和泉の日記。

気が向いたときに、ちょっとだけ。

あとがきらしきもの。

2010-06-14 19:54:24 | いつもの日記。
通常、あとがきは一通り話が終わってから書くんですが、「すくえあ。」に限っては
いつ終わるか分からないので適当にあとがいていきます。

そんなわけで、3話目は、変態カップルによる変態プレイ、でした。

ぶっちゃけ、この話ができたときに「あ、いける」って思ったんですよねー。
「すくえあ。」は全体的にこんな話ですよ、的なお話。
変態だー!

女装趣味はないんですが、僕も化粧をしたことはあります。
バンドやってたんで、ライブのときとかに。
でも、相当適当だったんで、詳しいことは覚えてないし分かりません。
結果、女装描写はテキトーです。
いつものことですね。
もう少し頑張って女装しとけば良かったかしらん。
・・・そこまで魂削ってねぇです。

ちょっと分量が多くなっちゃいましたね。
というか、前2話が少し少なかったんですよ、多分。
もうちょっと水増ししたいな。
めんどくせー。
今確認したところ、3話目は223行くらいですね。
うん、別段多すぎるわけでもなさそう。
今後、これくらいの分量を基本にしていきたいと思います。
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すくえあ。(3)

2010-06-14 19:29:56 | 小説。
今、東城雅美の目の前には――信じられないほど美しい少女がいた。
白く透き通る肌に、眩く映えるセミロングの黒髪。
やや垂れ気味の黒目がちな瞳。
すっと通った鼻筋、薄いグロスに彩られた柔らかな唇。
淡い水色のワンピースに、上からピンクのカーディガンを羽織っている。
腕も足もほっそりとしており、まだ幼さを残した印象だ。
それはまるで、人形のような計算された完璧な美貌。
雅美は、ほう、と溜息を吐く。
何て美しい。
――だけど、やっぱり足りない。
究極とも言える美少女を目の前にして尚、彼の脳裏に浮かぶのは誠のことであった。
多分、10人中9人は、誠よりもこの美少女の方が美しいと答えるだろう。
しかし、雅美は残るひとりの方だ。
どうしても、この少女では誠の持つ美しさには勝てないと思った。
そして、同時にそんな人が自分の恋人であることを心から誇らしく思うのだった。
「さてと」
雅美の声と同期して、少女の唇が動く。
「今日は、このままどこか買い物にでもいこうかな」
にっこりと、雅美は目の前の少女――鏡に写る自分に向かって微笑んだ。

雅美の趣味は、女装である。

小学校高学年の頃、母親の化粧道具をこっそり拝借して口紅を引いたのが最初。
その時、胸の奥に何だかむず痒いものが芽生えたことを自覚した。
中学に上がって、自ら安物のファンデーションと口紅、マスカラを買った。
鏡の中で、自分がみるみる美少女になっていくのがたまらなく心地良かった。
昔から女みたいだと揶揄され、少しばかりむっとしていたのだが、それもどうでも良くなった。
それから、スカート、ウィッグと揃えていき、今では下着も女物である。
高校に入ってからは、その格好のまま近所を散歩することもあった。
なるべく人目につかないようにと心がけているが、不思議と見られたいという欲求もある。
だったら――
ということで、買い物である。
買い物なら、絶対に店員さんから見られることだろう。それに、他の客も大勢いる。
ちょうど、新しいスカートが欲しかったところだ。
これまで全てネットの通販で購入していたが、今日は実際にお店に行って買ってみよう。
そう思うと、お腹の奥の方がむずむずするような、奇妙な疼きを感じるのだった。

ちなみに、両親は雅美のそんな趣味のことを知っている。
最初はちょっと引いていたが、意外に似あうので特に母親はちょっと楽しんでいるくらいだ。
今日はそんな両親も留守にしている。
つまり、女装したまま街に出ようとしても止める人間は誰もいなかった。

と、そこで、来客を告げる呼び鈴が鳴った。
――あ、このまえネットで注文したのが届いたのかな。
丁度いい機会だ、と思った。
自分のこの姿を自ら堂々と見せる最初のひとりは、宅配便のひとにしよう。
そこで違和感を持たれなければ、街へ出るための良い自信になる。
雅美は決心して、女装のままで玄関のドアを開けた。

