 | 医学部と医師の育成のこと
↑理Ⅲの学生が進学する、東京大学医学部です

入試は最難関ですが、
みんなが素晴らしい医師になるかというと
?の印象ですがw

慶応の特待生制度 “最大で総額1000万円”を断った学生が行く東大理Ⅲはどんな場所? (msn.com) 



慶応の特待生制度 “最大で総額1000万円”を断った学生が行く東大理Ⅲはどんな場所?

日刊ゲンダイDIGITAL の意見 • 4 時間前


東京大学医学部付属病院(C)日刊ゲンダイ

© 日刊ゲンダイDIGITAL
【過熱する医学部受験】#2


私立大医学部で圧倒的な力を誇るのが慶応。治療・研究スタッフの陣容、施設の充実度、関連病院の数など、どれをとってもナンバーワンであるのは衆目一致するところ。偏差値でも他を寄せつけず、私大系頂点の医学部として君臨してきた。


6年間の学費は2206万円。かつては私立で一番安かったが、他校が次々に値下げに踏み切り、23年度は私立31校中5位になっている。「他が学費を下げたからといって、人気はまったく揺らいでいない。学生の質も非常に高く、国公立をも凌駕する」と自信たっぷりに話すのは同大の内科系の教授だ。
とはいうものの、慶応側も他校の学費値下げの動向には敏感に反応している。優秀な学生を集めるべく、8年前から特待生制度を導入。一般入試の成績上位10人前後に返済の義務のない奨学金を支給するようにしたのだ。1~4年次に毎年200万円が支払われる。5~6年次は進路によって、さらに100万円ずつが支払われ、最大で総額1000万円の支援を受けることができる。


ただ、せっかくのこの制度も、大学側の期待通りには機能していないという。特待生は合格発表時に公表されるのだが、その全員が入学するわけではないからだ。実際に権利を行使するのは半数程度。年によってはそれ以下になることも。特待生になっても、他大学に流れてしまうのである。


「特に目立つのが東大理Ⅲです。私立の医学部を併願する場合、慶応を選ぶ受験生が多い。理Ⅲに合格するレベルだと慶応にも受かっていて、その大半は上位に食い込んでいるのです」(大手予備校医学部コース・スタッフ)


大学受験最難関とされる理Ⅲ。「運が悪くて落ちることはあっても、運が良くて受かることは決してない」と評されるだけに、合格者の地力は抜きんでている。


「文系の学部でも簡単に入る学力を持っている。弁護士も目指したいが、それは後回しにするという受験生もけっこういる。医師の資格は大学に行かないと取れないので、とりあえず理Ⅲに入るというわけです」(同)


■千葉大や東京医科歯科大にも合格した場合は…


出来すぎる受験生にかき回されて、慶応の特待生制度も「本来の役割を十分に果たせていない」と医学部関係者は嘆く。一方、前出の教授は「一定の効果は上げている」と成果を強調する。「理Ⅲは別にして、特待生が千葉大医学部や東京医科歯科大に合格した場合はうちを選ぶケースが多い」というのだ。


この2校は3年前に授業料を値上げし、6年間の学費は414万円(他の国立大は350万円)になっている。それでも、慶応の特待生のほうがまだ、だいぶ高い。


「将来を考えると、慶応医学部のネームバリューは大きい。ネットワークもしっかりしている。多少の出費はすぐに元が取れる」(慶応出身の開業医)


特待生か国立大か……。どちらにしても、ゼイタクな悩みである。


(田中幾太郎/ジャーナリスト)




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