「・・・あ、すみません、夏目と言いますけど・・・マサミ――雅美君、いますか?」

誠だった。
雅美は硬直する。
――よりによって、このタイミングでマコトせんぱいが遊びに来るなんて!?
表情は変えないまま、パニックに陥る雅美。
どうしよう、どうしよう、どうしよう!?
勿論、誠には自分が女装趣味があるなんてことは言っていない。
割と男らしい誠のことである。女装趣味がバレたら最悪嫌われるかも知れない。
ど、どうやってごまかそう!?
「ええと、雅美君の・・・妹さんですか? あれでも、ひとりっ子って言ってたような?」
幸い、まだ誠は雅美のことに気付いていなかった。まだごまかせる余地はある。
しかし、誠が言うように雅美はひとりっ子である。姉妹だという手は使えない。
友達・・・だと、雅美にいらぬ浮気疑惑が持ち上がってしまう。却下。
単なるご近所さん・・・では、駄目だ。不自然すぎる。
と、なると。
「い、従姉妹っ・・・です」
元々少し高めの声を、さらに高めて精一杯女性のフリをする。
「あー、従姉妹。なるほどー、よく似てますね」
・・・よし、乗り切れる!
「それで、雅美君はいますか?」
「ええと、いま、買い物にでかけてて」
「あ、そうですか。僕も連絡入れずに急に来たものですから、仕方ないですね」
「ええ、すみません」
「じゃあ、直接携帯に電話してみます。失礼しました」
一礼する誠。
そこに。
「こんにちわー、お荷物をお届けに上がりましたー」
今度こそ本物の、宅配業者。
「東城マサミさん、ですか?」
「あ、はい、そうで――」
・・・しまった、と思った時には遅かった。
思わず口を押さえ、ちらりと目だけ誠の方を向く。
今ひとつ状況がつかめていないというような、きょとんとした表情。
そして、ごそごそとズボンのポケットから携帯を取り出し、発信。
間もなく、雅美の胸ポケットから着信音が鳴り響いた。
「・・・・・・マサミ?」
ひくひくと口元を引きつらせる誠に、雅美は最早何ひとつ言い逃れすることはできなかった。

「ま、まさか・・・マサミにこんな趣味があったなんて」
くっくっく、と笑いを噛み殺しながら言う誠。
「う・・・」
恥ずかしさとかバレてしまったという怖さとか、そういうのが綯い交ぜになって泣きそうだ。
――雅美の部屋。
あの後、当然ごまかし続けることもできなくなって、素直に事実を明かした。
ちょっと落ち着いて話でもしよう、ということでそのまま雅美の部屋へ。
ちなみに、誠は既に何度かこの部屋に入ったことがある。
初めて彼女を自室に入れたのが、女装趣味カミングアウトのイベントだった――
という最悪の事態は何とか避けられた。
しかし、状況はやっぱり良くない。
「で、ええと、それってカツラ?」
「え・・・あ、はい。ウィッグです」
「服とか化粧品とかも、自腹で買ってるの?」
「えっと、お母さんから借りることもありますけど、その、基本的には小遣いで」
「ふーん、ほーお、へーえ」
じろじろ、と興味津々に色んな角度から雅美を眺める誠。
男っぽいとはいえ、勿論彼女も女であるから、この辺には一切の遠慮がない。
「あ、あの、そんなに見られると・・・その」
「ん? ああ、ごめんごめん。いや、可愛いなーと思って、ついね」
あはは、と明るく笑う誠。
「えと、その・・・怒って、ないですか?」
「怒る?」
首を傾げ、不思議そうな顔をする。
「だって、こんな、女装なんて・・・男らしくないっていうか」
「あー」
得心がいった、というように、誠は再度からからと笑う。
「男らしいとか女らしいとか、あんま気にしないんだよな、僕」
「そう・・・ですか?」
「うん。っていうか、僕もたまに男装するよ?」
「え!?」
「っていうか、させられる。姉さんに」
「ああ、粂せんぱいに・・・」
何だか、その情景が容易に想像できた。粂佐由理とは、そういう人間だ。
「だからまぁ、そこは気にならないな。それに、マサミの場合良く似合ってるから尚更ね」
「似合って、ますか?」
「うん。僕よりもずっと可愛くて、ちょっと羨ましいかな」
似合ってる。
恋人からのその一言が、何だか不思議に嬉しかった。
自分の一風変わった趣味を認めてもらえた、という喜びもあるのかも知れない。
ともあれ――誠は本当に怒ってなどいなかった。
雅美は、ただただ安堵するのだった。

「ところで、マサミ」
「はい?」
「もうちょっと、じっくり見せてよ」
「あ、はい、かまいませんよー」
すっと立ち上がる。
そして、いつも姿見の前でやっているように微笑む。
「お、おおぅ・・・」
ごくり、と誠が唾を飲むのが分かった。
そのまま右手でワンピースの裾を軽くつまみ上げ、くるりとターン。
「ふぁー・・・」
少しだけ首を傾げて、再度笑顔。
「どうですか? へんじゃないですか?」
「・・・ほわぁぁ・・・」
「あ、あの、マコトせんぱい?」
「あ! う、うんうん、凄い。全然変じゃない。っていうか超可愛い」
「ふふ、ありがとうございますっ」
ぺこり、と小さくお辞儀。
その仕草が、またしても誠のツボにハマった。
胸を押さえ、頬を赤らめて悶える。
「やっべ。マジ超可愛い。何これ。何だこの感覚。ありえねー」
アレだ、萌えだ、萌え。激萌える。たまらん。
ごろごろごろー。
身悶え苦しみながら、床を転げまわる誠。
「マコトせんぱい・・・だ、大丈夫ですかっ?」
「んー、ダメ、大丈夫じゃない」
「ええっ!?」
がばっ、と起き上がると、誠は雅美に問う。
「・・・なあ。ちなみに、その・・・スカートの下って、どうなってんの?」
「へ? スカートの下・・・ですか?」
一瞬きょとんとするが、すぐに誠が言わんとするところを察して、顔がカッと熱くなる。
これは・・・答えて、いいのだろうか。
今度こそ、引かれたり嫌われたりするんじゃないだろうか。
そんなことを思いながらも――でも、いっそ最後までという気持ちが勝った。
「・・・穿いてます。その、女性物の・・・下着」
「ぅおっ、ほ、本当?」
「あ、はい・・・その、ネット通販とかで、か、買って・・・」
「えと・・・今も、だよね?」
「う・・・はい。そう、です」
「・・・・・・見ても、良い?」
「・・・・・・は、はいっ。ま、マコトせんぱいだったらっ・・・!」
ぎゅっと、目を瞑る。
下着姿を見られるのも、別に初めてなわけじゃない。
それどころか、裸だって見せたし、見た。
だけど、今回のコレは・・・ちょっとワケが違う。
「初めて」の時と同じくらい――むしろそれ以上に、心臓が激しく躍動する。
自分でも分かるくらいに、顔が紅潮する。
雅美は自らワンピースの裾を両手で持ち、そのままするすると――ゆっくり持ち上げた。
ああ、見られる。
見られてしまう。
女装する際に、一番恥ずかしい、一番男であることを隠せない箇所を。
動悸はますます激しくなり、無意識に内股になった両足も小さく震える。
酸素不足を全身が訴えている。
うっすらと、涙も滲んできた。
「あ・・・」
短い、誠の声。
「ふふ・・・白だ。可愛い」
「あ、あのっ。そ、そんなまじまじと・・・」
恥ずかしさのあまり、裾を下ろす。
――が、その両手は誠によって遮られてしまった。
「まだ、だーめ」
誠の目つきが変わった。
何かのスイッチが入ったようだ。
「うぅっ、せんぱい・・・は、恥ずかしい」
「恥ずかしがることないのに。可愛いよ」
「そんなこと、いっても・・・」
「へえ、マサミはこういうのが好みなんだね。清純派系? 僕もこういうの穿いた方が良い?」
「そ、そそそれはっ、マコトせんぱいの、好みで・・・っ」
「あは・・・マサミ、大っきくなってる」
ちょん、と先端に指先が触れる。
「ひゃうっ」
その不意打ちの刺激に、雅美は小さく飛び上がった。
「ほら、こんな小さな下着じゃ、隠れきれてないよ?」
「いやっ、せんぱいっ」
「あ、まだ大きくなるね・・・えいっ」
「あひゃっ、ダメっ、ダメですっ!」
「っく・・・畜生、可愛いなぁもう。興奮してきちゃったじゃないか」
「そんなっ、せんぱいさっきからとっくにおかしかったですよっ!?」
「・・・言ってくれるね」
――ちゅ。
今度は、指先どころか――唇が触れた。
「きゃあっ!」
もう、ダメだった。とても立っていられない。
そのまま後ろに尻餅をつく。
見上げると、そこにはニヤリと笑って覆い被さろうとする誠の顔があった。
「せ・・・ん、ぱい」
「ふふ、マサミ・・・今日は、このまま、しようか?」
「はう・・・」
雅美の方も、何だかんだで既に興奮状態で。
拒絶なんか到底できなくて。
ごまかすように視線を逸らしたけれど――

誠からの激しいキスで、何だかもう色んなことがどうでもよくなってしまった。
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